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Eテレの番組
1, あわいの時代を生きる
変革の時代には強いものが勝つのではなく、変われるものが勝つ
2, 時代を読み切れないリーダーたち
建武の新政→弱いリーダー尊氏 時をつかむ
3, 異界が映す時代のエネルギー
残念 念を残した人 幽霊として正しかった人たちを表現
4, 太平の世は訪れるのか
文化 文によって化成する 抽象的象徴的なもので再定義する
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二つの異なる原理が併存し、重なり合っている時、その渦中にある人々は、それを理解はできていないという。鎌倉幕府が滅び、建武の新政を経て、足利義満による安定的な政権が確立するまでの『太平記』の時代は、まさにそうした「あわいの時代」であったとしている。そして、現代もその「あわいの時代」だとされている。今日、『太平記』を読む意義は、時代が似通っているからだとしている。
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Eテレの『100分で名著』と合わせて。
安田登さんの解説、平家物語のときとてもわかり易く面白かったので、今回も。
公と武の、また、鎌倉時代と室町時代の、「あわいの時代」である南北朝時代を描いた太平記。
公が武の傀儡だったり、味方と思ってたら内紛起こしてたり、怨霊出まくったり、複雑で長い話を、わかり易く。
なかなか現代語訳に手を出すのもハードル高いし……。
1392年義満の提案で南北朝が統一され、その後義満は金閣寺という公、武、禅を3層構造にした仏舎利殿をたてたのも象徴的。文化(この場合、北山文化)によって、公と武を化合させて全く新しい世(バーチャル)を作り、治める。天皇は都という下界のリアルな王として共存させよう、と…(117.118.119頁)
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アーカイブも含めて読了しました!太平記という古典が、いかに普遍的な意味を持っているか?に触れることが出来ました。感動すら覚えます。
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大河ドラマ『平清盛』『鎌倉殿の13人』と映画『犬王』の間を繋ぎたくて読んだ。
なるべく簡潔に書こうとしてくれてありがたい。
だけど似た名前が多くてなかなか頭に入ってこなかった。また機会があれば関連本を探して読みたい。
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「太平記」安田登著、NHK出版、2022.07.01
121p ¥600 C9493 (2022.08.14読了)(2022.06.28購入)
1991年にNHK大河ドラマで『太平記』が放映されたとき、吉川英治著『私本太平記』を読みました。30年ほど前になりますが、概要は覚えています。今回の講義は、復習になりました。
【目次】
【はじめに】「あわいの時代」を描く軍記物語
第1回 「あわいの時代」を生きる
第2回 時代を読み切れないリーダーたち
第3回 異界が映す時代のエネルギー
第4回 太平の世は訪れるのか
☆関連図書(既読)
「私本 太平記(一)」吉川英治著、講談社、1990.02.11
「私本 太平記(二)」吉川英治著、講談社、1990.02.11
「私本 太平記(三)」吉川英治著、講談社、1990.03.11
「私本 太平記(四)」吉川英治著、講談社、1990.03.11
「私本 太平記(五)」吉川英治著、講談社、1990.04.11
「私本 太平記(六)」吉川英治著、講談社、1990.04.11
「私本 太平記(七)」吉川英治著、講談社、1990.04.11
「私本 太平記(八)」吉川英治著、講談社、1990.05.11
「随筆 私本太平記・随筆 宮本武蔵」吉川英治著、講談社文庫、1990.10.11
「太平記の謎」邦光史郎著、光文社、1990.12.20
