紙の本
「絡合力」の純粋な理論説明だと思った
2022/02/01 20:08
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投稿者:どんな名前つけようかな? - この投稿者のレビュー一覧を見る
全体のうち三分の一未満しか「絡合力」について取り上げられていない印象を受けた
しかしここ最近の事象を実例にして絡合力に絡めようとしている努力も感じられる
ただ、明治以降の思考システムに対して異を唱えるところが強く、「自分本位」を掲げた夏目漱石や現在日本経済の祖たる渋沢栄一、文明開化の立役者福澤諭吉、
そして古典としては最先端とされる個性尊重主義的な詩を書き続けた「金子みすゞ」の生き方の否定に繋がりかねないか心配だった(金子みすゞにいたっては「みんなちがって、みんないい」という言葉を中心として戦争に対して真っ向から対立する立ち位置だから)
惜しむらくは一次情報発信源や参考文献を巻末に挙げて読者が後追いで調べやすいようにして欲しかった
また最近の著者の単行本はスペースを取り、現在普及しはじめている電子書籍の台頭を許す結果となり今のご時世に芳しくない(検閲の懸念故)
せめて大きい活字で新書サイズ、理想は文庫サイズで出版をして欲しかった
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絡合力について知りたくて読書。
著者の出演するニュース解説番組や毎日発信している音声ブログはよく見聞きしているが、著作は初拝読。
絡合力の概要は、最後のPart7の中間あたりから読むと大枠がわかる。
本書は難しい説明も専門用語も少なく、理数系の知識がなくても読みやすく書かれている。
一般的に日本らしさを喪失したのは、戦後のGHQによる統治と思われているが、実は、明治初期に日本の文化よりも優れていると思い込み取り入れた西洋文化に端を発している。
今回の新型コロナウイルス騒動で明治からの積み重なった弊害と大脳皮質の利己的な部分が一気に吹き出してしまった感じがする。
平気で嘘をつき、人を騙しても何とも思わない日本人が増えていることが悲しい。
日本人の祖先が古来から受け継いできた絡合力を見直し、取り戻すことが重要だと著者は主張する。
それにしても目に見えない(現時点では証明できない)力の存在を確信して説明する化学者は非常に面白い。
これを機に他の著作も読み、普段聞いている音声ブログなどをより深く考えるためのリマインドにしたい。
難しそうだが、岡潔氏の本を読んでみたくなった。
読書時間:約1時間
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絡合力 武田邦彦 ビオマガジン
大自然には絡合力(らくごうりょく)という
絡み合う力
繋がり合おうとする性質があると説明する
最後の7章で肝心の本題である
「絡合力」が登場する
危うく途中で放り出すところだったが
全体と部分の関係やメスオスの出現に関する
とても面白い内容である
なかでも興味を引くのが「ボロボックス」
緑藻の一種だとされ
普段は単細胞で暮らし
危険などが迫ると60個程が集まって一つの体を作り
それが治ると又単体に戻って暮らすという
全体を構成する無くてはならない部分として
存在する利他性と利己性を
相対的に持つのが生命体なのだと説く
武田さんは大脳新皮質を利己的な資質とし
奥にある伝統脳を利他的なものとして
とらえているらしく
西洋文明と共に最近流行っている
大脳に特化した脳科学を批判している
かと思えば
夫婦別姓も個人主義からなるものとして
目の敵にしている
自らを科学者として感情的な判断を否定し
とても客観的な意見を言うかと思うと
かなり排他的な視野の狭い意見も多く
矛盾しているようだ
この本では右脳と左脳の違いに触れることなく
大脳新皮質と伝統脳(多分海馬)の違いとして
利他性と利己性を語っている
気付いてみれば
この本を手に取るキッカケとなった
題名はキャッチィーだけれど
中身のほとんどは前に読まされている
内容の繰り返しだった
その内容も選民的な一部の私見を除いて
科学的な多くの判断には賛同するし
この題名も良いと思うが7章以外に
新たな情報は少ない
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25歳までに頭で決まった「正しいと思うこと」は65歳になっても変わらない。
利他的な伝統脳よりも 利己的な大脳皮質 神津な働きをしていると錯覚
ヨーロッパの個人主義「力こそ正義」 ⇔ 正しさの基準は人それぞれ
神に近づく無限の努力
女性 暮らしの脳 知識と行動が1対1
男性 狩りの脳 その場の分析と判断
地球が誕生した時の空気は95%がCO2
炭素を抱え込んで死骸になった生物が石油として埋まっている あと8000年分?
欧米の労働=神に逆らった罪へのあがない:奴隷に仕事をさせる=支配層の論理
日本の労働=神様に仕える行為=宗教的な修行=勤労の権利と義務(日本国憲法)
日本 天皇に権威を集中させた平等社会から明治および戦後、階級社会へ
北半球で温帯の唯一の比較的大きな島 自然と共存
動物
群れに依存し群れのために死んでいく
「絡合」=絡み合い :生命力
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「絡合力(繋がり合う力)」という日本人らしい力を発揮して、世の中を生き抜く方法について解説された一冊。人間の脳には、利己的な「大脳新皮質」と、利他的な「伝統脳」があるが、現代人は「伝統脳」に偏りがちであり、日本人が元々持っていた利己的な生き方を取り戻し、再び力強い日本を取り戻す手法が伝授される。世界の歴史を学ぶことで、マスコミや権力者などの言葉に惑わされずに、物事を多角的に見るヒントが詰まっている。