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本書では、ディープ・スキルの定義を「人間心理や組織力学に対する洞察を深め、人や組織を巧みに動かすこと」としている。これは、うまく決済権者の機嫌を取ることでも、Give & Take の駆け引きでもなく、長期的戦略に裏打ちされた、信頼を高めるための誠実さや謙虚さ、そしてしたたかに行動することであると。
本書では、このような理念の解説にとどまらず、うまくいかなかった「身も蓋も無い事例」や「梯子を外す上司」など、あるあるなケースも満載で、経験のある方はとても共感できるし、なぜそのような事態になったのかの分析や対策なども解説されていて、「したたかに考える」とはこういうことかと参考になる。
石川さんは一貫して「企業内起業」のサポートをされている。だからこそ、組織内の信頼関係構築の重要性を再三指摘されていると思うが、これは日本であれば企業外であっても同じことだろう。同質性が高く、流動性が低く、せいぜい一億人程度の日本は、地球規模あるいは100年単位で見れば、世界の中小企業ともいえる。「まだ誰もいない領域でトップランナーを目指せ」などは、スタートアップが競争の激しい業界でいかに勝ち抜くかのスキルでもある。
こう考えると、誠実かつしたたかにプロジェクトを進めるノウハウは、社内の新規事業担当でなくても、営業マンでも公務員でも政治家でも必要なスキルだと思う。特に意思決定者との関わり方・交渉術のエッセンスが詰まった本書は、決済権者の方には読んでほしくないかも(笑)
このほかにも、「9回裏ツーアウトではなく、4回の表くらいで焦らず冷静に考える」「ビジネスで最も重要なのは、人の気持ちをおもんぱかる力」など、人生に役立つ金言がたくさん。
個人的には、最近はスタートアップも資金調達もEXITも「型」みたいなものができつつあってつまらないなあと感じているのだが、ビジネスの原点を指摘されているようでハッとさせられました。
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組織に立場と経緯の異なる人が集い
同じ方向を異なる視点で眺めながら力を合わせる
そのためには
専門性、合理性、効率性といった罠を乗り越えて
目的合理性を追求して、壁打ちを通じた見直しと言い換えで本質を見極めるプロセスが必要になる
使命感には怒りが込められている
梯子を外す人たちには哀しさがある
困難を楽しみ、人を思いやり、いきいきした感情を持ち続ける
負の解消こそビジネスの本質だからこそ、人の気持ちに寄り添うことを大事にし、深い洞察あるヒューマンスキルを磨くことにここまでこだわり続ける
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・信頼を勝ち取るためには誠実であること。「礼儀正しくする」「謙虚である」「嘘をつかない」「約束やルールを守る」「誰とでも分け隔てなく接する」「間違ったときは謝る」など当たり前のことを忠実に守り続けること
・自らがスポットライトを浴びる「俳優」になってはいけません。自らは舞台に上がらずに筋書きをコントロールする「脚本家」のポジションを取らなければならないのです
・真に実力のある経営者であれば、何かを仕掛ける時に、十手、二十手先を読んで、抵抗が起きないように事前に手を打つ
・「普通の人」の「普通の生活」のなかで、自分の中に生起する「感情」をちゃんと味わう。「お客様=普通の人々」の気持ちや感情に共感するためには、まず、自分の「感情」が生き生きとしていなければならない・
・相槌が大切。人間というものは、自分が気持ちよく話すと、その話に付き合ってくれた相手に対して「感謝」の気持ちを持つものです。あるいは「負い目」のようなものを感じる
・まず「論理的に聞く」ために大切なのは、「何が事実か」を5W1Hで確認すること。自分の考えをはっきりさせるためには、「事実+仮説=意見」という3つの要素を明確にする必要がある
・仕事をすれば、トラブルは必然的に起きる。トラブルが起きたということは部下が頑張っている証拠。部下のトラブルはマネージャーにとって「腕の見せどころ」であり、内心で「よし、自分の出番だ」くらいに考えるべきこと
・上役の「言語化」をサポートすればいい。「思い」「考え」に輪郭を与える。そのなかで「フェアウェイ」と「OBゾーン」を明確にする
・4象限マトリックス
市場を既存市場で売るか、新規市場で売るか
製品サービスを既存のものを売るか、新たなものを売るか
・相手が頭の中で考えていることを言葉にして、それを相手が理解しやすいように整理して伝える
