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2022年4月。このブクログの企画広告を見て知った本。
「ブルーバックス献本企画/ブクログから5名様へプレゼント」
まあ、5名には選ばれないだろうと思い、応募はせず、即本屋で購入。
BlueBacksは当たり外れがあるが、これはズバリ大当たり!購入した価値あり。ピアノ、ギターといった親しみのある楽器のみならず、管楽器のしくみなど、今まで知りたかったことが実に明解に書かれている。自分の楽器への愛着がさらに深くなった。また興味深かったのは、最後のプロの演奏者からの体験談。筆者が「印象に残るコンサートホールは?」という問いに、多くのプロたちが”最悪の”思い出を語っていること。音を奏でる、そしてそれを聞かせることの難しさ、奥深さを知ることができる。
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楽器の世界を科学の目で見たら…というようなお話かと思いきや,そんなに科学っぽくはなかった。著者は,以前読んだ『作曲の科学』と同じフランソワ・デュポワさん。自身もマリンバのソリストである。マリンバって打楽器に入るんだね。なるほど。科学の世界も音楽の世界も,ずっと好きで生きてきたので,こういう本は,なかなか刺激的。
第1章 作曲の「かけ算」を支える楽器たち
ここでは,楽器を5種類に分類している。体鳴楽器(例えば打楽器),膜鳴楽器(例えば太鼓),弦鳴楽器(ギターだね),気鳴楽器(ラッパ類かな),電鳴楽器(シンセサイザー)。
第2章 楽器の個性は「倍音」で決まる
へ~,そうだったんだね。という内容。一つの音(振動数)を鳴らしているつもりでも,その振動数の倍音も同時になっていて,その重なり方が音の変化を生み出しているらしい。なるほど…。あと,基準音の「ラ」の振動数が決まっているようで決まっていないというのには大変驚いた。ギターでも,開放弦のラで音合わせをしていたが…。それぞれの楽団の深ーいこだわりがあるんだなあ。
第3章 楽器の音色は「共鳴」が美しくする
ま,これはそうだろうと思っていたよ。気持ちのいいい(主観的だけど)共鳴を得るために,バイオリンはf型の穴を開けているし,ギターは丸形の穴を開けている。楽器の材質(響板)や内側の響棒,バイオリンでは魂柱なんて言葉のものがあるなんてことは初耳。ギターの内側にはプレイシングという木片が張られているらしい。ギターを持っていながら,これも知らなかった。
第4章はコンサートホールのつくり。波の一種である音には,ある物質にあたると,反射,回折,吸収などをおこす。そこで,これらの作用をどれくらいに保ってホールを作るのかということになるのだが…。第5章では,いろんな楽器の演奏家のインタビュー記事が載っていて,これもまた,とても興味深い話がいっぱいだ。いいコンサートホールもあれば,納得した演奏が最後までできなかったという会場もあったらしい。空気が薄い分困ったという話もおもしろい。
ま,とにかく,音楽が好きで,ちょっとだけ科学も好きという人は,手に取って読んでみる価値はあるでしょうな。
最後に。実は,この本。ブクログの応募に見事当選して,ブクログから送ってきてくれた本である。たったの5人に選ばれたってのがうれしい。
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マリンバのプロ奏者であり作曲家としても活躍し、かつては慶應義塾大学で作曲を教えていたことから在日24年目を迎える著者が、楽器やコンサートホールがあんなにも素晴らしい響きを持つのはなぜか、という点を科学の観点から解説した講談社ブルーバックスの一冊。
いわゆる音響学をベースにしており、部分的に聞いたことがある知識もあったが、まとまった知識を身に着けられる点でなかなか面白い。特に個々の楽器の特性についてはある程度見聞きしたことがあったが、コンサートホールの音響学については不勉強であったため、いかにコンサートホールの音響が難しいのかを実感させられた。同時にこの知識を元に、国内にも多数ある優れたコンサートホールに行くときはその比較などができれば、さらに楽しめそう、と感じた。
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楽器の分類から美しい音の出る仕組みを科学的に、だが素人にもわかりやすく解説した本。だがこの本で最も目をひいたのは後半のコンサートホールの音響についての記述と、当代の一流の音楽家に募った楽器についてのアンケートであった。
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専門家が読むと物足りないかもしれないですが、私レベルの者が読むと軽い読み物として楽しめました。
楽器だけではなくホールの音響についても章が割かれていて、むしろそっちの方が勉強になったかもしれません。