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シン、と静寂の鳴る時の静止した世界で、引っ込み思案の少年と不良少女が紡ぐ、ロードノベル。その特異な世界観は、独特の読み心地。
正反対な性格の二人が、長い距離を共に旅する過程で徐々に絆を深める様が繊細に描かれた、心温まる作品で、とても良かったです。
最後はあっさりした印象も受けましたが、旅の経験を糧に成長した主人公は、同じような思いを持つ少年少女へのメッセージかもと思い、中々に感じ入りました。
個人的には、後は青函トンネルなど、地理の小ネタが色々散らばっていて、へぇーと思いながら読める点がお気に入りです。
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不登校男子が頑張って修学旅行に参加した先の函館で時間がストップする。
時間が止まった世界で動けるのは主人公である不登校男子と、わけあり地元JKのヒロインのみ。
凸凹、ギクシャクな2人は時間が止まった世界で函館から東京間を徒歩で旅をすることに。
旅を続けて紆余曲折しながらも心の距離を縮めていく主人公とヒロインの旅はどんな旅をするんだろうかとワクワクしながら読めました。
ただ、主人公の特異体質の設定などは生かしきれてない感じやこれで終わり?感がちょっと残念だったかなと思います。
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修学旅行先で時間が止まってしまった男の子が女の子と出会って旅をする話。
時間が止まり、静かになってしまった世界の中で、たった二人で日本を旅するというのは、とても良い世界観だった。そして、二人が抱える切実さや、絶望は、結局、解決はしないのだけれど、かけがえのない相手を見つけることで、ほんの少しだけ、前を向き、希望を持って明日を迎えられるようになるというのも、とても良い。
もったりした作家の文体と合わさってとても良い話だった。こんな修学旅行いいなあ、と思った。