紙の本
終始、人間による大絶滅を問題視しており、恐怖を感じる内容でした。
2022/06/30 14:27
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投稿者:広島の中日ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者は生物学者。まずは過去、地球上で起きた大絶滅や、実際に滅んだ生物の話に触れています。
そして、本題で「このまま人間が好き勝手やっていれば、人間による大絶滅が起こるのは確実」と結論付けています。やはり人間による大絶滅は避けられないのか、と当書を読み進め、次第に恐怖感が募る内容でした。
それでも、巻末では「人間が努力すれば、大絶滅は避けられる可能性はある」としており、希望の光を感じれたのが救いです。地球上の生物の現状を知るためにも、老若男女問わず目を通していただきたい1冊です。
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序章 絶滅とは何か?
絶滅と誕生はくり返される/絶滅はなぜ問題なのか?
《コラム》レッドリストとレッドデータブック
1章 ラッコが消えて、カイギュウも滅んだ――生きものの輪と絶滅の連鎖
ステラーカイギュウはなぜ絶滅したか?/原因はラッコ?/カイギュウを支えていた「生きものの輪」/ゴキブリなら、絶滅してもいい?/分解者たちの仕事/人間は、思い通りに自然をコントロールできるのか?
2章 いろいろな種類の絶滅――日本のトキは絶滅をまぬがれたのか?
日本のトキは絶滅をまぬがれたのか?/トキはよくて、オオサンショウウオはダメ?/トキとコウノトリの復活/そもそも生きものの「種」とは?/見た目で種を決める!――形態学的種の概念/子孫を残せるかどうかで種を決める!――生物学的種の概念/系統樹をつくって種を決める!――系統学的種の概念/「系統学的種の概念」は万能か?/属の絶滅と科の絶滅/恐竜は絶滅していないし、鳥は爬虫類だ
《コラム》リンネの分類法が世界を変えた!
《コラム》その生きもの、持ち出さないで!――ワシントン条約
3章 5度の大絶滅・ビッグファイブと、6度目のいま
ビッグファイブ――過去5度の大絶滅/カンブリア大爆発(5億4000万年前)/1度目の大絶滅??オルドビス紀末(4億4500万年前)/2度目の大絶滅――デボン紀後期(3億7400万年から3億5900万年前)/3度目の大絶滅――ペルム紀末(2億5200万年前)/4度目の大絶滅――三畳紀末(2億100万年前)/5度目の大絶滅――白亜紀末(6600万年前)/そして、6度目の大絶滅――現在進行中/6度目の大絶滅はまだ起こっていない!
4章 消えゆく生きものたち――大絶滅は止められるのか?
人間の進化・移動とメガファウナ(大型動物)の絶滅/猛獣たちのいない世界/猛獣たちはいなくていいのか?/リョコウバトのマーサ/キタシロサイのナジンとファトゥ/カエルが消える/サンゴも消える/なぜ弱い人間が地球の支配者になれたのか?/大絶滅は止められるのか?
《コラム》人間が滅ぼした生きものたちを検索する
5章 大絶滅時代を生きる私たち
「環境に優しい国」で目にしたショッキングな事実/バッファローが絶滅した地で、バッファローで熱狂する/この国にも、あの国にも、ウシガエル/スヴァールバル世界種子貯蔵庫/誰にも食べてもらえない果実/寄生虫の卵を飲んで元気になろう!?/オーストラリアの森林火災/新型コロナにたくされたメッセージ/人新世――手つかずの自然はもうすでにない
6章 大絶滅時代を生き抜く
沈黙の春のあと、ハクトウワシはよみがえった/オオカミを復活させるという決断/キットカットを食べるとオランウータンが絶滅?/日本全国に広がる草の根的な保全活動/SDGsウェディングケーキ/里山資本主義で環境にも人にも優しい暮らしを/君のチョイスが世界を変える
《コラム》アメリカ人留学生に聞いてみた、「日本人は自然環境に配慮した人たち?」
あとがき
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絶滅の定義から、ビッグファイブと呼ばれる過去5度の大絶滅の要因、環境が生物の与える影響などが、わかりやすく書かれている。人類か特定の捕食者を乱獲してきて絶滅に追いやったことは、サピエンス全史なり他の書籍で知ってたけど、乱獲以外に様々な要因で生態系が崩れることが、事例とともに説明してあって、非常に面白かった。このような本を子供のうちに読んでおくと自然や環境に対する関心が増えるし、そのような人が増えていくことが、地球環境のためにも有効ではないかと感じる。