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内面描写をもうちょっと増やしてほしかったなぁ
2022/12/11 02:16
5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:S910 - この投稿者のレビュー一覧を見る
映画を見てきて、わかりづらいところがあったのでこちらも。
人がいなくなった廃墟の扉は後ろ戸となり常世に通じている。
そんな後ろ戸からミミズと呼ばれる産土神であり災厄でもあるものが出てこないように戸締まりしている閉じ師の草太と、彼に出会って自ら巻き込まれることを選んだ少女すずめの物語。
映画を見ていてどこですずめはそんな命懸けになるほど草太に惹かれたのかわからなかったけど、そこは小説読んでもわからなかった(笑)
一目惚れとしか言いようがない感じ。環さんが信じてくれなくても言うだけ言いなよ、という気持ちも変わらず。
ただこの少女の若さと恋心というエネルギーがないとここまでの旅に至る行動力は得られなかっただろうな。
モラトリアム期の少女の複雑怪奇な心の動きと、幼い頃に震災で負った心の傷。
日常で織のように積もっていく心の澱みが解消されるには、この冒険が必要だったんだろうなぁ。
なぜ要石が二つなのかの疑問も頭と尾を押さえつけている説明で納得。
傷は傷のまま残っていて、そのままでも成長できる。
震災を通して死ぬのは怖くないと言い切る死生観を持ったすずめが、草太がいない世界は怖い、死ぬのは怖いと変わっていくのが成長だったと思う。
でも一人称視点で映画のノベライズ書くから、すずめがいない場面もすずめ視点で描いていて、そこにすごく違和感というか、受け入れがたい気持ち悪さを感じてしまった……。
紙の本
映画の文庫版
2024/04/10 10:36
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:トマト - この投稿者のレビュー一覧を見る
ヒット映画だったので、その内容の本があるということで入手し読ませていただきました。とても手の込んだ物語ですが、あの大震災を物語にするのは被害に直接遭われた方から見たら異論が出るのではないかと思います。実際の大震災直後、住所氏名などをスケッチブックに書き掲げながら歩く少年がいました。ご家族を探し回っていました。あの子は、ご家族に会えたのか?それとも・・・。それを思い出し、このように物語(一種のファンタジーのような話)に仕立てたものですよね。「こんなふうに描かないでくれ」と思われている当事者たちの声もありそうです。「だったら、なぜ、あの大震災のときは止められなかったのか」と。いろいろ考えてしまう映画であり文庫版でした。
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すずめの戸締りを映画で視聴。
過去3部作に引き続き映像表現は素晴らしい。
映像を言語表現するのは難しい。
文庫は映像を見た後の方が良いかと思う。
例えば
宮崎の廃墟における扉とすずめの間の横スクロール
あえて実写のカメラワークを取り入れているようでおっと思った。
フェリーの下の波や東京のミミズの表現は実写的な表現をトライしているように思えた
テーマは文庫のあと書きにある通り
陰ながら災害を防いでいる人がいて常に災害が身近にあり、災害とどう寄り添えるかを311を下敷きにした思想が伺える。その意味では、言いたい事はストレート。
深読みしなければ新海誠のボーイミーツガール、ロードムービーを最先端の技術で見れるので映画館で観て後悔はない。
__________________________
小説と映画は別物のため評価は別途。
映像の表現とペアで観るべき作品という感想。
予告編を見ている限り映像は期待が持てる。
311が新海監督の根底に常にある事がわかる。
小説の世界観を何処まで越える事ができるか楽しみ。
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個人的には本向きではない内容かなーと思いました。
映画はとても面白かったです。
自分は本読んでから映画観ましたが映画観てから読んだ方が楽しめると思います。
映画では触れられていない部分が書かれているので、もっと深くまでこの作品を楽しみたい人は読むのをオススメします。
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すずめが優しく語った最後のセリフに、安らかに本を閉じさせてもらった。海の香りと長い冒険を終えたからこその愛情たっぷりに、きっと笑顔でその言葉は語られたのだろうと嬉しく思う。
本作は、ある日災いを封じていた要石を外してしまったすずめが、閉じ師の草太と出会い、人々から忘れられた場所にある「後ろ戸」から溢れ出てくる災害を巻き起こす「ミミズ」を鎮めるため、日本各地を巡る戸締まりの物語。
宮崎、愛媛、神戸、東京、東北…。すずめの旅はそれぞれに素敵な景観や生活、出会いがあって、どこも忘れがたい。
読む前はまさかあの出来事と関わってくるとは思わなかった…。
匂いと声、廃墟と扉、唇。これらのキーワードがどれも自分をそそる。中でも唇が印象的であり、想像するだけで大好きなシーンになりそう。
(ミミズの天敵はすずめなのかもしれない。名前の由来はここにありそう。)
美しい情景と大興奮の旅を早く映画でも観たいです!!
