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植物たちの生存競争…それは人間界に負けず劣らず凄まじい。
植物は他の生き物と違い、自分で動くことはしない代わりに光合成により自分で栄養分も作れるし、自分の置かれた環境に合わせて体だって自在に作り変えることもできる。弱肉強食の世界にあって効率良く生き残るために、他者との「競争」と「共存」を繰り返し地球上で生き抜いている。
特に花粉を運んでくれる虫との駆け引きが面白い。いかに他の植物を出し抜いて虫たちを惹きつけられるか。植物たちの頭脳戦には驚かされてばかり。体を変形させたり花を咲かせる時間帯を変えたり。一方で虫は当てにならない、と虫を見限り風を頼ったりもする。
もちろん天敵対策も万全。他の生き物に擬態したりと抜け目ない。
人間などの生き物に踏まれることにより進化した植物もいて、四つ葉のクローバーが踏みつけなどのストレスによりたまたま生まれたものとは驚いた。人間も植物にいつの間にか踊らされて知らずしらずの内に種子を運ばされていたとは。人間に踏まれるように工夫する植物たちの強かさにも驚いた。
植物たちが作り出す化学物質は特に興味深い。匂いや毒を作り近寄ってくる敵に対して容赦なく立ち向かう。植物たちの生き残る意思の強さはぜひ見習いたい、と思える一冊だった。