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まさに「教養」としての本であり、実務直結で学ぶのであれば他の本のほうが理解が進む。
金融政策、金融規制、株式市場の成り立ちという概念寄りの説明から、フィンテックやデリバティブといった技術革新まで幅広く言及。
コーポレートファイナンス的な内容は、終盤からようやく言及されていくものの、
・ROEが奪う競争力
・銀行からの融資 完全マニュアル
・借りたら返すな!
あたりのほうが各論に強い。
文章や見出しに疑問形を置いていても、結論が後回しにされていて読みにくく、結局解答がわからないことも多々。
編集がいけてないので個人的には読みにくかった。
教養としての利用であれば勧めたいが、それ以外の用途であれば推奨しにくい。
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受け手によって読む箇所が変わってくる本ではないかと感じた。専門性を含めた知識を深めたいという人はPART2以降も含めて読むべきだろうが、「金融とは何か?」と感じてこの本を手に取った人はPART1だけでも良いかもしれない。
PART1については幅広い分野が記載されており、単純な全体像を掴むにはうってつけだと感じた。例えば金融機関の推移というテーマであれば、現在の3メガ体制に至るまでという部分が大きくクローズアップされがちだが、信金/信組含めたそれぞれの違いや、消費者金融や証券会社の分類についても細かく触れられている。
「教養として」と強調されているが、末尾の索引や数学的補足も含め教科書的な使い方もできる本かと思う。
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専業トレーダーになる前はノンバンク、銀行と経験してきた。
やはり金融やファイナンスの世界はものすごく広大で、学ぶべき知識も本当に多種多様。
それに現在進行形で中身がブラッシュアップし続けているという果てのない世界。
そうした中で基礎知識を整理する、そして現時点での金融・ファイナンスの現状を把握する上では非常に役に立つ書籍だと思う。
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10年ぐらい前に証券アナリストをしていた人なら著者を知らない人はいないと思う。
銀行セクターのトップアナリストでいらっしゃった。
この本を表現するなら、
自分が大学でファイナンスの授業を担当するなら教科書にしたい
本。
ファイナンスの教科書はこの本で言うならPart2以降にフォーカスされがちだけど、実はPart1がこの本のいいところだと思う。
通貨、金融機関、金融システムの古から現代にかけてを丁寧に記述している。
メガバンクがもと何だったかわからない人、例えばかつての勧業角丸証券が今何になっているか知らない人、多分いると思う。
そんなことは知らなくても困らないけど、この辺りは読み物として面白い。
Part2以降はオーソドックスなファイナンスの教科書に近いけど、数式を可能な限り省く努力をしていて、なおかつ必要ならば巻末を見てねという配慮がある。
全部を通して読む必要はない。
だけど、手元に1冊あれば、何かとちょくちょく参照しやすくて便利ではないかと思った。
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ニュースで目にする金融関係の情報に対する理解を深められる良書
図書館で借りて読んだが流し読みしただけなので自腹で購入して読み直したい
手元に置いて置きたい一冊
銀行の機能
金融仲介機能
情報生産機能
与信管理
リスク負担機能
預金者に代わって融資
資産転換機能
流動性転換機能
預金者は好きなときに現金化
借り手は返済期日まで返済義務を負わない
信用創造機能
融資した金が様々な経済活動を通りして再び預金に
信用乗数
決済機能
株
配当利回り=dps(一株あたり配当)/株価
配当性向=dps/eps(一株あたり利益)
per=株価/eps
益回り=eps/株価=perの逆数
投資額に対してどれだけ稼いだか
リスクに対する期待収益率
資本コストの推定値
資本コスト=リスクフリーレート+リスクプレミアム
リスクフリーレートは国債利回りや預金金利など
短期国債利回り
pbr=株価/bps(一株あたり純資産)
pbr=per*eps/bps=per*roe
pbr=roe/益回り
roe=eps/bps
要求収益率=資本コスト
配当割引モデル(ddm)
配当一定
株式価値=配当/資本コスト
配当増加率一定
株式価値=期初配当/(資本コスト-成長率)
dcf
eps一定
株式価値=eps/資本コスト
eps成長率一定
株式価値=eps/(資本コスト-成長率)
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内定先からの課題図書。
結構な幅のレベルの層をカバーできる書籍であると思う。そういう本は、そう多くないと思う。
当初予想していた(表紙の感じ)よりは随分骨太であり、章立ても分かりやすく整理されており、非常に読みやすかった。
これまで、分かっているようで分かっていなかった、金融についての網羅的な知識を補強することができた。
そして、各所に筆者の知的好奇心(金融、ファイナンスへの愛着)が伺えたのも良かった。読んでいると、いつかエコノミストとして生きてみたいな、なんて思わせてくれた本。