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元銀行員の著者が、そもそも銀行とはどういう組織か、という視点から、不動産投資における融資攻略を伝授する。
借金は善でも悪でもない。生かすも殺すも自分次第。
本書ではパッケージ化されたアパートローンではなく、プロパー融資を勧めている。
なぜなら、プロパー融資とは事業者として受ける継続可能な融資だから。継続取引、条件の柔軟性、低コストがメリット。ただし、初回取引の場合、審査結果が出るまで時間がかかる。
不動産投資は融資攻略→物件検索の順で。どんなに良い物件が出てきても買えないと意味がない。
殆どの銀行では、営業ノルマの関係で8月と2月が融資のチャンス。
同じ銀行同士でも支店間で苛烈な競争がある。
ノンバンクは、金融機関の持つ性質のうち、単純に利益のみ追求したもの。公共性とか念頭にない。
初心者は、信金、信組、政府系を狙う。
銀行は新規取引を嫌がる傾向にある。飛行機と一緒で離陸時に一番エネルギーがいる。
審査の3原則
①資金使途(何に融資を使うのか)
②財源(返済原資はなにか)
③保全(債務者が破綻した時、銀行はいくら回収できるか)
不動産賃貸業に運転資金は不要と言われているため、使途はほとんどは物件購入資金。
財源は家賃収入。サラリーマンの場合はこれに給与がプラスされるから高収入ほど有利。
保全はほとんどの場合は購入物件を抵当に入れる。たまに保証人が必要な金融機関もある。
定量評価とは、財源、保全、財務や資産背景など、数値化できる評価。
定性評価とは、経営方針、経営者の人格、使途など、数値化出来ない評価。
物件探しをする際には、先にエリア選定をする。
借り換えは基本的にNG。目先の利益に惑わされず損して得をとるを忘れずに。
銀行評価が高い決算書は節税と真逆になる。規模拡大を目指すなら節税よりも融資攻略が優先。
債務超過はマイナス評価。役員の借入は純資産に含めてもらえる。
資本金は積み過ぎると税金かかるし、一度決めた後は変更が面倒。役員借入で純資産を調整するのが現実的。
ポイント①債務超過にならない程度に資本金を積む②純資産のマイナスを防いだら役員借入金で資金投入を行う③決算期に出来るだけ個人の預金を法人に移し、実質自己資本比率を高める。
債務償還年数の適正値は、不動産賃貸業だと、15年以内。長期高金利融資の元利均等返済は手元のキャッシュフローは増えるが、元金の返済が進まないため債務償還年数にマイナス影響を与える。
融資継続が前提の不動産投資家にとっては、金利ゼロでも預金を積み上げることのメリットは計り知れない。投資信託のリターンに勝るから投資信託や株式に回す資金があるなら預金を積み上げた方が賢明かもしれない。
不動産賃貸業は、金融機関が主役。
金融機関と物件をマッチングさせるという考えで動くと融資も決まりやすい。
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ハードルは高いけれどもプロパー融資をチャレンジしてみたくなる。そのためにはドミナント戦略は有効。あと、節税ではなく財務諸表の健全性を保つことが基本。全ては大家の考え方次第。
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自分は不動産屋なので明日から使えるような内容ではないものの、サラリーマン大家さんが不動産賃貸業をやられる際の考え方やその時の銀行の対応がなんとなく掴めた。
建築費の高騰や物件の値上がりなどで今から始める人にはそこまであがりは大きくないかもしれないけど、ある程度再現性のある方法だと思う。