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ホントに人工知能的なものに意識や自我が誕生したら、それは人間のそれとは似ても似つかないものになるはず。理屈から真面目に考えてみれば、そうなるはずなのだが、そういう話は「翻訳者」くらいか。国産でこのテーマのアンソロジーを組んだら、そっちの方が主流になりそうな気がするんだが。まあ「人型」というものに対する彼我の意識の違いか。そんな堅いことを言わずにロボットテーマのアンソロジーだと思えば佳作揃いで楽しい。今更のアジモフ三原則をヌケヌケと持ち出す「もっと大事なこと」あたりがお気に入り。
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『創られた心 AIロボットSF傑作選』読了。
全16篇、550頁の充実仕様。冷凍睡眠中の人間がほぼ死んだ宇宙客船でロボットが隠蔽のため人間のフリをする茶番劇や探偵がハウスAIを取調るミステリパロディもいいけど、AIが人間を超越した未来でAIからの"お告げ"を解釈する研究者を描く「翻訳者」がよかった。
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人間のようなA.Iが多いが実際はそうじゃないんだろうな。
印象的だったのは以下。
『エンドレス』
『アイドル』
『もっと大事なこと』
『ソニーの結合体』
『人形芝居』
『翻訳者』
『赤字の明暗法』
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コミック『アトム・ザ・ビギニング』を読んでいたところで本作を偶然手に取ったのだが、ロボットの擬人化という単純な物語など遥かに超越した16篇の来るべきAI世界にまつわる思索小説としても大変興味深い短編が名編者J・ストラーンによって集められている。J・J・アダムズ編による銀河連邦、パワードスーツものなども読みたくなる。
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いくつかは本当に頭で想像できなさすぎて挫折したけど、好きな話もいくつか。
サラピンスカー「もっと大事なこと」
人間よりも賢い頭(?)で考えれば、きっとそんな決断を下すだろうな〜と思った。
死んだ富豪とその息子で、従者ロボットへの態度が違うのをもっと掘り下げて知りたいと思った。
「働く種族のための手引き」ヴィナ・ジエミン・プラサド
かわいらしくて豪快で、ほっこり。
「ソニーの結合体」ピーター・F・ハミルトン
怖っと思いながらも、ちょっとそんな体になってみたいような気もする…。
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2022-12-06
AIテーマ短編集。便宜上AIと言っているが、それを人類に対してどう位置づけるかは千差万別。他者、鏡像、比喩、拡張、反映、などなど。いずれもとても興味深く、示唆に富み、刺激的。
現実に近いという意味で、ケンリュウ「アイドル」、スラップスティックなコメディとして、アステアレナルズ「人形芝居」、その先の美しさとして、ジョンチュー「死と踊る」あたりが気に入ったかな。
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SFってやっぱ面白い、と思わせてくれる16編と盛りだくさんの短編集。文庫も物価高騰のあおりを受けてこんなに高くなったか・・・と思いつつ買ったが、元は取れたと思う。
どの作品も味わい深いのだが、意識を持ったAIは物理的につながりさえできれば、ハード(シャーシ)を乗り換えていけるって設定が興味深い。人間が求めてやまない不死不老をAIなら実現できるという夢。
究極は「罪喰い」の世界で、人間はみな仮想空間(天国)に旅立ち、荒廃した地上にはロボットだけが残る。遺していく記憶を選べるってとこが業だ。
一方で、製品が成長したり、メンターがいたり、ロボット同士のいじめがあったりって世界の作品もあって、自意識を持つようになって社会のなかで生きていこうとすると、AIも人間も変わらないのはそうだよなと思う。
生存権をはじめAIの権利が認められる日が来るのだろうか?