投稿元:
レビューを見る
この本は、小説という形式でフィクションの皮を被ったばりばりのノンフィクション。資本主義の極みである東京に住む中流階級の人たちの目を背けたくなるほど苦しいリアルが綴られた短編小説。
登場人物は、世間的に多くのひとから憧れられる学歴や職歴の人々が中心。それでも内面的には全く満たされず、また自己愛に欠けているため、周りの環境や他者を愛せない。ぽっかりと空いた自分の心の穴を未分不相応の住居や高級な食事、派手な異性関係で埋め合わせようとするも上手くいかず、なかなか幸せになれない。また、自分自身を幸せにする術すら知らないから、他者を幸せにすることもできない。
どんな立場の人でもその人なりに悩むもの。人にはそれぞれの地獄や苦しみがあり、もちろん自分にも自分の苦悩がある。この事実をひとりでも多くのひとが知ることだけでもこの本は大いに価値がある。
自分自身の身の丈にあった等身大の幸せはなにか?その幸せを実現するためにどのようなライフスタイルを目指していくのか?この疑問に対する直接的な答えはこの本にはないが、それを考える貴重な機会を与えてくれる本である。良薬口に苦し。
投稿元:
レビューを見る
全20編の短編集。
興味を持った方はとりあえず一編読んでみるのをお勧めします。
残りの19編もだいたい同じです。
投稿元:
レビューを見る
くだらない と思いつつ、自分の中にも登場人物達と大して変わらないしょうもない価値観があるよな と感じた。たぶんどう生きても見る人から見ればカッコ悪くてダサい生き方になると思う。でもそれでいいと思った。その開き直ったダサさが一周回ってカッコいい。
投稿元:
レビューを見る
昔の自分を見ているようで気が滅入るものの、手が止まらない
東京産の東京人でなければ満たせない自尊心が存在するのだろう
投稿元:
レビューを見る
同年代で生まれ育ち、東京と何らかの縁を持った人が共感する、あるいは身近に目撃する生々しい描写。
生い立ち、容姿、受験学歴に特化して自我が肥大化する一方、大学、社会での経験・学びを表す言葉は貧困で記号化されたものしかない。
投稿元:
レビューを見る
短編集。
短編の主人公たちが可哀想になってくる。東京の地名が出てくるが、その地名の中でも住んでいて箔が付く地名があるらしく、主人公たちは自分よりお金や美貌を持つ人を羨んで生きている。
東大出身者と付き合うとか、お金を持ってる人と会っていると自分の価値が上がった気がするとか、人生勝ち組とか…くだらないと思う。自分が幸せと感じていればそれで良い。ただ、世の中にはそういう価値観を大事にしている人達がいることも確か。
そんな人たちにもし自分の生活を見下されることがあったら、「可哀想な人たち」と思うことにしよう。
この本が読んだ人を少し鬱にさせるのが目的なんだとしたら凄くよく出来てると思う。
投稿元:
レビューを見る
ホリエモンが絶賛していたので「へー(・ε・`*)」と思って読んでみました。
一気に読んでしまいました。もちろん面白かったのですが、読んでるうちに何とも言えない不気味感がまとわりついて、ただただこわかったです。友達には「新感覚のホラー小説」としておすすめしたいと思います。
この小説の主人公たちはは30歳で、高学歴、港区に住んでいるのですが、全員コンプレックスを持った「負け組」で、その人生を淡々と語っている。原体験は大概両親の教育。そんなテンプレート設定を著者の抜群の語彙力でアメーバのように分裂させそれぞれの物語にしています。
30歳もだいぶ過ぎた私は「こえーな」と思いつつもちょっと客観的な立場で読んでいましたが、ところどころ自分にも当てはまる描写があり、そのうち「満足しているはずの自分の人生も、アザケイに描かせたらこの小説の主人公にさせられてしまう」という謎の恐怖感を感じました。
『ペンは剣より強し』といいますが、ヤフコメとかTwitterのアホなコメントや相手のことを何も考えない誹謗抽象より、言語化能力がある人間の書く文章の方がよっぽど破壊力があるのではないか。著者の文章にある種の毒のようなものを感じました。
投稿元:
レビューを見る
あるある集ならぬ、居る居る集。
どこかで誰かがコメントしていたが、時が進んだ後で、「当時の東京に住む若者はこのような社会の中で生きたのか」と後世から振り返るにはよさそう。
内容は面白いけれども、読んだ後に少し暗い気持ちになるとあう意味では、『闇金ウシジマ君』を読んだ後の感覚にも似ている
この本に出てくる主人公は、共通して愛が注がれていない、小エリートだ。
考えてみると、いい家に生まれたり、いい学歴に生まれたりすることよりも、愛のある家庭で育ったことの方が、何倍も価値があり、意外にも「希少」であると感じられてきた。
今、私の強みとしての人間性があるのも、父と母のどちらかではなくて、タッグで織りなした「愛情」がベースである。両親への感謝が増幅する内容であった。いつか、「愛情」に関する文章を、麻布競馬場を引き合いに出す形で文字に起こしたい。
短編集であるため、下記、短編ごとの一言感想。
(感想記載してないものもあり)
▪️3年4組のみんなへ
こんな典型的な人に会ったことはないのだけれど、沢山存在することの想像は容易に想像できる。
大衆が思ってたけれど、社会的に言語化されてなかった、一般的なエリートホワイトカラー日本人の典型例。
▪️30歳まで独身だったら結婚しよ
「3年4組のみんなへ」よりもよりハイコンテクスト&アッパー層にいる女と男の話。
▪️2802号室
この類の人間が誰に当たるのか分からないが、恐らく今後いたりあったりするのだろう。
▪️青山のアクアパッツァ
あまり知らなかったけど(これから知る?)
