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2022.06.05.読了
大好きな作家、窪美澄さん。
まるで気の合う友人とおしゃべりしているかのような思わずそうそう!と相槌をうってしまう作品もあり、楽しめた。
しかしながらテーマは重い。
子供はやっぱり授かりものと考える。
授かる夫婦と授からない夫婦、それぞれの人生の楽しみ方があると思う。だから不妊治療という分野は私にはよく理解出来ない。
しかしいっぽうで里親となる夫婦にも頭が下がる。
いずれにしても子供は宝だ。虐待したり命を奪ったりする権利は親にもない。
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子供を持つか持たないかが主題の短編集。
「私は子どもが大嫌い」がとても印象に残った。
30代後半で独身の主人公は実家の上のマンションに一人暮らしをしつつも夕飯は母親が作ってくれたものを実家で食べている。
最初は随分甘ったれだなと思いながら読んでいたが、いろいろな事情が明らかになり、何も知らないで悪かった…という気持ちになった。
育ての親の愛情に込み上げるものがある。
全ての話について「もう少しこの先も読みたい。」と思ってしまった。
長編でも読んでみたい。
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ずっと読みたくてやっと手に入れた本♡
なかなか内容の濃い話が多かった。
子どもが大好きな私は『いない』未来を
想像したことがないけれど
もし、、、と思うと心が沈んでしまった。
『持つことが良い』とか『持たないのが悪い』とか
そんな話ではなく色んな形があっても
思うことはたくさんあるんだなって
色々と考えた!
どうするか悩んだ時には面と向かって
素直に話せるパートナーであることは
大事なのかもしれないなって感じた。
『あのとき言っておけばよかった、って後悔が山ほどあるのよ。あなたには言っておくわ。ご主人とはなんでも話をなさい。怖がらなくてもいいの。大丈夫』
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子どもを持つかどうかに向き合う夫婦。子どもを持つことを考えられない人。子どもが嫌いな人。子どもを亡くして1人で生きる人。子どもを持てる年齢でなくなり、養子について考える夫婦
「子を持つ」ことにフォーカスした短編集
短編だが読み応えあった印象
どれもこれもが、描かれてない未来がどうなるのか気になる。
それを書かないということは、この書いたところまでで十分だというメッセージがあるようにも感じる。
子をなす。子を持つ。家族を作る。
それについて、考え、悩むことで十分。正解なんてない。
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良くも悪くも、子どもがいると人生が大きく変わる。庇護しなければならないからこそ、今までできていたことができなくなったり、生活スタイルを変えざるを得なくなってしまう。
子どもを産むことを美化したりせず、一つ一つの物語で、人生における子どもの存在がどういう意味を持つのかを真摯に描いている作品だった。
解説にもあったように、結局は人それぞれの答えがあって、一概に言えるものではないのだけれど、自分なりの答えを持つことを後押ししてくれるような素敵な作品だったと思う。
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「金木犀のベランダ」
舞台は街のパン屋さん。仲良しの夫婦2人で、大好きなパン作りを通して街の人々の幸せを願っている。里子を受け入れてみたい、という夫。自らの経験から複雑な思いを抱える妻。ひとりぼっちになったような心細さに寄り添ってくれたのは、常連客で、女1人で生き抜いてきた節子さん。「あなた、頑張ってきたのね。頑張ってきた人の手ね。」温かい肯定の言葉に救われて、泣きそうになった。自分と自分の周りの幸せを願えるような、素敵なパン屋さんのお話。
以下、節子さんの素敵な言葉の写し。
「欲しいと思ったものが手に入らないこともある。時にはすでに持っているものの幸せに気付かないこともある。それに、欲しいと思っていて諦めていたものがふいに手に入ることもある。」
「ご主人とはなんでも話をしなさい。怖がらなくていいの。大丈夫」
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子どもをもつことをめぐる短編集。子どももちたくなかったり、不妊治療したり、特別養子縁組を考えてみたり、一筋縄ではいかない状況が描かれる。
