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Qブックス2期目、15年前に逝去した哲学者による文章をあちこちから選んで編まれた一冊。巻末に次に読むのにおすすめの本のリストもある。折込チラシとして、池田晶子の著作一覧がはさまっているのも親切なり。
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第1章|心はどこに
雨の風景 心の風景
「現実」という夢
心で感じる仮想と現実
倫理とはどこに存在するのか
正直者は馬鹿を見るか
|第2章|私とは何か
悩ましき虫の音 秋の夜
孤独の妙味
寒い!
世の中イデアだらけ
天才とはどういう人か
「コンビニエントな人生」を哲学する
|第3章|目に見えないもの
「生命」の漲る季節
夏休みは輝く
自然
|第4章|言葉の力
言葉の力
動物のお医者さん
哲学とは? それがもっとも難しい質問だ。
◆出典一覧・巻末註記
◆次に読んでほしい本
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〇力強い言葉に背筋が伸びる
考えること、言葉の大切さ
〇自分は、限りある時間をどう過ごすのか
池田晶子さんが雑誌に寄稿したものを本にした
1:心はどこに
・倫理はどこにあるのか
・損得について
法律について
〇自分の頭で考えよ
なぜ法律を守るのか、損得を考えていないか
「法律」が人を殺せと命じたらば
2:私とは何か
・孤独
〇ウェブと向き合っているときの“私”と本を読んでいるときの“私”と何も持っていないときの“私”
・何のための「便利」か
「便利なものは、必要がない」
〇足るを知ることの大切さ
3:目に見えないもの
・万緑
・夏休み
夏休みの終わり
・生命は宇宙だ
〇子どもの時間とその鮮やかさを思い出す
4:言葉の力
・「初めに言葉があった。言葉は神とともにあった。言葉は神であった。」
・言葉には、万物を想像する力がある
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「道徳と倫理の違いというのは、単純明快、強制と自由の違いである。道徳は、外敵規範によって強制できるが倫理は、内的自由によって要求されるしかないからである。」という説明が心にささる。その他、「天才とは当たり前のことを発見する能力である」等、過去記事を集めたものではあるが、皮肉の効いた著者らしい哲学エッセイを収録。
もう余命を意識したと思われる言葉も並んではいるのだが、「本当の自分とは、本当の言葉を語る自分でしかない」「言葉を大事するということが、自分を大事にするということなのだ」というのが独我論者を自認する著者の最も言い遺したかったことではないだろうか。
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私は久しぶりの雨音に包まれて二度目の眠りにつき寝覚めたところでこの本を読み始めた。 すると第1章「心はどこにー雨の風景、心の風景」で筆者も私と同じように自分の体温で温くなったふとんに包まれ雨音を聴いており、驚いた。どこかべつの時間にどこかべつの場所でべつの人が、似たようなしあわせを感じているというのは何か繋がっている気がして不思議である。そして少し、嬉しい。私だけのしあわせだと思っていたものが共有されている感じをして恥ずかしさも、ある。
この章の中で風景というのは心象風景だと記されており、なるほどと納得した。隣で同じ景色を見ていても、人それぞれ感じるものは異なる。こんな単純なことを忘れていた自分に驚いた。美しい景色や綺麗な景色は私がそう感じているだけで、隣のあの子は肯定的に感じていないかもしれない。そんな事はひとつも考えずに私は感想を強要した事が何度あったか。言葉には力がある。
「言葉はどのようにしてできたのか。」筆者は本文中で何度も読者に問いかけをするが、この問いかけがわたしの心に深く残った。日々こうして言葉を使っているにも関わらず、言葉がどのようにしてつくられたのかも知らない。散々技術が発達した今でも解明されないそれはとても不思議だと思った。昔の人が言葉を尊び畏れ「言霊」を生み出したように、言葉には魂が宿っていて創造する力があるということを忘れずに後世を過ごしたい。言葉を大事にすることは自分を大事にすることであり、言葉にすることで失うもの、得るもの、創るもの、崩れるものがある事を心に留めることの大切さと発言の重さを知った。
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第2章 私とは何か の 孤独の妙味 「自分を味わう」何ものでもない自分とは何なのか、内側へ向かい探索する、自分を思索することの面白さこそ、孤独であることの特権だ。
「コンビニエントな人生」を哲学する
節約された時間や手間をよりよい人生を生きるために使う、人生の意味と無意味を納得して生きる人生に使う。
ネットからの情報に真理はない。頭がある限り、暮らしの時間の中で、ものを考えることが出来る。プラトンの本をはじめて読んだ農夫「こんなのワシがいつも考えているのと同じだ」
人間も自然の一部
長生きする方法を得ることで、今ある時間を無駄にする。
自分の頭は、いつも無駄な心配や、メディアから与えられるもので、溢れている。
考えることは慣れていないし、避けている現実とそれによる中身の成熟さが欠けている自分に、焦りを感じる。
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普段何気なく使っている言葉を、少し違った局面から考えて、自分の持っている常識を改めて確認するという試みがなされている本だと感じた.なかなか難しい試みだが、ある程度成功しているように思う.第2章の「私とは何か」が面白かった.孤独を楽しむレシピが満載だ.読書の楽しみを挙げているのは大賛成だ.面白い視点からからの著作が多かった著者だが、若くして逝ったのは残念なことだ.
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これも、過去作品の焼き直しか~。このシリーズ、そういう方向性でいくのかしらん。本作については、著者の作品に触れたことがなかったこともあり、また今、絶賛哲学に興味ありってのも相俟って、だいぶ楽しく読めはしたのですが。
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心、現実、倫理、私、孤独、自然、言葉などについて。世の中のことを立ち止まってじっくり考える。違った角度から見てみるおもしろさ。言葉は私だ。自然は私だ。元の本もじっくり読みたい。
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「言葉を生きる
── 考えるってどういうこと?言葉はどうして伝わるんだろう!
その驚きが、君の力になる。
君たちは言葉を使って話したり書いたりしている。でもどうして伝わるのだろう。相手と君が同じことを理解できるなんて奇跡みたいじゃないか! この当たり前に気付いて驚いた君は幸運だ。その驚きこそ、君の考える力になる。『14歳からの哲学』の著者が贈る考えるヒント。」
著者:池田晶子(いけだ・あきこ)
1960年東京生まれ。慶應義塾大学文学部哲学科卒業。文筆家。専門用語による「哲学」ではなく、考えるとはどういうことかを日常の言葉で語る「哲学エッセイ」を確立して多くの読者を得る。とくに若い人々に、本質を考えることの面白さ、形而上の切実さを、存在の謎としての生死の大切を、語り続ける。主な著作に『14歳からの哲学』『14歳の君へ』『暮らしの哲学』『無敵のソクラテス』『考える日々』など。2007年2月23日没。
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哲学とは、知らないことを知りたいと考える事!まだまだ知らない事、新しい視点があった事に気づくため、また本を読もうと思えました。
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テーマは中学生によいと思うが、少し言葉が難しい。「巷」「叙景」「包摂」など、一般的な中学生には親しみがないだろう。それとなく知らない言葉に出会いたいタイプの子どもなら問題ないと思うので、読書に慣れた子ども向け。