「図説 太平記の時代」佐藤和彦著、河出書房新社、1990.12.25
(アマゾンより)
「あわいの時代」を生きる
後醍醐天皇、足利尊氏、楠木正成、高師直、佐々木道誉……南北朝時代を舞台に個性豊かな人物が躍動する、日本最長の軍記物語。既存の価値観が大きく移り行く「あわいの時代」に、何を信じて己の生をまっとうすべきか? 複雑な物語を大胆に整理しつつ、その真髄を余すところなく伝える。
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太平記は昔の大河ドラマでしか知らない世界だったけれど、今回の安田さんの解説で概要とその魅力を知ることができた。
本書は「あわい」をテーマにしているけれど、鎌倉、江戸の両武家政権と比べ、室町幕府の弱さたるやという印象があったけれど、そもそもが「あわい」の時代にあったからという話。公と武のあわいにあって、いかに世の中を治めるのかというときに、どのようなリーダーが求められるのか。それはただの剛の人ではなく、柔弱で泣くことすらあるのだけれど、戦いの場では堂々としている尊氏のような人なのではないかという。
太平記ではまた、この世とあの世の境目も曖昧で怨霊が登場してこの世に影響を及ぼしたりもする。そんなどこかふわふわして現実なのか夢かなのかわからなくなるような世界が鎌倉から室町の移行期だった。それはまさに能楽の世界でもあった。
本書は義満が金閣寺を建立して公武を統一するところで終わるけれど、室町幕府はその後再びふらつき始めるわけで、300年近い室町時代自体が長い「あわい」の時代だったのではと思ってしまう。
「あわい」を扱う能楽師の安田さんだからこその解説だったと思うし堪能させていただいた。ただこの時代に慣れていない人にはやや難しいかなぁと思った。
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“弱いリーダー”足利尊氏
→すぐに切腹や出家を言い出す
尊氏を表に立てて暗躍するのが弟・直義(ただよし)
著者はこれを“あわいの時代の弱いリーダー、ゆえに時流に乗って成功”と評する
宋の太祖・趙匡胤に似てる?
●概略
後醍醐天皇の鎌倉幕府討幕計画に始まり、室町幕府三代将軍義満が登場するまでの半世紀にわたる南北朝の動乱
『平家物語』は全12巻
『太平記』は全40巻と3倍以上
●第一部(巻1-12)「武」の滅亡
・鎌倉幕府が滅亡するまでの経緯と、後醍醐天皇による建武の新政
・鎌倉幕府の執権・北条高時と後醍醐天皇の対立(平家物語の12巻を踏襲)
・足利尊氏と新田義貞が倒幕側に寝返ったことで、全国の源氏が一斉に立ち上がり(平氏につらなる)北条を打倒
●第二部(巻13-21)「公」の滅亡
・後醍醐天皇と足利尊氏の対立
・かつて後醍醐天皇に味方して鎌倉幕府滅亡に大きな役割を果たした尊氏だが、いろいろあって対立(建武の新政への武士側の不満。領土の分配が公家に偏重
・後醍醐天皇が京を逃れて吉野に南朝を開き、南北朝時代が始まる。そして後醍醐天皇が崩御するまで。
・鎌倉幕府滅亡から二年後、北条高時の遺児・時行を頭として北条の残党が挙兵(中先代の乱)
・これに乗じて足利直義が、後醍醐天皇の子・大塔宮を殺害
●第3部(巻22-40)「公」と「武」の合体
・全体の半分を占める。足利尊氏と弟・直義(ただよし)
・足利家の内紛、南北朝統一の動き、尊氏・直義兄弟の死を経て、尊氏の孫・義満が室町幕府三代将軍となるところで大円団
■足利尊氏
・新田義貞に敗れ、平家の都落ちと同じルートで九州に落ちる。
・平家と異なり、ここで戦勝を重ねたことにより反撃に出る
・かつ南朝の後醍醐天皇の朝敵とされたが、北朝の光厳上皇のお墨付き(院宣)をもらうことにより正統性を獲得
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吉野神宮に参拝したので、後醍醐天皇に興味を持ち、読むことにした。
さすがに太平記は長すぎるので、概略を掴むにはこちらの本がいいかなと。
足利尊氏が、自分が持ってたイメージとはかなり異なった。
楠木正成の軍略家としての優秀さも初めて知った。
後醍醐天皇は吉野神宮を造ってまで祀るほどの人だったかは疑問。