紙の本
とても読みごたえがある
2022/07/14 12:04
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:こずえ - この投稿者のレビュー一覧を見る
作者も訳者もさまざまな作品が集録されているので、味わいの異なる文章を楽しむことができます。王道の幻想文学、SFっぽい作品、恐怖小説的な作品など。
対談も面白かったです。
あえて注文をつけるとすれば、編者解説でしょうか。他の投稿者様も触れている乱歩の短編「吸血鬼」ですが、これを収録するならばE・A・ポーの「早すぎた埋葬」への言及もあればもっと嬉しかったです。
投稿元:
レビューを見る
タイトル通り、本当に名作揃い。
どれも好きなんだけど、特に柴田錬三郎「吸血鬼」が妖美さだけじゃなくてグロテスクもありで怖い。
あと、都筑道夫「夜あけの吸血鬼」も不気味で得体の知れぬところが良い。
須永朝彦は言うまでもなく!好き!
投稿元:
レビューを見る
東雅夫の、須永朝彦への餞。
■「彼の最期」須永朝彦 ……手書き原稿あり。
■「三題噺擬維納風贋画集(さんだいばなしもどきウイーンふうにせぐわしふ)」須永朝彦★ ……山尾悠子・編のちくま文庫とは異なるクロロックもの。シリーズとして愛着が湧き、こういう小品も好きになる。
■「対談 吸血鬼─この永遠なる憧憬」菊地秀行×須永朝彦
■「D ─ハルマゲドン」菊地秀行 ……ここだけ取り出してみても何が何やら。意外とSFチックだなと感じるだけ。
■「吸血鬼入門」種村季弘
■「吸血鬼」江戸川乱歩
■「吸血鬼」城昌幸
■「吸血鬼」柴田錬三郎★ ……シバレンがこの種の小説をという驚きがまずひとつ。そしてコントと陰惨の配分。
■「吸血鬼」日影丈吉★ ……「平成怪奇小説傑作集1」所収「角の家「家が呼ぶー物件ホラー傑作選」所収「ひこばえ」が異様だった作家。今回もまた凄みがある。
■「夜あけの吸血鬼」都筑道夫★ ……コケティッシュ少女と猫! おっさんキラーな要素と判るがやられてしまったよ。
■「忠五郎のはなし」小泉八雲(平井呈一訳) ……新潮文庫「小泉八雲集」で既読。
■「恠異(くわいい)ぶくろ(抄)」日夏耿之介 ……以下、【ディオダティ荘の怪奇談義】へ。
■「断章」ジョージ・ゴードン・バイロン(南條竹則 訳) ……いかにも断章だが、ポリドリ、メアリ・シェリーの作品に通じそうな雰囲気が面白い。
■「バイロンの吸血鬼」ジョン・ポリドリ(佐藤春夫 訳) ……実は平井呈一の訳。ポリドリの仕事を奪うバイロンと、平井呈一の仕事を奪う佐藤春夫、という構図の重ね合わせが面白い。そして本作自体が、異形の存在が妹を……という点でメアリ・シェリー「フランケンシュタイン」に似ているのも、興味深い。
■「クラリモンド」テオフィール・ゴーチエ(芥川龍之介 訳) ……東雅夫・編「幻想小説精華」で既読。
■「吸血鬼」マルセル・シュウオッブ(矢野目源一 訳) ……盛林堂ミステリアス文庫で既読。
■「小説ヴァン・ヘルシング」須永朝彦 編★ ……遊び心溢れる、お茶目。
■「ドラキュラへの慕情」深井国 ※絵物語 ……ちょうど先日「哀しみのベラドンナ」を見たタイミングだったのでタイムリーに感じたが、この線の優美さよ。
◆編者解説 東雅夫
投稿元:
レビューを見る
発売日を楽しみに待ってた一冊。
これはめちゃくちゃ面白い。こういうダークな世界観に惹かれるタチなのでどっぷり浸ってしまい、もっと吸血鬼文学を読みたくなった。東雅夫先生に感謝。
いつの時代、国でも吸血鬼は美しく人を惹きつけ惑わすものとして描かれている。
西欧の古典吸血鬼小説は圧巻である。面白く、そして恐ろしい。小説ではなくてリアルなのではとワクワクしてしまう。個人的に好きなのはバイロンの吸血鬼とクラリモンド。クラリモンドはもはや狂気である。芥川龍之介の翻訳も読みやすく、旧仮名遣いになっているのも雰囲気と合ってて良かった。
その一方で日本の吸血鬼文学も良い。日常に潜む恐怖…。
投稿元:
レビューを見る
中学生の頃から好きな吸血鬼のお話。古今東西新旧の作品が集められ、読み終わったらちょっとお腹いっぱいな感じ。主に古い作品の邪悪や淫蕩なイメージがそうさせるのか。
それよりも孤高、悲哀、儚い、といったイメージが好みなんだと改めて認識した。