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次々と現れる強力な新型ウイルスに対抗する為、政府は『繭』と言う巣篭もりを強制した。繭の期間は外出も禁止となる。だが、そんな中でも外で仕事をしないといけない職種である警察官は、相棒として外見は本物の猫の姿をしたAI搭載の猫型ロボットと共に、日々パトロールをしていた。繭の期間でも事件は起こって…
警察官のアキオと相棒の咲良のコンビがとても良い関係で、咲良もちょっと生意気な感じが可愛いです。アキオも人柄的に良い人で、好感が持てます。
繭の期間、犬の散歩のみ許されており、そこで知り合った城川さんも良い人で、今後の二人に期待です。
繭の巣篭もりは、今のコロナの外出規制よりもっと厳しく法律で縛っているので、家の中での鬱憤が事件を引き起こすのが切ない。
特に、アキオの先輩の宮坂の家庭が繭の所為で壊れてしまったのもリアルでした。
続編希望です!
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ウイルスに対抗するため、この国では強制的な巣ごもり=繭が日常となった。
しかし、外に出なければならない者もいる。警察官の水瀬アキオもその一人だ。
人々が部屋にこもっているはずの街で、不可解な死体が見つかったり、ビスケット工場が動いていたり……
非接触の世界で起こる事件に、アキオと猫型警察ロボの相棒・咲良が迫るミステリー!
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日本でもしロックダウンが行われたら人々はどう感じどんな行動をとるのか。
あり得ないと言えない今の時代だからより興味深かった。
厳しい制限のある生活の中で様々な立場の人の苦悩が描かれ、けれど最後には希望や救いが感じられるミステリーだけではない良さがたくさんつまった一冊。
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ニルってくらりがかぶってるうさぎ耳の帽子なのでは⁈
これ東京創元社の本だっけ?
と裏表紙を見てみたら光文社でした(笑
ねこ好きにも犬好きにも対応。
重点措置が延長された今がリアルに読むのによいタイミングでした。
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今のコロナ禍に通じる短編集だが、非常に興味が湧き、近未来的な要素も多分に含んでいて、とても面白かった。
次々と現れる新型ウイルスに対抗するために国が、〈繭〉という仕組みを作り、定められた期間は外出禁止で所謂、巣ごもりを強制する。
〈繭〉の間、ひとりで交番勤務にあたる警察官を補佐し、心を守るために開発されたのが、猫型ロボットである。
この猫型ロボットが、〈繭〉期間に起こるさまざまな事件を警察官のアキオとともに解決へと導く物語。
可愛い顔をしている猫なんだが、喋りは口の悪いオッサン風、しかし意外に優しくて憎めないキャラである。
動きも迅速で、記憶も記録も完璧なのは、ロボットだからか…。
だが観察力も優れている。
とても頼もしいロボットなのである。
これは、近い未来に発明されるのでは…
いや、発明してほしいと望む。
科学は、どんどん発達する。
現実に三回目のワクチン接種を終えたところだが、まだ四回目もあるのか…と少々うんざり気味である。
ワクチン接種して、新型ウイルスに効く薬の開発を待ち、しばらくはだましだまし、で様子見なんだろう。
未来は流動的、確かにそう。
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福田さんの小説は、読み応えあるミステリ、サスペンス、クライシスノベルがあったかと思えば、かる~いノリのエンタメも。本作は、後者の軽いノリ小説。大昔の新型コロナを教訓に、新型ウィルスの流行時に、《繭》と呼ばれる外出禁止の義務化が行われるようになった世界。警察官の主人公、アキオは、猫型ロボット咲良を相棒に、《繭》破りの外出者を取り締まる任務に。咲良は、姿はかわいいが、口が悪くて、まるでおっさん。って、テッドか? コロナを教訓にした未来の話、といいながら、現在のコロナ禍のドタバタを膨らませているようで興味深い。
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初のアフターコロナ小説と思いきや、数十年経ってもウィルスは変異繰り返し続け、繭-シェルターという巣ごもり強化しかなすすべなし。理工系の福田さんとエンタメ系の福田さん合体。「人生はいつだって、いつ何が起きるか分からないのだ。前を向いて心を強く持って繭の季節を生き抜く」しかないが、現実は、東京で三千人超の感染続く中での大渋滞、大混雑…ヒトはシタタカなのか、享楽主義なのか…人工知能の咲良に救われたよ。
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ネコもロボットも好きなのでネコ型ロボットは大好き。
シェルターではなく、《繭》と日本語で言い表した方がしっくりくる。
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アフターコロナの近未来を描いた連作短編集。
新型コロナが当たり前になった時代。
パンデミックが発生すると、「繭」というシステムに入ることになった日本。
「繭」に入ると、人々は買い物さえ行けず、ひたすら家にいなければならない。
そんな日本を守る警察もまた人との接触が禁じられ、交番勤務もネコ型ロボと二人?での24時間交代勤務に。
「繭」に時期に初めて勤務することになった水瀬アキオ。相棒は「咲良」。二人の小気味のいいやり取りが心地いい。
誰もいないはずなのに、何故かアキオは勤務の度に様々な事件に出くわす。
不可解な死体が見つかったり、ビスケット工場に何者かが侵入したり・・・
これまでの作風とは少し違い、ソフトなタッチ。
でもミステリーの要素はちゃんとあり、面白い。