港区女子の実態。
▪️真面目な真也君の話
色んな人が頭に浮かんだ。
友人A、友人B、そして自分自身も。
▪️森から飛び出たウサギ
田舎の女の子が東京の恋愛価値観に触れる話。
→私もアイリッシュバーを使いたいなと思った笑
▪️僕の才能
悪くない。コピーの話。
この本に出てくる主人公のうち、世間における母数としては1番多い層だと思われる。
▪️ウユニ塩湖で人生変わった(笑)
社会で10年経たないうちに挫折する人が、こんなに多いことが不思議になった。意外と俺は良いところにいるのかもしれない、と強気になった。
▪️高円寺の若者たち
うん、居る。
▪️大阪へ/大阪から
地方側の意見
又吉の『人間』と近いかも
▪️Wakataをクローズします
いくつかの団体が私の中でも頭に浮かんだ、ベンチャー界隈の、ある部分における負の側面も伝わった。
▪️我輩はココちゃんである
良い。
マッチングアプリ(女性)の下位層の心情が写っていた。
▪️美しい家
近しい物を感じた。
▪️希望
不覚なも涙が込み上げてしまった。
必ずある話だ。
両親への感謝は、忘れずにしておこう、
と思った。
▪️この部屋から東京タワーは永遠に見えない
おそらく、社会において最も多い層なので、刺さることも多そう。その分、��はローコンテクストにはなるが。
▪️カッパを見たことがあるんです
微妙かな
▪️東京クソ街図鑑
知人Cさんとかが思い浮かんだ。
▪️すべてお話しします
は、さすがに気分が良くないな
投稿元:
レビューを見る
こんな視点から「都会」を書いている作品はこれまでなかったので面白かった。
ただ起業している僕としては、気持ちが暗くなる反面、諦めず大志を掲げ続けることが重要項目なんだなと認識させられた本でした。
投稿元:
レビューを見る
著者の経験談を綴ったと思いきや様々な人のでもほぼ同じような視点で書かれた短篇の集まりだった。
羨望、嫉妬、後悔で満たされているが読んで病むことはなかった。おそらくは巷に溢れた話ばかりで既視感があったからと思われる。2.9
投稿元:
レビューを見る
2022年12月3日読了。
山月記の臆病な自尊心と尊大な羞恥心的で朝井リョウ的俯瞰と客観でヒロシ的言い回し。
投稿元:
レビューを見る
ツイートをベースにして組まれているので、
話がテンポよく進み読みやすい。
文体が独特。よくこんな細かなことまで知ってる、と思う。
ちなみに暗い話が多く人間のネガティブさに耐え切れなくなる。
登場人物はおしなべて繊細だ。
投稿元:
レビューを見る
人生という車のトランク
流山おおたかの森というチクチク言葉
楽したい一心で他人にあれこれ期待してしまう
孤独の本質的価値は、誰からもなにも期待されないこと
東京の本質が孤独
何億ものお金を日々動かす男たちと飲んでる私が、なんで細々したオプションで稼ぐ携帯ショップの男と魚民でお通しカットしてるんだろう?
田舎の金持ちといえば医者か地主
退屈から退屈へとムーヴを転がすだけの日々
投稿元:
レビューを見る
短編集20編
東京に住むイケてる大人になりたくてなれなかった様々なケース。みんながみんな学歴や親の出自、年収、住所を気にして日々暮らしている。一人一人は違うけれどあまりにも人間のベースが似ていて最後は読むのが疲れてきた。
投稿元:
レビューを見る
本としてはいわゆる勝ち組/負け組混ぜ込んだ1話完結型のショートショート。サクッと読める。
最初の「3年4組のみんなへ」が1番印象に残った。みんな大なり小なり辛いことがある、なんてよく言われてることだけど、「人それぞれ地獄がある」というのが重くていいなと思った。別にこの本が初出典というわけでもないけど。
幸せって結局主観で、自分の心持ちが大事なのかもしれない。