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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
付添人ってこんな職業、あるんですね。しかも、その付添人って、かつて自分も、みたいな方々。少年犯罪が無くならない、むしろ、凶悪化している令和の時代、こういう方々こそ、もっと必要なんだろうと強く思いました
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弁護士というと完璧な人を想像してしまうけど、
オボロはあやうい。
過去に捉われて感情を爆発させたり
人に頼れなくて失敗したり。
でも子供の未来を最善のものにするために
誰よりも悩んでいる。
いろんな事件と向き合うなかで
オボロ自身も救われていくのがよかったです。
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「付添人」という仕事を初めて知った。触法少年に対する弁護人のことだと。
岩井さんはいつも「知らない世界」を見せてくれる。
弁護士の中でも多分労多くして益の少ない仕事だろう。それを主に請け負っているオボロ。
大人に、親に、裏切られ搾取され傷つけられてきた子どもたちの、その心を、重い口を開くために必要なもの。「信頼」というそのただひとつの武器を手にオボロは戦い続ける。
オボロがここぞというときにだす切り札。自分の生い立ちが、その苦しみが、今、目の前で立ちすくんでいる子どもたちへつながる糸となる。細く頼りない一本の糸だとしても、それは今まで見えなかった未来へとつながっているはず。
そんなに切り札見せ続けて大丈夫?とちょっと心配になったりもするけれど、逆に周知の事実となってしまった方がオボロにとってもいいのだろうか。
読者としては笹木さんとの今後がとても気になる。一人で生きてきたオボロの人生に寄り添い付き添って歩いてくれるバディに、きっと、きっと。
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付添人(家庭裁判所で審判を受ける少年の権利を擁護・代弁し、少年審判の手続きや処遇の決定が適正に行われるよう裁判所に協力する人)を専門とする弁護士・朧太一を主人公とした連作短篇集。5篇が収録されている。
朧はある事件のため2年間少年院に入っていた経歴の持ち主で、付添人を志したのもその背景に理由がある。かっこいいとはとても言えず、扱う案件も地味なものばかりだが、子供のために尽くす姿には胸を打たれた。
だが、前作『最後の鑑定人』と似たようなテイストで、ぼくが読みたいのはこれじゃない感が強かった。おもしろかったけど。
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偏見のない世の中になればいいな。
過去に何をしたか
そんなことより、今の自分を評価してくれる世の中になればいいな。
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自分が周りの大人とかを信じられない時にオボロみたいに付き添ってくれる人がいたらなって思った。
自分がまだ子どもだからこそ変わろうと自分で動き出す少年少女たちに心を動かされる。1度は諦めてしまった親子の関係もまた向き合おうと努力するお母さんたちも素晴らしいなと思った。なによりオボロが有能すぎた。笹木さんと幸せになってね。
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「あなたにとって、あなたは誰よりも大事な存在だ。あなたの心も身体も、あなただけのものだ。辛ければ休んでも逃げてもいい。もしも親や他人との関係で苦しんだとしても、自分を大事にしてほしい。生きてさえいればまた歩き出せる」
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付添人(少年犯罪において弁護人の役割を担う人)という存在を初めて知った。
過去をもった彼オボロ、苦悩の中に問題を抱えた少年に寄り添う姿、静かな感動だ。
まだまだこれからの活躍を期待したい!
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ラジオでこの本の紹介をしていて、すごく面白そうだったので手にしました。
その通り、とても良かったです。
少年少女であっても犯罪者であることには変わりなく、少年だからと言って温かく見守ってあげられるかと言うとそれは難しい。
その疎外感が彼らをさらに頑なにさせるのだろうけど、自分の中の犯罪者への排他性は変わらないだろう。
でもオボロのような人が必要だとは思う。自分にできるのはオボロのような人を応援することだけだと思う。
オボロと笹木のようにお互いの痛みが分かち合える相手との出会いが、できるだけ多くの人に有ることを祈ります。
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想像以上の良書。派手さもサプライズも全くないけれど完成度は高くじわりと感動を呼ぶ。「付添人」と言われる子どもの弁護を専門とする弁護士オボロ。オボロは非常に苦労人で脛に傷を持つ過去がある。その過去の経験から彼は問題を抱える子どもに寄り添うことにこだわり、真摯に弁護活動に取り組む。5話のケースで構成されており、全体を通してオボロの繊細さ・誠実さが滲み出ていて何度もグッときた。はじめは題名にも装丁にもさほど惹かれるものはなかったが、間違いなく読んで良かった。これからも追いたい作家さんだ。
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オボロ(朧)が少年事件に付添人として真摯に取り組める理由が読み進むうちに理解できる作りになっている。
物語は静かに進み、沁み入るような読後感がある。オボロと彼を支えることになる笹木の人物造形が本作品の肝であると思う。とても地味な作品。
少年事件における付添人の制度についてもう少し丁寧に説明すべきだと感じた(国選の仕組みや当番弁護士の仕組み等々、他の方の感想にもあるように『付添人』について知識のある人は私も含めてほとんどいないと思うので)。
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日経夕刊で紹介されていた本。
少年犯罪の付添人として働く弁護士の話。自らの生い立ちが武器にもなれば偏見の元にもなっている。
家族の絆や家族愛は当たり前のことのように考えられるが、必ずしもそうではないと気づかされる。だから冷たいとか薄情だということではなく、その前にまず「自分を大事にする」ことの大切さが説かれていると感じた。
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少年犯罪における弁護人(=付添人)をテーマとして、犯罪少年・虞犯少年達と向き合う弁護士オボロの奮闘を描いたお話。少年たちの権利を守り、彼らの「未来」を見ながら、自らの過去とも向き合う。
家庭裁判所調査官をテーマとした書籍はいくつか見たことがあるものの「付添人」を取り上げたものは私は初めてでした。
オボロさんとのやりとりを通して、相手を信頼し固く閉ざした心を開いていく少年たちの変化には、心動かされるものがありました。
以前書籍で読んだ『心の扉の取っ手は内側にしかついていない』という言葉を思い出しました。
繊細で複雑な少年たちの心情がとても丁寧に表現されているので、そこに至る背景や動機の部分がもう少し詳しく描かれていたら尚リアルで読み応えがあっただろうなと感じました。
犯罪少年・虞犯少年たちが、スティグマに打ち勝つ強い絆を見つけ、信頼できる大人のもとで愛され、認められながら暮らしていける当たり前の幸せに満たされますように。
『自分を大切にしてほしい。生きてさえいればまた歩き出せる』なかなか含蓄のある言葉です。
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付添人とは少年犯罪の弁護人の呼称である。
不覚にも知らなかった。
付添人が主演のドラマなどないせいだ。
それほどに世に膾炙していない主人公の奮闘は、その生い立ちと並行しながら進行する。
少年たちがいかに置き去りにされているかを知る最適の作品である。
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経験者が付き添うって
本人はしんどいこともあるだろうけど
少年たちにはありがたいことなんだろうな~
少年たちの気持ちのわかる
大人がもっと増えるといいな。
こういう仕事があるということ
もっと知られてもいいと思う。大事な仕事。