映画はまだですか〜〜〜!!!!!
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すずめが戸締まりをする場所に新海誠さんの思いが詰まっていたように思う。
早く映画を観たい!!
小説を先に読んでおくと、ストーリーは知ってしまうけれど、その分より一層映像を楽しみに出来る気がする
#原作先読みたい派
#すずめの戸締まり
#新海誠
#角川文庫
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映画を見る前に読書。
すずめの名前の字は鈴芽か、なるほど。と、
活字ならではの楽しみをしながら読みました。
全体的には普通に面白いといった感じ。
映画を観たら変わるかもしれないが、
話しが面白くて、手が止まらない!といった感じではないかな。。
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九州の静かな港町で叔母と暮らす鈴芽。ある日の登校中に美しい青年から「扉を探している」と、廃墟の在処を尋ねられる。教えた山中の廃墟へ向かう青年を追って行くと、そこには崩壊から取り残された様に佇む古ぼけた白い扉があった。その扉に引き寄せられる様に鈴芽は手を伸ばす…
代々『戸締まり』の仕事をしている草太と共に、なりゆきで戸締まりをする事になった鈴芽。そして、最初の戸締まりの後に仔猫が現れ、つい構ってしまうと猫の呪いにより子供用の椅子に姿を変えられた草太。呪いを解くために椅子に変えられた草太と共に逃げた仔猫のダイジンを探す鈴芽達。
鈴芽を心配する叔母の環や草太の友人・芹澤を巻き込み、草太を救う為に頑張る鈴芽が健気でした。
ジェットコースターのように目まぐるしい展開でドキドキしっぱなしでしたが、ラストは爽快でした。
是非映像で観たいです。
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星4.8
読んでいて、物語の中に沈み込んでいくような作品でした。
綺麗な風景が想像できるような書き方でとても、美しい世界に入れた気がします。
ありがとうございました。
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予告編の謎解きは小説版の1/3ほど読むとほぼほぼ終わる。
つまり、核心部分はかなり隠された予告だったんだなと驚かされた。
鈴芽ちゃん、九州から猫を追い求めて大移動。
まさか、あの場所にまで乗り込むことになるとは思わなかった。
例のイケメンさんが封じなくてはいけない相手の特性を考えれば、終着点があの場所になるのは予定調和なのかもしれないが。
そこに辿り着くまでが、長かった。
大冒険。
その間、イケメンさんはまさかの状態になり、更にマジかの状態になるし(ネタバレに最大限配慮)
鈴芽ちゃんが結構アグレッシブで、悲壮的な展開でも落ち込みすぎずに読めた。
恋する(?)乙女は、相手を救うために頑張れるのです。
扱う内容が災害も絡むので(この辺りは前作2作品と変わらない)どうしても重い部分も出てくるけど、鈴芽ちゃんのキャラに救われたところは大きいと思う。
その分、振り回される大人はたまったものじゃないかもだが。
特に環さん。
鈴芽ちゃんにどうしても感情移入して読んでしまうので、鈴芽ちゃんを心配する環さんの気持ちは理解しつつも、邪魔だなあと思ってしまった。
鈴芽ちゃんが超常的なことを説明できないから余計そうなるのだろうが、環さんの心配性すぎる部分が鈴芽ちゃんの足枷になっちゃう。
だから、すれ違ったり、無理に連れ戻そうとしたり、本音をぶちまけた場面は読んでいて苦しかった。
分かる、分かるけどもね!
