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「哲学する」という大義名分のもと、筆者の好きな漫画・小説のワンシーンを、じゃんじゃん紹介していく。「分析する」という肩書で、好きなシーンを、無粋な解説をじゃんじゃん加えて、ほら面白いでしょ!、って。何してくれんねん!
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三木那由他『会話を哲学する』読了。
従来の意思の伝達を重視するコミュニケーション観を批判し、コミュニケーションにおける約束事(共同的コミットメント)に焦点を当てるコミュニケーション観を発展的に提示してるんだけど、そういう正面から切り込むとかなりヘビーそうな内容を最近の小説や漫画のいち場面を例証として、そして豊富に取り上げていることに加え、語り口の親しみやすさも相俟ってすっと入ってくる良書。
感覚的には誰しも経験則をもって理解・体得しているようなことでもあえて体系的かつ説得的に論じるのは難しいとは思うけどその語りにくさを感じさせないところに著者の筆力ないしセンスのよさが滲み出ている。
また、取り上げられる創作物の場面場面にも性的マイノリティが関連するものが多いのも本書の特徴であり特長と言えるだろう。
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シャノンの情報理論を超克しようとする、コミュニケーションの共同的コミットメント(joint commitment)理論を展開。
→会話の参加者は責任を負ってしまう(負わされてしまう)
コミュニケーションをマニピュレーションの一部と考える。
コミュニケーションが建前。マニピュレーションが本音。
不貞の相手にだけマニュピレーションをする犬笛
昼間話したにとって都合のいいイメージを聞き手が想起することを狙うマニピュレーション。これがうまくいくと実際以上の説得力を与えることができるなぜなら徴収側で勝手にイメージを思い浮かべてそれをもとに議論を理解してくれるわけだから。
コミュニケーションとマニュピレーションで別々の責任を問う必要がある
→認識的不正義において表彰と現実が別の問題として扱われるように
https://websekai.iwanami.co.jp/posts/2828
https://ytakahashi0505.hatenablog.com/entry/2020/11/29/030221
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ことばを使って会話することは、ごく日常的はことであるが、自分たちが思っている以上にことばの威力は大きい。人と繋がることもできれば、人を傷つけてしまう諸刃の剣。ことばには責任が伴うから、ちょっとした言い回しや表現にも敏感になれるようになりたい。
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タイトルの「哲学」というは当たり前だと思っていることを言語化・分析することで見える事がある、ということかもしれません。
会話におけるコミュニケーションとマニピュレーション、こうやって言葉にして解説する本書を読むと、普段何気なく話していた自分の発言にも意識が高くなる気がします。それで何を得られるかは、各自の「哲学的」な態度次第、ということでしょう!
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会話にはコミュニケーションとマニピュレーションといったふたつのレベル(=層のようなイメージ)があって、前者は話者の間でのルール決めのような約束事を取り交わすもの、後者は約束事の形成を避けつつ聞き手をコントロールするもの、というイメージ
なにか意見が食い違った時、「あの時○○と言ったよね!?」と、言質をもとに相手に意見することが多かったが、○○という発言にはこういう態度が認められる、といった、「確かに相手との間で取り交わされた約束事」以外の部分でも自分の被害を訴えることができるのだと最後の方の文章で気付かされた
自分の身を守るための手段がひとつ増えたように感じる
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帯が秀逸。
コミュニケーション:発言を通じて話し手と聞き手のあいだで約束事を構築していくような営み
マニピュレーション:発言を通じて話し手が聞き手の心理や行動を操ろうとする営み
会話の例としてフィクションをいくつか取り上げているが、シェイクスピアのような古典のみならず、漫画やゲーム、ごく最近の作品(「同志少女よ、敵を撃て」など)が取り上げており、大変楽しく読んだ。
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面白い。
分析している会話が、物語の台詞なので、言葉の背景を想像するのが容易で、論旨がわかりやすい。
これまでの人生で散々読んできた「空気」が言語化されていて、それが面白いんだけど、「言わせないでよ!」とか「言わなくてもわかるでしょ…」みたいなとこを分析されちゃうと、ちょっと無粋な気もする。
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面白かった!
会話を言葉で説明するの難しいんだな〜。
マニピュレーションってなんだっけ?ってなったら第1章に戻るを繰り返して読了。
とっつきやすいのは「第6章本心を潜ませる」かな。全体的に例がわかりやすくて良い。p40の「企みのある会話が愛おしい」に共感。
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コミュニケーションに課題があるため読んで、思ってたのとはちょっと違うけど面白かった。
好きとわかっていてもすぎて言う意味や結婚する意味が理解できてよかった。言った言わない、前提があってるあってない、そんなことで揉めないためってかんじ
会話は約束を結ぶためのものっていうのが面白い。会話を沢山した人とは約束を沢山結んでるのかって思うと、約束をいっぱい結んでる人と仲良くなるのはそりゃそうだなって腑に落ちた。
約束しなかったら、破らなくて済むけど、それそれで寂しいよね。人や時間など何かに拘束されているのも悪くないのかもしれない。
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★コミュニケーションとは、それによって話し手と聞き手のあいだで約束事をつくりあげていくもの★
コミュニケーションって、バケツリレー式のような単純な情報交換のことだとしているものがビジネス書には多い印象を受けるが、その概念を崩壊させてくれた。会話を通して、その相手との約束事ができる。その約束事の意味合いに食い違いが生じると、会話が成立しなくなるんだと感じた。コミュニケーション能力っていうけれども、それはテクニックや条件があるんじゃなく、経験の積み重ねだと思うんだよなー、コミュ力が高いとかは基準が存在しない
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興味深い会話の例が見られる複数のフィクション作品を取り上げ、「会話」という営みを哲学的に分析。
着想と本の構成は面白いと思ったが、会話のコミュニケーション機能を約束事の構築として考えるなどの著者の会話の捉え方はもう一つ腑に落ちなかった。
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コミュニケーションとマニピュレーション
会話とは話者と受け手の間の約束事の形成だけど、お互いに違った約束事をすることもあるし、約束をしないこともできる
筆者の一種マニピュレーションも感じる本だと思ったけど、、、。主張が思ったよりしっかりしてた。
想像力の欠如で相手を傷つけることはしないよう意識したい。
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会話は約束事の形成という理論が面白かった。フィクションを事例に分かりやすく解説されている。
私たちは想像力を使って言葉の意図を補ってコミュニケーションしている。約束事は理解したとしても確認もしたくなる。相手に伝わらなくても言いたくなる。間違っているとわかっていても行われるやり取りは非常に切ない。人の心理についても考えさせられた。
企みのあるマニピュレーションは便利で危険な技術だ。言葉の溢れる世界で生き抜く手掛かりになればという著者のあとがきが印象に残った。
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フィクションに出てくる会話の意図ってなんとなーく分かってはいたけど、改めて知れてとてもおもしろかった。
知っている作品が多かったのでまた読み返したい。
新書とか専門書って文章が固かったり専門用語が多かったりで最後まで読めたことが稀だったけど、この本は平易な言葉でわかりやすく読みやすかった。
三木那由他さんの他の著書も読んでみよう。