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怒涛の展開から大団円。
どうして世の漫画賞は全て連載途中で賞を与えるのか?作品を正当に評価するのならば、最終回までを見ないと、その真のテーマは見えないのではないか?
今こそ、この作品にマンガ大賞を、手塚治虫文化賞大賞を、このマンガが凄い!第一位を!!
なんという物語だったのだろう!
三つ巴、四つ巴、五つ巴のような、それを時々シャッフルするような「闘い」が、数ページ毎に様変わりしながら続いてゆく。そして最終的には、結局軍隊と世のはみ出し者たちとのガチな戦闘を、なんと3巻に渡ってノンストップで描いてゆく。こ、これをアニメにするのか?できるのか?
当初、出てくる人物がみんな異様な、特別な人間に思えた。そいつらが殺し合うのだから、なんか他人事に思えていた。
24人の脱獄囚たちの悲しい過去と共に、それを追うあらゆる登場人物たちの過去が全て明らかになってゆく。もはや他人事じゃない。彼らの課題は極めて現代的な課題だ。もちろん、多くはとんでもない殺人鬼だったりするから、途中退場をするけど、例えば金塊を使って南の国で王様になろうとした海賊・房太郎は、伝染病で14人家族全員死んだので「死にきれないほど沢山の大家族がほしい」「俺の生きた証をみんな忘れないようにして欲しい」という夢を持っていた。彼の夢はある人物が最後の最後で引き継ぎ、そしてそれがある経緯で「北海道」自体を「救う」ことにもなる。「生きた証が欲しい」という男の夢は、それが叶い難い現代だからこそ、ますます切実になっているのかもしれない。それを漫画的に見事に昇華していた。
登場人物たちの人生に、みんな一応の決着がつく。鶴見中尉の真の目的もやっと明らかになる。アシリパがその間に大きく成長し、不死身の杉元と真の相棒になる。
「ゴールデンカムイ」は金塊のことでもあり、また台詞にはないけど、光り輝く「アイヌの夢」でもあるだろう。現代、アシリパの夢が叶ったかのように描いているのは間違いかもしれない。いや、彼らは歴史の中で、やるべきことをやれるだけやったのだ。と見るべきだろう。
因みに、前回「カムイ伝」云々と書いたけど、この21世紀の作家は全然意識していなかったと思う。そもそも北海道独立計画を描いた作家は割と多い。すぐ思いつくだけでも北方謙三「林蔵の貌」、本宮ひろ志「男一匹ガキ大将」。その中で野田サトルだけが、大団円まで持っていった。思うに凄いことだ。
アイヌたちの知恵は、戦争の危機と環境の危機が叫ばれている現代だからこそ、私たちが新たに引き継いでいかねばならない。
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読んでる時間が楽しすぎて終わってしまうのが悲しかった……
下ネタ満載のふざけた漫画に見えるけど実はアイヌ文化や史実を織り込んでいて深い深いお話だと思う。アイヌの人たちの暮らしはもちろんのこと、アイヌに限らず少数民族の文化の存在をもっと知りたいと思ったし、消えてしまうのは悲しいと思った。
映画LEONも好きだけど、悪に染まっちゃった系おっさんと心の綺麗な少女の組み合わせは最高だと思う。杉元は戦争で人殺しに慣れすぎてしまっていてなんともいたたまれない。戦争で人を殺さざるをえなかった人たちの気持ちを初めてリアルに想像して考えさせられた。
杉元も好きだけど尾形が最高だった……杉元よりもさらに人の心を持たない、罪悪感を感じない人間だったけど最後殺した義弟の亡霊に悩まされて自死する様がぐっときた。あと単純にスナイパーかっこいいと思った。
最後杉元は梅ちゃんにお金を渡せたわけだけど梅ちゃんはすでに新しい旦那がいて子を身籠っていて、目もすでに治してもらえていたわけで、杉元は命がけで梅ちゃんに治療費を渡そうと頑張ってたのにな〜と悲しいけど、お陰でアシリパの淡い恋心?が実る形でふたりでアイヌの村に帰れて良かったと思った。
最後まで杉元がアシリパのことをさんづけで呼んでいてふたりが恋愛モードにならないのもよかった。ふたりがくっついて寝ていてアシリパが「杉元も故郷の柿を食べたら昔の(人殺しをしていないころの)杉元に戻れるかな?」的なことを言って杉元が泣くシーンが一番好きだったけど、あれも全然性的に見えなくてよかった。やっぱアシリパが子どもの設定だからかな~。将来二人がどうなったか気になるけど単なる相棒として仲良くやっててくれればそれでいい気もするな。
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大団円を迎える31巻である。
前巻同様のやたら分厚く、率直に言うともう一巻作れたんじゃないかな、と思わなくもない。(笑)
中だるみを防ぐべく、一巻に(または二巻に)まとめたのだろうが、尾形百之助周りだけで一巻描けた感は、なくもない。
それにしても、最終巻まで壮絶だった。
それに比べれば、結末は添え物のエピローグであり、やや呆気なく感じた方もいたかもしれない。
示現流を貫いた鯉登少尉。
貫かれた土方の死に花咲かす奮戦と、せん妄の末に行われた新たな英雄への継承。
死を前にしてすら、満足せず、悔しさを口にする老兵の姿はあまりにも、あまりだ。
死の間際までカッコ良かった牛山。
杉本佐一と地獄行すら辞さないアリシパの覚悟。
最後の最後まで罪悪感から逃げ続け、弟の亡霊を抱えながら地獄に落ちた尾形。
最後は相棒を手放さなかった杉本。
そして、本当に過去をすべて捨て去ってしまった鶴見。
ラストを飾るべく、キムンカムイまで登場する豪華なエンディングである。
最後まで駆け抜けた物語の中で、普通に居座る白石はちょっと笑える。
本編終了後のエピローグの中で、綺麗に終わったエンドマークの裏で描かれた小さなエピソード。
歴史絵巻に少しだけ色を添えるこの物語は、あまりに綺麗に終わっていただけに意見が分かれるかもしれない。
ただ、彼の生き様を描く中で、この小さな一話はあまりに大きく、あまりに美しい蛇足だと思う。
それは何だったのだろう。どんな思いがあったのだろう。
変節か。
陰謀か。
はたまた愛国か。
妙と知れない彼の思いが垣間見えそうで、ますますミステリーへと変化していくような、そんな不思議なエピソードである。
そんな加筆も含めて、堂々たる完結だった。
文句なしの完結、星十個で評価したい大団円である。
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尾形ーー!! 最後まで怖い子だった。
あの骨ってなんだっけ?
