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『弟切草』や『かまいたちの夜』は自分の世代だとちょっと時期がずれる、が話題ゲームだったのは知ってるし、ちょっとやってみたけど自分には合わなかった。そのころにはファミコンは卒業していたので作者のプロフィールを見ると、ああ、納得といったところだ。文中に説明はあるも、まったく世代じゃなかった人にはなにこれ?と置いてけぼりを喰らう。この小説は当時のサウンドノベルゲームを意識したような構成でいわゆるアドベンチャーゲームだ。いろんな人に話を聞いてヒントをもらいフラグをたてて進めていく。だから無駄に登場人物が出てくるし、ずーっと会話調が続くので読んでいて疲れる。~の証言と~の取材も同じじゃないのか?無駄に多い節も面倒だった。話全体像がまとまるまでにページを使い過ぎているから後半までの間延びがずーっと筆者のターンが続いているような感覚で読者を楽しませてくれない一方通行な印象だった。当然作者も風呂敷をどーんと広げていったのでで、結局どうだったのよってオチが小さく小さくまとめられて、いるいろと抜け落ちたまま終わった。前作の『罪の声』と同様の感想で自分には合わない作風・作者だなぁと納得した。
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ライターの大路が、元新聞記者の父から辻静代の孫である辻珠緒について調べてほしいと。
亡くなった祖母が、持っていたのは興信所の調査報告書で、辻静代のことを調べたものであったが、目的がわからない内容であった。
孫の辻珠緒のことを調べていくうちに始まりは、昭和三十一年に起きた福井の大火にまで遡る。
つまりは、昭和から平成、そして令和の現在までの辻静代親子三代までに関わる人たちにインタビューしてまとめた記録である。
取材形式で証言した内容が確認できるが、それだけに物足りなさを感じた。
もっと深く本人たちの心情を知りたかった。
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最初よく分からない分野の話もあるので読みづらかったけど,読み進めると苦じゃなくなってきて,結末が分かってからもう一回読んだ。実際の事件はこんな感じで見えてくるのかなと思う。
一読目で真相ってそれ?と思ってしまったけど,それはマスな視点からの感想で省みた。
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元新聞記者のライターである主人公が、同じく元新聞記者である父親の依頼で、ある失踪中の女性について取材を重ね、その女性を巡る「真実」を解き明かしていく。
様々な人たちへのインタビューにより、1人の女性(とその母親・祖母の3世代)の人生が浮彫りにされていくという構成は、なかなか興味深かった。登場人物が多すぎるという意見もあるようだが、一見ストーリーの本筋に関係なさそうなものも含め、これだけ多彩な証言を重ねることで、よりリアリティにつながっているように思う。ただ、冒頭の「登場人物紹介」を折々に見返しながら読み進めたが、重要な登場人物が結構抜けてる(特に主人公の祖母は必須と思うのだが・・)のは不親切だと感じた。
学生時代、京都で過ごしていたのに、本書に出てくる何必館には行ったことがなかったが、訪れてみたくなった。
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面白くて一気読みなのだけれど・・・
今ひとつ期待外れな・・・
昭和31年、福井芦原温泉の火事を発端に、
現代へと続く人気ゲームプロデューサーのゆくえ不明事件。
そこに主人公大路の父親からの依頼がからまって・・・という
ミステリー。
マスと個をとジャーナリズムの関わりをテーマにしているのは
わかるのだけれど、肩に力が入りすぎた感じ。
最後の謎解きのあとの余韻が、この作家さんの持ち味だと
勝手に思ってきたけれど、ちょっと薄れるような?
序章の芦原温泉の火災、さまざまな証言は新聞記者として
楽しかったんだろうなぁ、そして、ここは秀逸だなぁと思うだけに
残念。
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結論から言うと読み終わりませんでしたので積読行き
他のレビューでも書いているのですが、自分はヒトの名前を覚えられないヒトで本作のように多くのヒトが登場する作品はダメでした
これはノンフィクションなんですかね?
