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パピルスが語る古代都市 ローマ支配下エジプトのギリシア人 みんなのレビュー
- ピーター・パーソンズ (著), 高橋 亮介 (訳)
- 税込価格:5,500円(50pt)
- 出版社:知泉書館
- 発売日:2022/08/03
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紙の本
ゴミ捨て場から見える古代の世界
2022/08/15 21:40
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投稿者:オタク。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
オクシリンコスは聖書や古代ギリシャの古典などについて読んでいるとゴミ捨て場から色々なパピルスの断片が見つかるという遺跡として出て来る地名だが、単著として出るのは初めてだろうか?
秦剛平「七十人訳ギリシア語聖書入門」には今でもオクシリンコスでゴム捨て場の発掘が行われていて、「大学院レベル」の古代ギリシャ語の読解力があれば人材が必要とされるというので、100年以上経っても色々な文書が見つかっているわけだ。ひょっとしたら、引用だけ残っていたり、あるいは題名だけ伝わっていたりする作品の断片が見つかるかもしれない。
この本で出て来るのはギリシャ語話者が書いて、ゴミ捨て場に捨てたパピルスに記された事々から見える生活だ。パピルスに記された断片を積み上げていくと、ヘレニズム期からビザンツ時代までの光景が現れて、ギリシャ・ローマの古典や聖書、ユダヤ教やキリスト教の背景を理解する風景になる。
「記憶の断罪」をソ連での似たような出来事と対比されている。ソ連の場合はトロツキーのようなボリシェヴィキの大物だけでなく、ごく平凡な「人民の敵」だとか「反革命分子」だとかというレッテルを貼られた数多の人民大衆がいる。
気になる点として、
354頁の「トマスによる福音書」の断片の翻訳は岩波の「ナグ・ハマディ文書」から「表現を借りた」とあるが、「聖書外典偽典」に該当断片の邦訳があるのは参考にしなかったのだろうか。
370頁の表にある「ギリシャ語のアルファベットと数字の暗号」の90と900が文字化けして「#」になっている。
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