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※「仮想人生」の改題です。購入される方はご注意を。
インターネット世界を端的にかつ客観的に表現した単行本タイトルから、なぜこんなにも内容とかけ離れたタイトルにしたのか、悩むし、もったいない。
解説は非常に力の入ったものではあるが、作者の作品を読み続けてきた読者視点からすると少々深読みしすぎではないかと思えた。
基本的に「仮想人生」から大きな変化はない(日本語がおかしいところも含めて)。
dis表現だな・・と思われるところが削除されている感じ。
「冷たいアイスコーヒー」といった表現の頻出も変わらず。
状況描写は過剰に細かいので映像化しやすいかもしれません。
文体の特徴として単語(「ミネラルウォーター」「マックグリドル」)や「〇〇駅から徒歩何分の家」、といった具体的な描写を繰り返す・・・などがあります。
※なぜ男の子たちはみんなマックでマックグリドルとハッシュポテトなのか。駅から徒歩何分のマンションに住むことが作品にどれだけ影響するのか。どれも必然性が感じられないのです。・・・作者の好みでしょうか?
逆に細かく書こうとして全体としての整合性があっていない個所も見受けられます。
(一日ぶりに帰った家で数日分の郵便物をチェックしたり、医学部の滑り止めが商学部だったり、という、それぞれ無くはないでしょうが、前後の描写が足りないため違和感が強いです)
エピソードは作者の過去を知っているとあ、あの時の話をモチーフにしたんだ、というのが容易に想像でき、
ツイッターを舞台にしているとはいえ、類型的過ぎて個々の人物の造形が薄いです。
「タバコと憂鬱は相性がいい」「言葉は感情の種類に対して不十分すぎる」といった、他の作家でも見たことのあるような響きのいいフレーズを冒頭や要所要所に置いてはあるのですが、その雰囲気が地の文まで続いていないため唐突な印象を受けます。
また、「言葉は感情の種類に対して不十分すぎる」は一瞬美しく響きますが、よく考えるとボキャブラリーと知識が貧困なだけでは・・?という気にもなります(登場人物の性格でもありましょうが)。
こういう点も他にあまり本を読んでおらず比較対象がなければ単体として面白く感じられるのかなと思いました。
最後の1ページに込められていた無神経さ(おそらく作者の無意識の現れと思われますが)の描写と、過食嘔吐や精神的DV描写などはご自分の経験をもとにされたのかと思わせる生々しさがあり、ふわっとした世界観の中で印象に残りました。
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Twitterの裏アカウントを運用する5人の物語。
ナンパ師という肩書きを初めて知ったが、全く知らない人だからこそ会ったばかりでも自分をさらけ出したりできるのかなと思った。
夫が失踪したことをきっかけに、専業主婦だった女性が前に進み始めるのは良いが、最後まで夫が帰ってこないのでは結局前進できないのではと思った。心配で何も手につかなくなりそう。また、33歳子なしで専業主婦というのは今どきかなり少ないし、その生活でなぜ仕事をしないのかよく分からない。全体的に共感しづらかった。
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表も裏も全てが私。言葉のフレーズに、あっ、それ私だ、と思うところが多々ありました。とてもしっくりきた小説でした。
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みんな少しずつ病んでいる。InstagramよりTwitterに馴染むわたしもそのうちの1人だろう。隠したい癖に、知って欲しいというこじれた承認欲求が良く描かれていてすごい。
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評価は低めだけど、面白かったんですけど。Twitterを使ったアンダーグラウンドな界隈のお話。実際にここまでの出来事が日々あるのか分からないけど、あってもおかしくないかなと思われる。最後の方でキュンキュンな展開が繰り広げられるのもなんだか楽しかった。
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人妻とかナンパ師のTwitterアカウントの話なのに、意外にもほのぼの系だった。できすぎみたいな気もするけど、このくらいのフィクションとほのぼのさがあると安心して読める。こういうクソみたいな捨て垢を作る人にも、何かを考えて家族がいて自分の生活があるんだよなと思いました。