大火事が起きて、時間軸がしばらく経過してから多くのヒトに話を聞いて、、、なんかゲーム会社にいた女性の事を聞いていたけれども、それが何故だか覚えていないw
図書館でお借りしていたので時間制限があり、、、一旦返しますが、いずれ電子書籍などのゆっくり読める形で再チャレンジしたいと思います
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塩田さんの新作ならば、放っておいても図書館に入るだろうと思っていたのが甘かった。待てど暮らせど登録されず、そのうち忘れてしまった。入ったことに気付いたときには数人待ちになっていた。完全に出遅れてしまったが、いやあ……つまらん(-_-;)。何度途中で放り投げようと思ったことか。
小説の形をとっているがすべて事実を基にしているという(っても、核心部は除く)。塩田さん自身が現地に足を運び、関係者にインタビューし、再構成したものらしい。
だが、読み手にはそんなこと関係ない。どこにつながるかわからない証言を延々と読まされ(この時点で1/3が過ぎる)、主人公登場後も方向性は不明なまま。NFは好きだが、この形式は勘弁してほしい。
労作だとは思うけれども、ひたすら苦痛なだけの読書だった。
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作者の熱量は充分すぎるほど伝わってくるのだが、それが作品の面白さにはつながらず。色々な差別に焦点を当てたかったのだろうけど、空回りしている感じ。
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ドキドキしながら読んだ
だんだんわかってくる珠緒
最後になってわかる繋がり
ま~~なんて事!!
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中心人物がほとんど出てこないのは宮部みゆきの『火車』や乃南アサの『涙』同様です。ゆっくりと小説世界に入り込むと、その様子をうかがう、あたかも自分が同行者になり旅をしているようです。北陸の冬の海を間近に意識しました。
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辻珠緒という失踪した女性を探し、知り合いを訪ねて聞くうちに女性にまつわる事情が浮かぶ。会話から浮かんでくる証言と実際に起きた事実、内容が二転三転しながら真実とは何かを読んできた感じがするお話。
これまでに見たことあるような展開な気もするけど、こんなにリアルでガッツリのめり込まされたものはなかったな。
112冊目読了。
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2年前に『罪の声』を読んで以来2作目の塩田作品。
元新聞記者を主人公に、今回も緻密な取材を積み重ねていく手法で、一人の女性の失踪事件を追っていく。
濃い霧が少しずつ晴れるように、謎の女性の姿が見え隠れする。作者を信じて読み進めるしかないが、手軽な検索システムに慣れた脳ミソが、なかなか情報が得られないもどかしさに悲鳴を上げる。まさに脳の筋トレ。じっくりと一つの出来事を追う過程が、しんどいけれど楽しい。
聡明で魅力的な女性が背負う、3世代に渡る母と祖母の苦しみ。人に歴史ありというが、「事実」と「真実」の差に愕然とする。しかも一つの「事実」に対し、当事者の数だけの「真実」が存在するのだろう。
指先一つで情報を得た気になっている現代の我々に、その浅はかさを突き付ける作品、と自戒を込めて受け取った。
◆いちまろの感想・レビュー『罪の声』 #ブクログ
https://booklog.jp/users/ichimarobooks/archives/1/4062199831
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福井県有数の温泉地、芦原温泉で実際に起きた大火を背景に、ライターの大路亨が行方不明になったゲームライター辻珠緒を探すうちに、彼女の過去についてその時代の社会問題とともに知ることになる。
最初は証言パートが続き、少し読みにくいかなと思ったが、ハードカバーに織り込まれていた著者へのアンケートに、「ノンフィクションと小説の間にあるリアリズムを書きたいとというのはあったけど、ディティールのほうに引っ張られて物語弱くなっていた。」その結果として、証言パートを独立させたとのことだった。
なるほど、確かにそのほうが辻珠緒の人生を知るためには面白い方法だと思った。人によって、個人の見方もそれぞれだし、思い出も異なる。大路亨が珠緒自身に、近づいたり離れたり、心情が揺さぶられる過程が良かった。
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昭和31年福井県は芦原温泉の大火。実在した事件を舞台にしたドキュメンタリー調のミステリーは息もつかせぬ展開。
大火に翻弄される人々から一転して、行方不明となった女性を追い聞き込みを続ける元新聞記者、その証言のみでつないでいく展開。そして明かされる火事場での真実。
男に翻弄される三世代の女性を大河的に描いた骨太な作品。
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登場人物が多く、関東のリストでも追い切れずに困った。前半は、主人公のライター・大路亨が追うゲームライターの辻珠緒について、次々と知人や関係者がコメントする。そして、後半になり、大路が父から受けた調査依頼が、辻珠緒につながって行き。
舞台は福井県の芦原温泉。1946年の芦原大火から物語が始まる。そして、東尋坊のすぐ近く、雄島とそこの神社の描写が印象的。