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フランスのポーと称されたルヴェルの残酷物語36編収録。とにかく後味が悪く、不気味な作品ばかり(褒めてます)。ささいなきっかけで恐怖の底に突き落とされ、狂気に飲み込まれ、悲劇的な最期を迎える……タイトルの『地獄の門』に相応しい作品集。どの作品も短いながら読み応えたっぷりで絶品。一番恐怖を感じたのは気球に乗る男二人の話『高度九千七百メートル』。
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寝る前に一篇ずつ読んでじっくり楽しめる1冊。やはりルヴェルは面白い。
どれも優劣つけがたく面白かった。本書の後半になるにつれ「物語の切れ味が増してるな~」と感じながら読んでいたのですが、訳者解説によると、年代順に収録されているとの事。なるほどね。
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さすが残酷物語集。
バッドエンドのオンパレードだった。
人間の残酷な部分を切り取って見せたような作品や、皮肉な運命を嘆きたくなるような作品ばかり。
続けて読むと鬱々とした気分になっていくので、休憩しながら読むことをオススメします。
でもまあこの陰鬱な感じがクセになるのだけど。
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知ってるつもりだったけど、初めて読んだ。不勉強だねぇ。
乱歩が好きだったというのが良く分かる。人生の残酷と皮肉を抉る超短編が36篇収められている。オチも完璧で鮮やかなもの。もっとも、このオチはスタンダードになっていて、結末が予想できちゃうのがちょっと残念かな。
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人生の悲哀や残酷を鮮明に描いた傑作短編集。今年読んだ中で間違いなくベストに入る本です。ダークなショート・ショートが好きな方はぜひ読んでほしい。財産目当てで結婚した女と愛人の悲劇を描いた「足枷」やミステリアスな女に魅せられた「仮面」が好み。
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短編集(ショートショート)36編
バラエティに富んだ36編が,予想を覆し平穏で終わらないバッドエンド.「髪束」「足枷」「高度九千七百メートル」が良かった.
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怖い!面白い!でもやっぱり怖い!!
乱歩や久作が絶賛した恐怖の短編集。
***
それはさながら癖のあるウイスキーをストレートで飲むようなもの。ちびちび読んでチェイサーにほのぼの系の小説を挟むことをオススメします。
深淵をのぞくとき、深淵もまたこちらを見ている…的な怖さ。
でも、怖いもの見たさというんでしょうか。ついついページをめくってしまいます。
救いようのない展開なのになぜか心のどこかにあるツボを押されるような奇妙な感覚に自分大丈夫か?と不安になりますが、人間の根元的な欲求や深層心理に関わるものがありそうで興味深いです。
これ系の本は苦手なので、なぜ手にしたのか不思議ですが…やはり魔がさしたとしか言いようがありません。お後がよろしいようで…。
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残酷な終わり方ばかりな短編集。
乱歩が好きだったってのはなんとなくわかる。
ひねったような展開や寓話的な話ではなく、ストレートでわかりやすいバッドエンドで読みやすい。
一番好きだったのは『足枷』。
あっという展開だったし、不貞を働いてきた妻に対する残酷な復讐劇でよかった。
他に好きだったのは、
ブラックジョーク的な笑いの要素もある『妻の肖像画』
あまりにも辛くて恐ろしい『雄鶏は鳴いた』
一旦希望や夢をみせたあとにどん底まで絶望させる『最後の授業』
あたりかな。
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『夜鳥』(創元推理文庫)を読んで以来のルヴェル。
妄執や狂気に囚われたが故に犯される恐ろしい事件、醜い容貌であるがために人との交際や愛を得られない人間の悲哀、極限まで追い込まれた恐怖による暴発、不貞した妻やその愛人への冷酷な復讐、思いがけぬ皮肉で残酷な運命などなど。
ほとんどが各編10ページほどの短編で、ストレートにストーリーが進むので、とても読みやすい。時にはこういった怖い話もいいかな。