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本書は2023年朝ドラ『らんまん』の主人公、牧野富太郎、
生誕160年を記念して編集された、貴重な本。
本書を読むと、今から朝ドラが始まるのが楽しみになってくる。
では気になる所からメモ。
・1909年(明治42年)8月31日
牧野は屋久島に上陸した。必然だった。
「日本の植生の縮図」と言われた屋久島。
日本列島には約7千種の植物が自生しているが、
屋久島にはそのうち1300種いるという。
ちなみに牧野は1500種以上の植物に名前を付けた。
・人生を変えた東京への旅にでた。富太郎19歳。
土佐の酒屋の跡継ぎを祖母が期待していたが、
東京に2か月滞在することで、さらに植物学者になるために土佐を出て東京に行く決意をする。
既にこの時点で土佐周辺の植物採集を行っていた。
・22歳の東京大学の植物学教室に突然訪ねた。
恰好は袴姿で沢山の標本や写生図を持っていき
教室の先生に熱心に説明して注目された。
・そして矢田部教授に気に入られて、自由に東大の
書類を見ていいと許され、自由に研究できた。
そこから牧野の植物への情熱が拡大する。
・神戸にも牧野の名は有名だ。
兵庫県の県花「ノジギク」を命名したのが牧野。
その県花選定はNHKが企画した『郷土の花』というプロジェクトで県花を決める由来になっていて、牧野はそのプロジェクトの植物学の権威として参加していた。
・牧野の妻、寿衛(すえ)と13人の子どもがいるが、
東大からの給金は15円(今の15万円位)。
貧乏な日々を送る。
・しかし、植物採集と研究の為、借金が増える。
とうとう、どうにもならない状況に。
3万円(現在の1億円)の借金に膨らむが、
大金持ちに救われる。
・現在も牧野の同好会がある。100年以上続いている。
牧野植物同好会。
http://makino-dokokai.sakura.ne.jp/index.html
まだまだ、書き足りないが、94歳に亡くなるまで、
自分の好きな事を生涯進んでいった、牧野富太郎の生き方はうらやましい人生であろう。
参考文献
『牧野富太郎自叙伝』講談社学術文庫
『世界遺産の森 屋久島』青山潤三著 平凡社新書
『草を褥に 小説牧野富太郎』大原富枝著