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何か新しいことを始めたくなる、そんな一冊。
まずは「トンネルの森 1945」を読むことをお勧めします。そのほうが、「トラベリング」にて見たいもの、したいことがたくさん溢れ出るイコさんを応援しながら読み進めることができます。
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1週間前に お話を聞いたばかりだったので、現実と物語が 行き来しているような感覚だった。
戦争が終わって、どんな風に大人になっていったのか どんなことを考え 感じていたのか。
だから、あの年代の方たちは 強いのかと 分かった気がする。
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西田イコ、23歳。
ブラジル行きの船にたったひとりで乗っているところから物語ははじまる。
13歳、16歳、18歳、22歳。
戦後まもなくの焼け野原の東京でイコは女子中学生をしている。
戦争のあいだ、敵国語として禁止されていたイングリッシュが編入した中学校ではかなり進んでいてイコはどうしてこんなに発音がいいのと先生をずるいと思ってしまう。
どうしてずるいと思うのか。
この前まで戦争をしていたのに全部なかったことみたいにしてる。
灯火管制もなくなり電気がついて、食糧はまだ不足しているけど平和を生きている。
でも、もしも戻っちゃったら? 明日戦争が戻ってきたら? とずっと思っている。
作品を通してこのもしもは続いている。
新しい価値観にイコは毎日わくわくしていて本のなかから飛び出しそうだ。
新しい友だち、新しい学校生活、時々戦争の残した影があらわれる。
それから、女性ひとりでどこにでも行けるということ。
神田の古書街、新宿の紀伊國屋書店、小岩の映画館、イコはどこにでもひとりで行けるようになる。
まわりの友だちも個性的だ。
イコは友だちや出逢った人たちに影響をうけ、何を自分がやりたいのかきちんと考えるようになる。
早稲田大学へ進学し、英語を学んで世界を広げていく。
たくさんの物語の種みたいなものがちりばめられていてそれだけでも読んでわくわくする。
角野栄子さんが書かれたたくさんの物語に繋がっていくような気持ちになる。
角野栄子さんの自叙伝的物語だけれど、イコの進む道は過去だけじゃなくこれからの未来も考える力になる物語だと思う。
私も明日、戦争が来ないように世界を見ていかなくてはと心にきざんだ。
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1948年、終戦後の日本。中学2年になったイコの周囲には、やけどを負った同級生や傷痍軍人の物乞いなど、今だ戦争の傷跡が多く残されていた。母を早くに亡くしいつも心のどこかに不安を抱えるイコだったが、英語の授業で習った【~ing=現在進行形】にがぜん夢中になる。「現在進行形、今を進むという事!」急展開で変わっていく価値観に戸惑いながら、イコは必死に時代をつかもうとする。そして「いつかどこかへ行きたい。私ひとりで」そう強く願うようになる。でもまだ、日本からの海外渡航が許されない時代。手段も理由も見つからないまま大学を卒業したイコに、ある日大きなチャンスが巡ってくる……。「魔女の宅急便」の著者・世界的児童文学作家、角野栄子の『トンネルの森 1945』に続く自伝的物語。戦後の日本を舞台に、懸命に自分の路を探す少女の成長をエスプリとユーモア溢れるタッチで描く著者の原点ともいうべき作品。
一度は行ってみたい外国。憧れを抱くイコの明るさやおてんばぶりが、どことなくジブリのあの作品の雰囲気を思い出すのですが、戦後という状況でもイコの行動には微笑ましく感じました。
当時にとってみれば、外国は夢のまた夢と思えるような存在。だからこそ、憧れが大きく膨らんでいたと思います。
時が変わっても、チャレンジし続けるイコの前向きさに勇気を与えてくれました。
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「ラストラン」「トンネルの森1945」と続く、
イコちゃんの物語。
イコは、エイコ、つまり、角野さんご自身の投影だ。
今回のイコちゃんは、終戦後の1948年、疎開先から戻り、
私立の女学校へ通う13歳からスタート.