・「本当に仕事ができる人」であれば、実力社長の「権力」の庇護のものにある時こそ、「反論するのが難しい人々」の気持ちを察し、彼らの声に謙虚に耳を傾け、丁寧に合意形成を図る
・現場と経営陣が合理性を超えた共通の意思を持つ。それを引きだし、言葉にし、常に立ち戻ることが大事
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もうちょっとさ、自己満足でいいからさ、錯覚でもいいからさ、「なんか成長した気がするぅ」という読後感をくれ。それが皆無のビジネス本って。。。
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転職活動中、帯の「ずるさ」ではなく「したたかさ」を磨け!のコピーに惹かれて購入。
管理職必読!とも記載されているが、管理職に対して部下はどう接するかや自分が管理職になったら気を付けようと思う事などのヒントがある。
ビジネススクール等で学べる様な内容ではなく、サラリーマンが組織で働くための「したたかさ」を教えてくれる本。
「仕事」というRPGを楽しむためにはどう動くか?と考えながら転職活動をしようと思う。
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大事だけど難しいことが書いてある
◯信頼される
・人は実際には常に誰が言うかで判断する。
・人を動かすとは、この人に任せたい力を貸したいと周囲に自発的に思ってもらうこと。
・誠実に振る舞いコツコツ貯めるしかない
・勝ち馬に乗りたい人、後ろめたい周囲の人に怒りが沸いても、目的合理性に照らして嫌味を言わないことで味方が増えていく。
◯上司が梯子を外すのは当たり前
・経営層の力学を理解し、これを前提に最初から当事者に如何に仕立て上げ、後で逃げられなくするか。インタビューなどスポットライトに上司を当てる。
・正論は自分を律するために使うものであり、他者に押し付けても反発されるだけ。相手を責め立てる武器として正論を持ち出しても争いを生むだけ。
・そもそも上司は意思決定をしたくない存在だという現実から出発する。
◯会社で深刻になるほどのことはない
・すぐに9回裏ツーアウトだと思うからおかしくなる、まだ4回表くらいだから慌てるな
・仕事はRPGのようなもの、様々な敵キャラを、ネガティヴに捉えたり根に持ったりしてもどうにもならないをどう動かし仕事を成し遂げるかを楽しんだ方がいい
・どうしても納得できなかったら辞めるカードを切ればいい、それでも困難な敵が出るほど面白い
◯弱者抜擢
・どんな立派な発言も実績という裏付けがない人には説得力がない。実績こそが発言力の源。そのためには圧倒的な量が必要。
◯敏腕ビジネスマンのように話さない
・理屈っぽく理路整然と話されても理解共感は得られない。人は他人の話をじっと聞き続けることに苦痛を感じる生き物
・話術よりも如何に相手に話してもらえるか、観察力と思いやり
◯機嫌の良さをマネジメント
・求心力を発揮するために機嫌良くいることが大切。上からのプレッシャー、目標、忙しさから真面目な人ほどピリピリしがち
・トラブルの報告を機嫌よく聞けるか、報告を感謝するくらいの心持ち、トラブルは起きるもの。
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Deep Skill ディープ・スキル 人と組織を巧みに動かす 深くてさりげない「21の技術」
著:石川 明
人間心理と組織力学に対する深い洞察力。そして、その洞察に基づいた的確な行動力。この2つの能力を兼ね備え、人と組織を巧みに動かす実行力を身につけたときに、はじめて「仕事ができる人」という評価を勝ち取ることができる。
深い洞察に基づいた「ヒューマン・スキル」であることから、著者はこれを「ディープ・スキル」と名付け、本書において以下の4章により言語化し説明している。
①したたかに働く
②人間関係を武器とする
③権力と組織を動かす
④人間力を磨く
ずるさではなく、したたかさ。
教科書的なリーダーシップやマネジメントだけではなく、著者自身の新たな視点と経験から紹介される「ディープ・スキル」は、自身の能力・コンディション・マインドに対してではなく、関係性や関わり方への考え方と実際の行動までを網羅している。
ずるく相手を使うのではなく、したたかにお互いのウインウインを目指すものである。ビジネスは非合理なことも多く、こうすれば正解というものはない。ない中にもこうした暗黙知的なモノが言語化されたものはありがたい。
ただ頑張るだけではなく、良い努力の基本となるスキルと言える。
