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ビアンカに待ち受けていた真相が思っていた以上のものがあって驚愕した。
前半でただでさえ「罪の子」としてノエルに憎まれる存在だと知らされていたのに、後半になって明かされた更なる禁忌。
ポードワンの所業の邪悪さは本気で吐き気を催すほど。
ゆえに彼は相応しい最期を迎えることになるが。
「ビアンカ」と名前をつけられた彼女は、血筋のせいもあるのだろう、少し体が弱い。
それでいて義兄ノエルを盲目的に愛し、彼がいなくては精神的に生きていけないような精神的不安さもある。
作者さまが後書きでも触れていたように、復讐に生きるノエルも歪んでいるが、ビアンカも歪んでいる。
危なっかしい二人。
だからこそ、相手は憎むべき憎まれるべき存在だったのに惹かれてやまなかったのだろう。
最初からこの二人の間に割って入れる訳なかったのだよ、アンドレくん(哀れな当て馬役)
ノエルは復讐に生き、復讐相手の血筋であるビアンカをも憎んでいたけれども……そもそもの始まりの時点で堕ちていた気はする。
気質はいい人だったから、過去のトラウマのせいで歪んでしまっただけだから。
ビアンカを虐めつつも執着と溺愛は変わらなかった気がする。
ビアンカのために花を生けたいたエピソードは本当に泣けた。
その想いがもう、たまらなかった。
本来は復讐の似合わないキャラだと思う。
そして、好きな子ほど虐めちゃうタイプだとも思う。
最終的にツンデレさが可愛く思えたヒーローだった。
復讐者の筈なのに。