22歳の見合い話が出る、お年頃まで描かれる。
ずっと、角野さんはどうしてブラジルへ渡ったんだろう?との
疑問が解けた。
といっても、御著作を、きちんと読めば、
どこかにお書きになっていたのだろうけれどw
イコは、英語で現在進行形を習うと、
すっかり気に入り「これでいこう」と心に決める。
でも、実際は「これから、これから」と物事を先延ばしにし、
日々モヤモヤするばかり。
さすが、御年87歳の魔女さまは
10代の自分をしっかり覚えておいでだ。
そして、それを物語の中で、イキイキした少女におとしこまれている。
すごいなぁ~
全編に通底するのは、
戦争は絶対にイヤだということ
(声高に叫ばないところがいい)
みんなが熱くなって一つのことに向かうのは危険だという感覚
(昭和の戦争に、みなが突っ走ったことを忘れてはならないよ)
魔女様は、そういったことを、
優しい言葉できちんと伝えてくれる。
そして、こちらも、答えたいと思わせてくれる。
幼い人たちを対象に、
長く書き続けていらした大ベテランの魔女様は
鮮やか。
こんなにみずみずしい小説を描ききれる
87歳の角野さんは、やっぱり魔女様。
まだまだ下っ端の弟子にしか慣れない、娘世代のわたしも、
しっかり跡を追ってまいりましょう。
物語の力と、好奇心を大切に。
そんなことを思わせてくれる
幸せな読後感でした。
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角野栄子さんの10代から20代の成長過程における自叙伝的な物語。
戦後、外国に憧れたごく普通の女の子に起こった出来事と成長期独特の気持ちの葛藤や変化を表している。誰もが共感でき、素朴な温かみのある前向きになれる作品。
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親近感のある主人公に後押ししてもらえる、優しい作品。
終戦後の日本。敗戦したことでアメリカなどの新しい文化や主義が取り入れられていく。
英語やデザインに関心を持ちつつも、具体的に何をしたいのかは見つからないイコ。
学生時代は「まだ」やっていない、「これから」やる、、と言い訳をしていたが、少しずつ自分にできることを一生懸命取り組んだり、色々な考えを持つ友人たちから刺激を受けたりして、自分の道を見つけていく。
今では当たり前な英語(英語以外にも多くの言語があって当然)だが、それがほんの少し前まで敵国の言葉だった時代。戦時中は一つの方向を向けと言われていたのが、突然自由を与えられても、自分の進みたい道を進むことは難しいと思う。特に、父のセイゾウさんのように、女性にとっての幸せは手に職をつけて結婚すること、という考えも根深かった。
自分のやりたいことが明確な主人公が、親や社会からの反対に遭いながらも、自分の意思を貫いて成し遂げるような物語はよくある。
一方で、イコはやりたいことが見つからず、なんとなく英語に興味はあるのに言い訳をして翻訳もしなかったり、等身大で親近感がある。そんなイコの心情が丁寧に描かれているところが、この作品の魅力だと思う。
そんな親近感を与えつつも、私も頑張ろう、と思えたのは、いい感じになった前川さんとの関係性だった。
前川さんに、いつかイコを海外に連れていきたい、と言われたのに、しっかり考えて、海外に行くなら1人で行きたい、と思える、そしてそれを素直に行動に移せるところは、本当にかっこいいと思うし、見習いたい。
以前ニュースで見た「歌声喫茶」や「紀伊国屋書店」など、固有名詞が出てくることで、本当にイコがいたような不思議な感覚になる。
また、内容は全然異なるが、『魔女の宅急便』を読んだ時のような角野さんらしい優しさと温かさを感じる作品だった。
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角野栄子さんの作品が大好きで、魔法の文学館のオープンも心待ちにしています。作中のイコちゃんと同じくらいの年頃に、新宿や吉祥寺を駆け回って過ごしていたので、そんな共通点もなんだか嬉しいです。
コロナも落ち着いてきたこの頃、10代20代の方におすすめしたい作品です。戦後の厳しい時代の中で、迷いながらも自分の心に素直に行動していくイコちゃんに元気をもらえる作品です。
10〜20代のこの時期ならではのみずみずしさとフットワークの軽さについ笑顔になってしましました。その年代を過ぎてしまった私のような読者にとっては、あの頃のような好奇心と行動力が懐かしくなるのではないでしょうか。
年も重ね守るべき家族ができて、家族が人生の主役で私はわき役気分で過ごすこの頃ですが、些細なことであっても好奇心を惹かれる新しいことにトライしてみたい気持ちになりました。
また、題名ですが1948-なので、イコちゃんは今も旅行+現在進行形なのですよね。
私もいい年して精神的にはいつだって迷える旅人ですが、これからも新しい世界に踏み出すことのできる旅人でもありたく思います。
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戦後の時代でこんなに自由に生きられるイコが羨ましいと感じました。自分がその時代に生きていたら勉強も仕事も自由も諦めてなんとなく結婚して子育てして楽しくない人生だったのかと思います。
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イコちゃんの自由は良いですね。行ってみる、見てみる、やってみる。それが出来るエネルギーが羨ましい。
当時の新しい時代、新しい自由を感じます。
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真逆に変わった戦後の教育に戸惑う最初の部分から少しずつ成長するイコちゃんが微笑ましい。
抑圧されているからこそ、自分で掴み取る自由の素晴らしさを感じるし、
今だに封建的な社会の中で、自分らしさを貫こうとしてもがくイコさんと敗戦後の日本がダブって見える。
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過去を振り返ってまとめる小説
今回は思春期編って所かな
前回は戦争の重たさや死を感じるテーマでしたが
今回はひたすら明るくて前向き!
街の感じも戦争を乗り越えていく強さがあります
イコの心の動きが鮮明でオドロキです
著者はきっと女子学生気分で執筆?!
思い出す事は楽しい事ばかりじゃなかったでしょう
でも小説にしていただいて私達はとても嬉しいです
今の学生さんばかりではなく
この時代に生きた人達にも読んでほしいです
◇読み終えて
明るくて前向きなこの物語も戦争の影が少し
そして未来への希望がある
ー戦争だった頃はできなかった事
自分らしく自分を作り上げていくこと
自由な人になる事
それは難しい事かもしれないけど少しずつこつこつと
ー今はコロナ明けの新しい希望があるはず
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魔女の宅急便の作者というが、そういう前置きを傍において、とてもみずみずしく、道を求める子供の物語にとてもわくわくしたし、おもしろかった。
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角野栄子さんの自伝的小説。
体験した戦中戦後の時代を背景に、イコさんが大人になりブラジルに渡る船の中で始まり終わる物語。『魔女の宅急便』キキの素直で一途なところは、イコさんなのね。
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話題になったからか品薄が続いていたけれど、2/10に再販がかかったようで楽天ブックスでは普通に変えました◎
海外に行くお話かと思っていたけれど、イコさんの中学〜大学生までの日本でのお話。戦後日本を舞台にしたものと思えないくらい、いい意味で今風で読みやすいお話だった。
数学がだめだから大学受験は3科目で受けられる早稲田に....ってそんな平成の学生と同じことを戦後の高校生たちも考えていたのね。