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第1巻を読んだ時点では春太、雪季、晶穂の関係において何処かおかしな三角関係が続巻では成立していくのだろうと予想していたけど、予想以上に春太の女性関係が面倒な事態になってる……
自分を好いてくれる少女が何人も居るという程度ならよくあるラブコメ。けどそこに歪な血縁関係が絡んでくるなら話は穏やかじゃない
まず最も目立つ歪みは晶穂との関係だね
腹違いで生き別れの兄妹、日常ではあまり耳にしない間柄。そんなものを付き合っている彼女から聞いてしまえば穏やかでは居られなくなるし、これまで通りなんて難しい。なのに晶穂は真実が明るみに出た後も現状維持を望むのか
それは本当の兄妹でないと知りそれでも家族に戻った春太と雪季の関係性に被る部分は有るけれど、あちらはあちらで別の歪みが顔を出し始めたね
第1巻ラストにて春太の妹という現状維持を選んだ雪季。けれど自宅内でのスキンシップは以前のそれとは全く別物
以前は男女の垣根がないかのような触れ合いをしていた。けれど今は男女としてスキンシップし、それで居ながら一線を越えようとしない
晶穂とは歪さを知ったのに現状維持となり、雪季とは現状維持を選んだ筈なのに歪になっていく
歪さがこの3人の間だけに留まっていれば本作はまだ平和と言えたのだろうけど、そもそも歪さが広がり始めたのは春太が雪季が居ない日常に耐えられなくなった時から。だから晶穂と雪季が結果として現状維持を選んでも、春太がそれを選んだわけでないなら春太の日常が更に別の歪みを引き寄せるのは当たり前だったのかもしれない
中盤から巻き起こる女難は羨ましい側面はあれ、春太の現状を思うとややこしい事この上ないね。本人としては雪季や晶穂との関係をどうしていくか考えなければならない。だというのに考える時間を削ぐような誘惑が彼に降りかかる
それが地元を離れた場所でも同様というのは彼の天命がもはやそのような形になっているのか(笑)
というか、初対面の時点でバッドフラグを立てまくった透子とすらイイ感じになった上でややこしい関係が判明するとかどういう人生を歩んだらそうなるのやら……
状況を制御できない春太に降りかかる数々の歪み。それを正常状態へ直そうというなら、それこそ手を付けなければならないのは最初の歪みである晶穂・雪季との関係という事になる
本人達もそれが判っているから、望む関係は今の関係ではないから、あのような挑発的な宣言を行ったのだろうね。ただ、春太自身はその未来の関係を望んでないから素直に受け容れられない
望むものはすぐ傍に有るのに、今は別人の手に有るから手に入らない。カノジョか妹か。雪季を妹として溺愛しているからこそ踏み切れない絶妙な問題。3人の関係の歪みはまだまだ続きそうだ