鈴芽ちゃんの過去の件も併せると理解はできるけども。
何も言わず鈴芽ちゃんを信じて見守るには、環さんも大人になりきれてはいなかったのかなと(読んでいる自分も)
大事なことは人に知られないままで、大多数の人には本当に知られないまま、でも確かに世界と何なら大切な人をも救うお話。
読後感はいいです。
少なくとも『秒速……』みたいなことはないので、ご安心を。
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ネタバレ内容を含みます。
新海監督が感じた震災に真っ正面から向かった話。
映画の予告からは想像つかないくらい。かなり震災に生々しく切り込んでいる。
実際に震災の場所で働いていたこともあるし、今でも被災地の人たちとのつながりもあるから余計に響く。
そんな中それをエンターテイメントに昇華させているのは賛否が分かれそうな作品ではあるが、一言言えるのはこんなの新海監督の映画で見たら絶対泣いてしまう……
あと今回のも読んで思ったのは新海監督の作品は「君の名」からかなりポップよりの明るい作品になったと思う。
映画は絶対見にいく。
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予告編を見て、久しぶりに映画を見たくなった。
本屋で本書を見つけたので、買ってしまった。
思ったことは、
やはり新海誠さんは映画監督なのだということ。
予告編を見たからなのだろうけれど
この小説を読みながらも、
きっとこういう映像なんだろうな、と
アニメが思い浮かぶ。
アニメの原画にこういう背景を入れて
こういう背景音を入れて
こういう会話をして
キラキラした美しい映像にして
と、なんだかイメージされるのだ。
きっとだからすごい才能なんだろうし
絶対映画で見た方が面白いんだろうなと思った。
断然小説派の映画もドラマもほとんど見ない私でも、そう思った。
批判ではないんです。
ただやっぱり小説家さんの作品ではないなと感じたという。
思い込みもきっとあるんだろうけれど。
内容は、よく分からない部分も多かったけれど、
私が受け取れたのは、
いつか明るい未来がくるのだから苦しい今の状況に飲み込まれないで埋もれないで前を向いて進んでいこう、というメッセージ。
きっと。
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「すずめの戸締まり」というタイトルからは想像がつかないところに連れて行ってもらった感じがする。
考えてみると、「君の名は。」、「天気の子」そして本作と、様々な自然災害に向き合う、いや、向き合わざるを得ないこの国の有り様を描いた物語が続いているが、それは著者もあとがきに書いているように東日本大震災が色濃く影を落としているということなのだろう。
一方で、この物語は、鈴芽という少女の成長の物語でもある。わずか5日間ほどの間に起きた出来事なのだが、地元を1600キロメートルを離れる大冒険。その途中に出会った人々によって、自分の世界が以前よりもカラフルになったと感じたり、新幹線の車窓から見える景色を眺めながら、自分が関わることのできない風景の中でほぼすべての人が生活をしていることに驚きと寂しさを感じたりと、貴重な体験を積み重ねている。
そして、この旅の果てで、4歳の頃の自分と向き合い、自分自身を励まし、これからの人生を歩んでいく力を得たのだろうと思うが、あの災害時に亡くなった母親に宛てた手紙を書いて寝入ってしまった少女のことが新聞報道されたことを鮮明に覚えているが、もしかすると著者もその姿にインスパイアを受けてこの物語を書き上げたのではないだろうか、と邪推してみる。
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劇場版予告でビジュアルイメージがあったので、読みながら、しっかり絵が浮かんだ。
先が読めた感じではあったが、一気に読める内容であった。
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君の名は。でハマった新海誠監督最新作!先に小説を読み初め、読み終わる前に映画を観ました。小説でイメージしてた内容がそういうことか!と映像・音楽で体感できて納得できましたが、やはり先入観無しに映画を観てから補足的に小説を読むのが良いかなと思いました。登場人物それぞれの気持ちが感じられて泣けました。。