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わぁ、文庫出たんだ。解説とかついてるだろうな。お金できたら買う。
単行本は出た時買って読んだ。周囲に悪意のない、むしろ善意の人がいても、生活のさまざまな局面で貧困に陥ることがある仕掛け?がしみじみと理解できる。
この本は講義してた時期、何度も紹介した。学部生にはちょっと大変な本だと思うけど、こういうこと(自己責任論の問題)を考える回路を、持ってもらいたいんだよね、みんなに。
この本はアイリス・ヤングの遺作となり、同僚の先生が編集なさったとのこと。
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この本は、アイリス・マリオン・ヤングの晩年の最後の著作で、私の考えでは政治的に非常に重要な意味を持ってくるテクストだと思う。参照先はデリダ、アレント、レヴィナス、フランツ・ファノンなど、錚々たる面々で、フェミニズム的な主体性の問題、あらゆる差別や政治的選択の自己責任などが網羅的に論じられる。
政治的選択は本当に自己責任なのか。(言ってしまえば視野の狭い)生活保護で生活しているような貧しい人たちの政治的選択は自己責任にしていいのか。きわどい問題を論じている。私には、この本は良い意味で、他人事ではなかった。政治の問題を、自分のこととして考えるいいきっかけになる本だと思う。
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社会的つながりモデルと帰責モデル
過去遡及型から未来志向へ
非難のメカニズムではなく、責任の分有へ
維新信者、自助共助公助といったどなたか、エリート思考に染まるダサダサ高学歴層必読
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第一章 自己責任から政治的責任へ
第二章 正義の主題としての構造
第三章 「罪」対「責任」――ハンナ・アーレントをめぐるひとつの読解、そして実践的批評
第四章 社会的つながりモデル
第五章 国境を越える責任
第六章 責任を避ける
第七章 責任と歴史的な不正義
解説「鳥籠」を解体し、異なる未来を築くために――現代アメリカにおける刑罰国家の拡大と脱‐福祉国家化を考える……土屋和代