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麻里は母の介護に日々を費やし、両親を見送り気が付けばひとり。
人のために生きることも悪いことではないと思うけれど。
P77
〈事が起きれば真っ先に切り捨てなければならない、自分のための趣味の世界〉
自分の時間を持つのは大切。
麻里は水泳教室に通い、しがらみも、体についた脂肪も落としていく。
帯文の「敗者復活」って?
彼女は人生の折り返し地点に立っただけだと思う。
楽しみはこれからだ。
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あ~楽しかった!
「自分ファースト」私自身が、まさに今現在、大好きな言葉です。
篠田さんの「爽やか系」(私の中での呼び名)のお話。「女たちのジハード」系列という感じかな?
ホラー、ミステリー、SF、宗教、テクノロジー、民族、芸術、などなど、篠田さんの作品群も、本当に幅広い。そして、どんなジャンルであっても、登場人物たちが、自然というか、私達の生活の中で、すぐそばにいる人達というか、そんな感じがあるので、スイスイ読めてしまうのです。
今作の主人公・麻里。風邪で倒れても、お見舞いをいただくと布団の中で、お礼はどうしようか?と考えてしまうような女性。お若い方には「イタイ」とか言われてしまうかもしれないけど。
私はねえ…ちょっと分かる気がしたんですね。もちろん、麻里の考え方や行動、全てに同意~ということはありません。麻里は独身ではあったけど、親や親戚、そして法事や地域の行事など「当たり前にやるべきことだと思って、ちゃんとやってきた」という女性。こういう感じ、自分がこの年代になってみると、ああ~~~と共感してしまう部分もあり、なんだかしみじみしちゃったのです。
そして、こういう女性だからこそ、ちゃんとやらないと、本人もストレスになっちゃったりするんだよあなあ~と、そんなこともじんわり感じて。
「わかるよ~!でもそこまでやらないでもいいよ~」という、麻里の友達の千尋(彼女がとっても良い!)の気持ちにもなったりしました。
今作は、麻里が水泳教室に通い始め、戸惑いながらも、コーチや仲間たち(これまた、様々な人がいる)との交流で、少しづつ変わっていく様子が、あっけらかんと現実的に描かれていきます。
人は急には変われないけど、一歩踏み出すだけで、ちょっとずつ変わっていける、そんなことに勇気をもらえた作品でした。終わり方も良かった〜!
私自身は、OL、結婚、出産、子育て、PTA、パート、夫や両親を見送り…と、一般的には普通、といわれるコースかもしれないけど(普通じゃないとこいっぱいあるけど)さてと、ここまで来て、60間近になり、やっぱり何かと寂しくつまらないと感じることが多いです。子育ては楽しかったけど、これからは「自分ファースト」でいきたい!ってちょうど感じていたので(私は水泳は出来ないけど)いろんな意味でエネルギーをもらえた作品でした!
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読み始めは気持ちが乗らなかったが、中盤以降、麻里が仲間に支えられ、次第に生き生きと前向きになってゆく姿に勇気をもらった。看護師、伊津野の驚異的体力には脱帽。
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51歳、麻里。独身一人暮らし。20年にあまる母の介護の末(やっと)昨年母を見送ったら、腹は出る、高血圧、高脂血症に。看護師に促され病院の生活習慣撲滅プロジェクトに参加し、水泳教室に通うことに。そこで出会った、コーチ、同じ中高年の仲間たちなどとの「水泳」を通して、麻里に新たな未来が生まれる。
「女たちのジハード」の主人公は、競売の家を買う、という行為で、今までの自分とは違った道が開けたが、こちらは水泳を通しての再生、という感じがした。女たちのジハードでは、まだ若い女性だったが、こちらは51才。まだまだ「セカントチャンス」はあるんだよ、というエールだ。
この51才、麻里、30歳位の時に母が58歳で心筋梗塞を起こし介護状態に。すると常勤をやめパートにと、結婚もせず親の介護優先で30代、40代を過ごしてきたのだ。兄はさっさと結婚し家を出た。が近くにいて姪を可愛がっている。そして、自治会の役員、法事、墓参り、親戚づきあい、とかなり濃い、地縁血縁生活を送ってきている。ここまで濃密な人っているのかな、と思うが、篠田氏は、親といて、生まれた家にずっと暮らすということは、こういう「めんどうくさい」つきあいをし続けることですよ、と麻里を通して描いたんだと思う。
またお嫁に行ったら行ったで、麻里の友人は、娘、嫁、母、祖母の役をする。
先生にウォーキングとかやってるの? と言われると、いえ膝も痛くて。先生は、治らない人っていうのは、必ずそういう言い訳を用意するんだ、と言う。これは象徴的な言葉だ。言い訳はしない、そういう生活ができたらいいなあ。
しかし、麻里の母は58歳で倒れ、20年の介護の末78歳で死んだ。これって、88歳。98歳と、麻里が60歳、70歳まで介護生活が続いた可能性もあるわけで・・・
初出「小説現代」2022.4月号
2022.6.27第1刷 図書館
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親を見送った50代の麻里。自分よりも人を優先して気付けば結婚を逃し、健康とは言い難い身体に。意を決して入ったスポーツクラブで水泳をすることで健康な体を手にし、少しずつ自分を大切にしていくようになる。まさに麻里にとって水泳はセカンドチャンスだったんだな。やらない人は言い訳ばかりする、という医者の言葉は刺さった。水泳の話読んでたら私も水の中に入りたくなっちゃった。
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介護の末、親を見送り気づけば婚期も逃して高血圧に高脂血症で病院通いの50歳。
医師から運動は?食事指導は?と聞かれても、時間が取れなくて…とか、腰と膝が痛みだしたので動かすのはもうちょっと…
なんのかんのと言い訳ばかりで何もしない。
いやいや、これって私のこと言ってるやん⁇
って思わずツッコミいれてしまった。
マジで、2日前から腰痛がひどくて朝起きるのに悲鳴をあげるほど。
これって何?ちょっと仕事場でコピーしてる時に中腰になっただけやんって。
まさしく、運動不足と筋力低下に年齢のせいだと。
そのうちに散歩くらいは、などと思っている自分には、プールはまだまだハードルが高いスポーツである。
なので彼女が、プールに通い始め着実に成果をあげていくのに凄いことだと感心した。
初めましての状態から性格の合わない人もいる中で、なんとか諦めずに続けられたのも親友のひとことだったのかもしれないが、努力もあるだろう。
楽しいと思えることがあるというのは羨ましい。
これからでも遅くはないのかな?
