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目にくっきりと残る鮮やかな木々の緑や空の青、祭りの夜の賑やかさと厳かなさが入り混じったワクワク感、朝と夕方の涼しさが混じった静かな空気…夏の風景が見事に描かれていて、小学生の夏休みに戻ったような懐かしさを感じた。
ストーリーは幻想的でふわふわと覚束ない雰囲気。どこに連れて行かれるのかと地に足がつかない不安定さを感じながらも、拓人や彰の強い友情に引っ張られながら読み進めていけた。一度では咀嚼しきれなかった部分があるので、何度も読んで楽しむ一冊だと思う。
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幻想譚、といえばいいのだろうか。
子供の頃神隠しにあった少年が、一緒に神隠しにあった少女と再開する。しかし、少年には神隠しにあった記憶も少女のことも覚えていない。
十二歳の夏休み。
夏の暑さ、風鈴、木槿の花、水と葉擦れの音と、森と山と、生きてるものと生きていないものが混じり合う。
普通の少年の夏休みのような日常が徐々に崩れて、優しさと侘しさと切なさと、そこへ過去と現在が混じり、ラストへと一気に行くのはこの作家さんの醍醐味かな、と。
夏の終わりから秋にかけて読みたい一冊。
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ふわふわした、不思議な話。
最終的な着地点は結局どこだったのか伝わりづらいように感じた。
彩雲国物語シリーズが好きで読んでいたからか、あまりの印象の違いに戸惑って物語に入り込めなかったのかも…?
タイトル名はなかなか爽やかなのに、内容はけっこう重たい感じかなと。一度読んだだけでは全体像が捉えきれない難しさを感じた。