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D県警シリーズで未読だった第3弾。国際女性デーに合わせ?新装版が出たのを機に。第1弾「陰の季節」に登場した似顔絵婦警が主役で再登場します。警察内部の露骨な女性蔑視に耐えて堪えて頑張る瑞穂ちゃんが健気。連作ですが、どの話も意外なオチが用意されていて楽しめました。「ノースライト」からもう3年、新作が待ち遠しい…。
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かつて似顔絵捜査官だった女性警察官の心の葛藤を描いた作品。
警察という職業に誇りを持ち、男社会の中でどんな仕事でも信念を曲げることなく恐る恐るだが立ち向かっていく姿に共感できた。
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昔はもっと面白いと思って読んでいた記憶があるのだが。この作者の作品は、慌ただしく解決するものより、長編でじっくり文章を味わうものの方が面白いのかもしれない。
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D県警シリーズのひとつで、読む順番が気にならなければどこからでも読めなくはないが、部分的にわかってしまうところもあるので、順に読んだ方が良い。流れは①影の季節②動機③顔(本作)④64ロクヨン⑤刑事の勲章(電子書籍)なのだが、私は逆行していた。
今回はD県警の二渡ではなく、機動鑑識班の似顔絵捜査官平野瑞穂が主人公。男性社会と言われた中で女性が如何に活躍していくかが描かれている。
二渡はほぼ名前だけ出てくる。
6歳で放火被害を受けたしおりとの接点は、瑞穂の気持ちが特に上手く描写されていると感じた。
後輩の似顔絵婦警との関係性はがろうにある絵が物語っているように思う。絵には描き手の表現したい感情が現れる。文字と同じように、しかし異なる形で。
銀行強盗訓練の際に本当の銀行強盗が起こる。ここでも婦警の立場で瑞穂の苦悩が表されている。絵を描く際には対象をよく見る、それが役に立ってくる。
心の銃口では、南田婦警との気持ちを共有しながら事件を追いかける。「相棒」の箕田とともに。瑞穂が大きく成長したと感じる。
最後に心の銃口の意味がわかり、瑞穂の揺れ動きながらも正義を貫く真面目な姿が美しささえ感じた。そしてその中で強くなり成長していく姿を応援したくなった。
いつのまにか瑞穂が警察官としての「顔」になっていた。
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顔FACE 横山秀夫
●動機
まとまった休日のため、ビジネス書以外で小説にも手を伸ばしたくなりました。
横山さんをチョイスです。
ロクヨン、クライマーズハイ、半落ちなど記者、警察、そして犯人側のいずれの描写も迫りくるものあります。
●主人公は?
20代女性警察官です。
鑑識で目撃情報をもとにモンタージュを作成する、絵心もスキルもある方です。
転機が訪れます。
ある事件で、彼女の描写が機会となり、犯人検挙となりました。
しかし、描写と犯人の乖離があるため、逮捕後に書き直しを命じられます。
そして、実行します。
組織の力に、若さ、情熱だけでは太刀打ちできませんでした。
そして、葛藤と戦い、休職をするほどのダメージとなります。
さらに、復職をしたら、異動という顛末でした。
●小説のタイトル「顔」
小説のなかで、女性警察官が男性警察官からどのように見られているのか?の描写があります。
それに耐える顔、表情に出さない顔。
閑職に追いやられても、冷静に職務をする顔。
同期が、後輩が辞めていくなか、警察官を続ける顔。
これらは、すべて彼女が見せる顔です。
なぜ、耐えるのか?何のためななのか?
彼女には、ひとつの「信念」ありました。
それが幼少期の記憶です。
『なぜ、警察官を志したのか?』
●読みおえて
働く、生きる。
楽しいことも、苦しいことも、悲しいこともあります。
その繰り返しの毎日です。
そんなとき、自身が自身にどう声をかけるのか?
結局は、自分自身です。
主人公の20代の若き女性警察官の生き方から感じとれるものがありました。
横山秀夫さんの世界。
人間味が溢れる世界。
だから、好きなのかもしません。
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安定の横山秀夫作品で、ラスト100ページは一気読みでした。かなり久しぶりに横山秀夫の小説を読みましたが安心してワクワクと読み進められました。今のダイバーシティ・多様性につながるテーマも早くから取り入れられていたんだな。と感心いたしました。
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久しぶりの警察ミステリー
ヒロイン瑞穂さんが一話一話成長していく感じがとても良い。頑張れ!って応援したくなる。しかも、ミステリーとしての謎解きというか、あちこちに散りばめらた伏線回収も鮮やかの一言。
働く女性応援しないと!って思うな。
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こんな普通の性格の女の子がよく警察官になれたなぁ。警察学校で風間教官のような教官に弾き出されなかったのだろうか。警官のくせに拳銃を撃つことに恐怖を感じる似顔絵婦警の物語。D県警シリーズ読みたいと思いながら、今作がなぜかシリーズ初読み。第3作なので1、2作も読まねば。男社会の警察の中で軽視・蔑視される女性警察官の苦悩と奮闘が描かれる。酷い言われようと感じる部分もあるが、確かにちょっと甘いと感じるような部分も。刊行が2002年なので今はさすがにこんなセクハラ発言許されないだろうとは思うが、男社会であるのは変わらないんだろうな。
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横山さん原作の映画は見たことがあるけれど、小説を読んだのは初めてかもしれない。
小学校の時の夢を叶え、特技を活かして鑑識課の似顔絵捜査官になった平野瑞穂が主人公。
似顔絵の改ざんを命令され休職。その後広報室、犯罪被害者支援対策室を経て最後は捜査一課で産休を取る婦警の代わりとして配属される。男社会の警察の中で冷たい視線に晒される様子はもどかしくもあったが、ラストでは警察官として素晴らしい成長ぶり。
解説を読んだら『陰の季節』を先に読んだ方が良かったようですね。シリーズ物のようなので最初から読んでみようと思います。
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どの短編の展開も面白く、心情描写が秀逸。女性活躍推進やハラスメント防止が叫ばれる現在、警察社会がどうなってるのか気になった。