一歩踏み出す勇気をもらえた気がする。
あっ、でも腰痛が治ってからにしよう。
でも今回は、かなり痛い。日にちがかかるだろう。
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人がちょっと頑張ったり意識を変えたりして成長する・・・という、まあありがちなお話なんだけれど、主人公が50代独身の高血圧のおばちゃんというところが面白かった。ワタシもまた高血圧のおばちゃんの一人だし、ワタシも頭皮アレルギーで白髪染られない。親近感ある~。
おばちゃんも、これからたくさん楽しいことあるといいね。
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爽やかで爽快な気分になった!
介護を終え、健康にも問題を抱える中年女性が、夢中になれるものを見つけて、輝いていく。
個人的に古矢さんがとても好き。
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あゝ感情移入。中高年スイマー必読。健康上の理由でスイミングスクールに入会することにした51歳の麻里。顔を水につけるのすら怖い初心者だが、コーチや仲間に励まされ熱心に通うようになる。麻里は優しく消極的な少女おばさんといった風情だが、思ったよりメンタルは弱くないので応援したくなる。私も今年から近所のプールに行くようになり自己流でバッチャバッチャ泳いでいたが「ちゃんとプロに習いたいな」と思っていたのでまさにタイムリー読書。作中のスイミングスクールに通いたいかといえば微妙だが、モチベーションはアップ。面白かった。
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50歳を過ぎて始めた水泳の話だが、すんなり泳げるようになったりはしない。林真理子が「篠田節子にハズレなし」と言っていた通り、リアルでうまいと思う。
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いくつになってもワクワクしたい。
水泳に限らずなんにでも挑戦だー!
こういう小説の大好きやわぁ。
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林真理子さんがご自身のYouTubeチャンネルで「篠田節子にハズレなし」と言われています。
篠田節子さんの最新刊『セカンドチャンス』はさらさらと読めて、とても読みやすい本です。
51歳の麻里は親の介護で気が付けば独身のまま。
仕事はパート。
医者からは「痩せなければ危険」と言われる。
そんな麻里が「自分ファーストにしな!」の親友の言葉にも背中を押され、水泳教室に通い始める。
本の帯には
「50歳を過ぎても 敗者復活の大逆転!」
う~~~ん、”大逆転”とまではいかないけれど、50代なりの緩やかなペースで、”人生捨てたもんじゃない!”を実行。
”チャンス”があるのは若い人だけではない。
いつからだって
誰にだって
”チャンス”はある!
ただ、一歩踏み出す勇気が必要なだけ。
楽しみながら、ちょっと勇気づけられる。
そんな本でした。
篠田節子さんの本は久しぶりだと思ったら
2014年に『長女たち』
2015年に『銀婚式』を読んで以来でした。
今更ながら、ふと気づく。
この本の前に読んだ『団地のふたり』も、50代の女性の話だったわ…
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まさに『セカンドチャンス』!!50歳過ぎても人は変われる…平凡な?でも人の良い主人公を応援したくなる。ついでに自分も泳ぎたくなった。この作者のこんな爽やか?な作品は初めてで新鮮だった。
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何歳になっても、人生は楽しんで良いんだって
事を思い出させてくれるような内容でした
軽い感じですが、読みやすく楽しかったです
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ヨシ!スイミングスクールに行こう。こんなにうまくはいかないだろうけど、始めなければ何事も始まらない。「熱心な解説を頭で理解したとしても、体はその通りには動かない。だが物事の法則や理論などというものは、繰り返し聞いて意識して練習しているうちに、ある時突然、自分のものになる。それはスロープを登る感覚とは違う。階段を上がった感じだ」確かにピアノでも、そんな感覚あった。