ちょうど読んでいる時に、中国のロックダウンの報道もあり、「繭」と呼んでいるけど、実情はロックダウンに近いものもあり、日本も本当にこんな時代に入っていくのかもしれない、とどこか他人事には思えない読後感が妙にリアルだった。
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新型ウィルスの脅威を最小限にとどめるため、完全に外出が禁止される「繭」制度が確立された社会。外出しなくても済むように整えられた世の中でも「繭」に入ることができず働かなくてはならない警察官である水瀬アキオと、その相棒である人工知能を搭載した猫型ロボット・咲良が出くわすさまざまな事件の謎を描く連作ミステリ。
本当にいつかこういう時代が来るのかもしれないな、という心境でした。たしかにインフラが整えられ、さまざまなことがオンラインだけで完結できるようになれば、こうした「繭」制度は成立するのかもしれません。短期決戦にするべきだという方針にも納得できますし。だけれどきっと、心理的な問題の数々は決してなくなることがないでしょうね。そしてその状態に慣れてしまった人々が勝手な行動を取るようになるのも、目に見えているような気が。
本当に現実を思い起こしてしまって、うんざりするしかない状況ですが。そんな中でも相棒とともに任務に励むアキオの姿にはほっこりさせられます。だって可愛いんだもん咲良! 他の人工知能キャラも気になるのだけれど、咲良が一番かわいいような気がする……! そしてなんとも暗澹たる予兆がありながらも、決して未来に絶望せず進む覚悟を持つ彼らの姿に勇気づけられました。
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近未来ほんわかミステリー。
あらすじ
新型ウイルスのパンデミックが起こると、日本では国全体で繭と呼ばれる対策に入る。住民全員が家に閉じこもること。その間の非常食は備蓄している。住民は今よりも細かくAIで管理されてい、犬の散歩は登録制でできる。また 医療従事者や警察などは人数を絞って働く。四年ぶりの繭、今回は一か月の予定。
交番勤務のアキオは独身のこともあって、繭期間に勤務する。人間の相棒では感染の危険があるので、今回から導入されたのが、猫型警察ロボット。咲良。二人で死亡事故や、全自動のビスケット工場 への侵入事件、消えた先輩警官の行方などを捜査していく。
なんといっても猫型ロボットの咲良が可愛い。実物の猫のようなフォルムでも筐体はシルバー。各警官の個性に合わせてAIで性格中身が入れ替わる。主人公のアキラの相棒となる咲良は生意気。でも「よしきた!まかせておけ」と事件の中に飛び込んでいく様子は頼もしい。出勤時にはアキラの家に迎えに来て、後ろ足で立って呼び鈴を押す。巡回時の自転車の前カゴに乗るってパトロール。すごく可愛い。ちなみに他の警官だと、後輩の富山には甘えたのミンがいる。ラストでは、汎用型・広報用のキャラクター、ニルヴァーナも出てきた。
繭というシステムが面白い。この作品はコロナウイルス感染症拡大後、2022年に書き下ろされた小説で、もちろん一連の出来事を元にしている。現在で課題となっている経済的な停滞問題や、ストレスの多かった外出自粛などを解決しようという発想の対策。AI が発達して、飼い犬のデータも入っているというのも未来っぽいが、あと数年で10年くらいで現実になりそうなイメージ。
主人公の水瀬アキオの孤独感が最後にでてきた。この時代では離婚は今よりも多くて、アキオの両親も離婚し、今はそれぞれ別の家庭を築いている。途中、そんな下りがあったが、さらっと読み流していた。しかし、ラスト、猫AIニルヴァーナの場面で、「帰る場所はない、帰ったところで一人、悲しませる相手もいない」ことに共感し涙を流す場面がある。繭の隔離期間、町でほぼ一人で働くアキオは、繭の中が温かそうだと感じているようなシーンもあったかな。アキオの感情描写場面が無理なく入れられていて、この作品がより厚みのあるものになったと思う。
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あるかもしれない未来で、感染者が増えてきている今こそ読んでほしい一作。猫ロボはかわいいけれど、繭生活にはならない未来であってほしい。
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新型の感染症が不定期に出現することを前提とした近未来小説。AI化が進むお菓子工場での人間の仕事内容がなんとも…。
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表紙のような穏やかさも物語全体にありつつも、現実的な問題を突きつけられ、たびたび思考せざるを得ない小説だった。現代のコロナの延長戦の世界が舞台となっている。ほんのりミステリーや、相棒との掛け合いがおもしろかった。視点を様々に持つことができ、繭のシステムやワクチンに対して寛容的な主人公にも自分は読んでいて疑問を感じた。物語の中で繭というシステムができて年月が経っているのだろうが、法律違反とはいえ、繭を破ることに対して悪と捉えるのはどうなのだろうかと思う部分もある。さらにAIという人類がこれからさらに向き合っていくであろう存在に対しても考える機会が与えられる。このコロナ禍が少し明けようとしている今だからこそ読んでみてほしい一冊だ。
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COVID-19の発生から年月は流れ、現在は強力な新型ウィルスが現れる時代となった。
そのウィルスに対抗するために、この国には「繭」という仕組みが出来た。
政府が定めた期間は外出禁止となり、許可された職業の人達以外は家から出ることは出来ない。
ただ例外もあって、犬を飼う人は時間を申請して日に2回の散歩は出来る。
警察官のアキオも職務中は外出できる。相棒はAI搭載の猫型マシン。
「繭」の期間中にも様々な事件が起こる。
福田和代氏が、こんなライトノベルを書くとは思わなかった。