でも「一筋縄ではいかない」なんて書いたけど、いまどきの普通なのかもしれない。不妊治療が保険適用になるなんて、国のために子をつくれよ、産めよ、増やせよと同義だと自分は思っているし、一般的になった不妊治療に翻弄されて自分(たち)の気持ちを確認しないまま突っ走ってる人たちもいるんじゃないだろうか。そして、いまだに養子縁組や里親といった仕組みが進まない日本。すでに生まれていて不遇な子どもたちを何とかする手立てがもっと一般的になればいいと思う。何だかどこか少子化を憂う「国」というものにいいようにされている気がしている。
だから、カップルの片方が児童養育施設育ちで子どもをもつ覚悟がなく、連れ合いは特別養子縁組で子どもをもとうと提案する最後の「金木犀のベランダ」にはわりと共感できた。もっと濃く描いてほしかった。
そして、そのひとつ手前にあった「ほおずきを鳴らす」も静謐な感じがよかった。だいぶ昔に子どもを亡くしたことを機に別れた元夫婦のつき合いを描くもの。子どもをもつということが悲しい出来事とも隣り合わせということかもしれない。これだけほかの4編とテイストが違う小説らしい作品だった。
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自然に任せるわけにはいかないのかなぁ。科学が進んで、神の領域と思われていたことまで選択できるようになったことは、果たして…。個々で決めるしかない。周りは、静かに見守るだけ。
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子供をもつ、ということについて迷い悩む人達を描いた短編集。
不妊治療をしている夫婦や、子供を亡くした男性、子供が嫌いな独身女性などがそれぞれ子供に対して思う複雑な気持ち。今のままで幸せなのに、子供を持ちたいと思うのはなぜなのか、持たなければならないと急かされるような気持ちにさせられるのはなんなのか。考えさせられる作品。
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子どもを持ちたい人、今は持ちたくない人、以前は持っていた人などさまざまな人が主人公の短編集。
結婚したからといって必ずしも子どもを産まないといけないわけではない。それにもかかわらず、周囲の人は子どもはまだかとお節介を焼く。
子どもがいるみらいといないみらい。どちらが幸せかなんて人それぞれ。
【心に残ったフレーズ】
「欲しいと思ったものが手に入らないこともあるの。手に入らなくても欲しい、欲しい、って手を伸ばすのが人間だもの。だけど、すでに持っているものの幸せに気づかないことも、時にはあるわね。それに……欲しい、欲しい、と思っていて、あきらめてたものがふいに手に入るということもあるの。」
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重いテーマなのに、柔らかい文章とお互いを思いやる登場人物たちの優しさに読んでいて心が穏やかになる。
自分も病気で子どもが欲しくても諦めた過去があるので、いろんな人にいろんな角度からそっと心に傷をつけられたことが蘇り嗚咽をあげながら読んでしまった。
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結婚したら、子どもをもつものだと思ってた。
穏やかに愛してくれる両親がいれば、
血のつながりなんて関係ないと思ってた。
選択できる未来と、選択できない未来と、選択できなかった過去、各短編の登場人物たちが明確な“期日”を前に思いを巡らせる。
ハッピーな結末で締めくくられた篇はない。
「今」で終わる物語たち。
とても、よかった。
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とても良い意味での星3です。
やっぱり窪美澄さんの作品は良いです。
それぞれの人々の悲哀が、消化出来ずに、それでも明日は続いていくみたいな。
上手く言えないけど、読み終わった時にフラットな感動に包まれる印象です。
フラットな温かい感情になるという事で星3です。
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物悲しくなりすぎないストーリーがよかったです。
いろんな考え方があっていいし、一人ひとりの考えに一貫性を持たなくていいんだなあと改めて思いました。メロンパン。
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若干食傷気味ではあるが
結婚したい?子供欲しい?の問でザラっとなるアレのはなし
選べる家族も、選べない家族も、どちらにしても家族をするのは大変
でもたぶんそれを乗り越えて頑張って一緒に幸せになりたいって思えば家族は素敵