紙の本
非形式論理学の良い入門書
2022/08/02 23:27
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投稿者:Y - この投稿者のレビュー一覧を見る
非形式論理学のとても良い入門書だった。
帰納的推論については、形式論理学では扱いにくいためか、詳しく書かれた和書があまりない。そんな状況で、このような帰納的推論についてページ数を割いた本が出ることはとてもありがたい。参考文献リストも今後の学習の参考になりそう。
分厚いが、一ヶ月くらいで読み切ってしまった。続刊も楽しみである。
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はじめに
論理は重要なのか
執筆の経緯と本書の特色
本書の構成
------第I部 論証の基本------------------------------------------
第1章 論証とは何か
1.1 論証を理解する
1.2 論証の構造
第2章 論証を評価する
2.1 演繹的な妥当性と帰納的な強さ
2.2 評価基準の違い
2.3 健全性と信頼性
2.4 評価を実践する:「反論」の練習
第3章 代表的な論証形式
3.1 妥当な論証の諸形式
3.2 帰納的に強い論証の諸形式
------第II部 仮説と検証------------------------------------------
第4章 アブダクションあるいは最良の説明への推論
4.1 アブダクションとは何か
4.2 アブダクションの解明と「良い仮説」の基準
4.3 補足:パースと推論
第5章 仮説検証型論証
5.1 仮説の検証
5.2 科学における仮説検証型論証
------第III部 演繹と定義------------------------------------------
第6章 論理語─演繹論理の基本的語彙
6.1 論理結合子
6.2 量化表現
6.3 否定のいろいろ
第7章 定義と論理
7.1 定義とは何か
7.2 定義の論理形式
7.3 定義と概念分析
補論I 定義概念について
------第IV部 帰納------------------------------------------------
第8章 帰納的一般化とその周辺
8.1 帰納的一般化
8.2 全体から部分を推論する
8.3 類比による論証
補論II 権威に訴える論証と対人論証
------第V部 因果と相関-----------------------------------------
第9章 ミルの方法─原因を推論する
9.1 因果に関する知識
9.2 ミルの方法
9.3 消去テスト
第10章 記述統計学と論証─観測されたデータについて何事かを主張する
10.1 データの整理
10.2 データの要約
10.3 標準化およびデータの線形変換
10.4 相関分析
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【星:4.5】
論理とかロジカルシンキングなどに少し興味があり、その手に本をちょいちょい読んでいた。
ただ、論理学の本だと演繹だけを基本扱っているのでなんか役に立つ気がしない、一方コンサル系の人がよく書いているようなロジカルシンキングの本だとやけに実用に傾いていて今一歩体系化に欠ける気がする。
どうも帯に短し襷に長しみたいな感じを持っていて、論理学とロジカルシンキングの中間的な本は無いものかと常々思っていた。
そこで見つけたのがこの本である。
この本は実践的な論理学について説明したものとなっており、正に私が探し求めていたものであった。
このテーマについて書いてくれた著者に感謝です。