さきーん!!
最後、みんなのその後とかあったけど、ヴァシリひどいね。ずきんちゃん、登場しなかったじゃん?
あと、アリコどこにいったんだろう? 一応生き残ったはずよね?
ってか、三年後も杉本は軍服のままなんか?
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【あらすじ】
相棒、未来、誇り、同胞、家族、祝福、弔い、武士道。冒険・歴史・文化・狩猟グルメホラー・GAG&LOVE! 全て生かした感情闇鍋ウエスタン
大団円の最終巻!!!!!!!
・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆
…終わってしまったぁー!!いやー、すごいものを読んだ!バトル・歴史・知識・ギャグ・芸術・社会問題…あらゆる要素を混ぜ込んだにも関わらず、よくぞ物語を無駄なく綺麗にまとめてくれた!感激です!特にラスト3巻のスピード感が圧巻です!
新刊が出る都度読んでいたので、今度は全巻まとめてぶっ通しで楽しみたいです。
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1〜31までまとめて
北海道を舞台にしたサバイバルバトル漫画
アイヌの文化や地元の歴史をしっかり本筋に絡めつつ、魅力的なキャラと物語で最後まで駆け抜ける読了後の爽快感が最高!
作者は相当の映画好きらしく、名作オマージュ等が沢山あるのも嬉しいところ。
これは必読漫画です!
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一本木関門跡 榎本武揚 干し柿ヒンナ 帝国ホテルで食える海老フライってのが美味いんだよな 湿っぽいサヨナラは嫌いだぜ 永倉新八は小樽で大学生相手に剣道を教えたり新撰組の手記を残して余生を過ごした サイレント西部劇を自ら主演で撮影したが大コケした_しかし現在カルト映画として再評価されている 山猫の死 鯉登少尉は後に「最後の第七師団長」となる_月島基は鯉登音之進中将の右腕は全うした 白石由竹がどうやって金塊を全て運び出し何処かの無人島で移民を募り王様になったのかはまた別の話 ソ連軍がしゆむしゆとい占守島に奇襲上陸し日本軍が迎え撃つ防衛戦となった それが実行されていればマッカーサー元帥は歴代の大統領に名を連ねていただろう それはマダラ模様の美しい金貨であった
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超面白い。アイヌの文化や幕末〜明治期の歴史について学びながら、スリリングなストーリーを楽しめる素晴らしい作品だった。伏線もしっかり回収されていて構成が見事だなと思った。
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ギャグとシリアス
展開
キャラクター 堀かた
思想
情報量
動物 自然
過去 情報の出し方
話の進み方
愛 歪む 表れ方
それぞれの考える未来
アイヌの未来
民族の生き残りを賭けた戦いか
愛する者への想いか
建前と本音の違いだけでどちらも嘘ではない
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アイヌ文化にとても興味が湧いた。
あまりのバイオレンスに…目が釘付けになった。
10巻くらいまで、登場人物を区別出来ず、ストーリーの理解に苦しんだが、登場人物像が自分の中で定着してくると、俄然面白くなった。
もう一度、10巻までを読み直したい。
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最終巻。後半は離脱キャラが多くて辛かったけど、最後まで綺麗に物語が完結して最高に面白い漫画だった。ストーリーの面白さ・キャラクター・伏線回収・コメディ的な要素どれをとっても良かった◎
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とても面白かった。
ラスボスがちゃんと死んだか不安…
ちんぽ先生の最期は涙
アシリパさんと杉元が幸せに暮らせて感無量です
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完結したから読んでみた!
前にも読もうとしたときがあったけどその時は途中で読むのやめたからその程度の漫画であんま惹かれなかったんだよな〜ってのがあって先延ばししてたやつ。
31巻と濃厚だったから、お父さんに会った以降は蛇足感あってちょい飛ばし読み。
本誌と単行本で加筆があったりしてそこがよかった。(ブログを見て補完した)
実写化したらみてみたいな〜
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読む前はなぜだか山の中で美味しいもの食べる漫画だと思っていたので、想像以上にドンパチしていておもしろかった!
チタタプが頭から離れなくなります。
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中学生以来の漫画マイブームの中で一気に読み終わった作品。アイヌという知ってるようで知らない奥深い文化世界にこれ以上なくエンターテイメントとして入り込ませてもらった。神であると同時に、身の回りのすべてのものを指すカムイという言葉は、アシリパや鶴見中尉が見た理想を表すのにこれ以上ない役割を演じている。チチタプやイェンカムイ、オソマ、キエンカムイ、エペッペッケ、小樽、網走、夕張、樺太、旭川、札幌、函館、五稜郭、函館戦争、戊辰戦争、日露戦争、土方歳三、永倉新八、パルチザン、オハウ、北海道のスケールと世界観を感じられた。