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自分だけでは限界があるので社内の他部署、上司、部下、取引先を動かすための有効な方法を筆者の経験とともに紹介。確かに人を動かす、動いてもらうにはやり方を選ばないと自分の思うようにははたらいてくれない。
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効率性追求することはビジネスを強化する上で極めて重要な手段の一つだが、本来の目的(企業の存在意義)を達成するために必要な汗(錬磨)をかくことが重要。強みを捨て去ってしまう効率化には注意が必要。
例:味が評判の蕎麦屋が蕎麦打ちをやめる
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備忘録
・仕事はRPGである。
└時にピンチに遭遇するような、困難なことにチャレンジするからこそ仕事は面白い
・仕事やキャリアを選択できる機会の広げ方
└自分の存在をアピールし、自分の価値を最大化するために何を武器に働くか?なんの専門性を磨くか?などの選択に工夫を加え、周囲の中で際立つ特徴を作り出す。
・ビジネスの根本
└どんな人がどんな場面でどんな不を感じているのかに思いを馳せ、どうすればその不を解消できるかを考え抜く
・アドバイス好きな人は疎まれる
└助けるという行為は一歩間違えれば、上位にあるものが下位にあるものに施すといった色彩を帯びかねない
・壁打ち
└5W2Hを確認しながら、何が事実かを明確にしようとしているだけ。
事実+仮説=意見が整理されていく。
・4象限マトリクス
市場(新規か既存か)×製品・サービス(新規か既存か)で分類。
・調整とは、関係性を正しく整えること
対立を乗り越えるには、お互いに譲歩して妥協点を探るのではなく共通の利害を探り当てることご大切。
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メモ
・仕事とは誰かの不を解消するということ。
・正論はマウントをとるだけ反発ハレーション。
・代わりがいないポジション取り。
・相手の考えを言語化、整理してあげる。
・譲歩と妥協で部署間の対立をなくし、共通の利害をさぐり同じ方向をみる
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上司をうまく操縦する術が書かれています。
私も知らないうちに上司の地雷を踏んでいたり、感情を出しすぎていたなと反省しました。
本書を読み、もっと上手く立ち回れるよう精進していきたいと思った。
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影響力の武器的なお話+組織で働く人向けのマインド醸成がテーマです。
実務経験豊富な方ほど共感できる部分が大きいのではないでしょうか。
最後にあった「怒り」「悲しみ」を「使命感に昇華する」には共感しかありません。
綺麗ごとやベーシックな理論だけで仕事は回らないという現実としっかり向き合うことができます。
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関係者との協調関係を構築するためのスキル。
確かに過去の成功体験を振り返ってみると、お互いの『不』を解消できる場合には、協調関係が構築できて気分良くスムーズに仕事ができた気がします。
一部の内容にはちょっと相手に気を使い過ぎでは?自分のやる気がそんなにもつかな?とかはありましたが。笑
それを含めてもしっかり考えさせてくれました。
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リクルートの新規事業開発部門出身者が、自分の事例も元に、人と組織の動かし方を述べている本。各項目に出てくる新規事業に例えた話が、そこに寄りすぎてて汎用性にやや欠ける印象。
参考になったのは、以下2点。
相手と合意形成する時には、正論で相手を責めるのではなく、相手の不を捉えて感情に寄り添うこと。その上で共通の利害一致へ、向かい合うのではなく同じ方向へ取り組む。
交渉の際は、北風と太陽理論の北風を用いり軽く脅し、続いて太陽を用いり明るい未来を示すことも。
→よく社内の協業者正論でぶつかりにいってしまっていたので、改めて見つめ直せた。
仕事はRPG。次から次へ現れる敵キャラ、ボスを快く受け入れ、倒していく。
→メンバー育成をする中で、様々な課題が出てきて自分の感情が負に揺れることもあったのだが、RPGの感覚で実践すると、いくらかラクにかつ楽しめるようになってきている!