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一見、関係なさそうで関係あるのが地質学。「ブラタモリ」でしか見る機会がないと思ったら、身近にあった。
著者が例に上げているガードレールは、鉄のかたまり。
ガードレールは、鉄鉱石から酸素を除去した後、さらに炭素と不純物を取り除いて、ガードレールの原料になる鋼ができる。
鉄が地球上に存在するおかげでできる。
言われてみれば不思議なのは、鉄の枯渇問題を今まで聞いたことがない。
鉄分不足の人はたくさんいるだろうが。
その理由は、埋蔵量の多さにあった。世界には、「縞状鉄鉱層(しまじょうてっこうそう)」と呼ばれる、分厚い赤鉄鉱の地層があり、それによって鉄を大量生産できる。
しかし、物質・材料研究機構(NIMS)の試算によると、世界の鉄の消費量が年間19億トン以上のままだと、2050年までに埋蔵量をほぼ消費してしまうと予想している。
石油と比べて目立たないので、注目されることがないが、こんな試算は初めて聞いたのでビックリ。
レアメタル(希少金属)は、ハイテク産業に取って必要不可欠だ。
しかし、生産国に偏りがあり、2021年の世界の生産量を元素ごとにみると、タングステンは中国が60%で、コバルトはコンゴ民主共和国が71%、レアアース(17元素合わせて)は中国が60%を占めている。
環境にやさしいと言われる電気自動車(EV)を生産するにはレアメタルは欠かせないが、調達するのに安全保障面で不安がある。
あの「グレタ」子は、どう思っているのかな。
大理石は、学術分野で使われる名前ではなく、石材業界で使われる「石材名」だった。
まさかの業界用語だったとは知らなかった。
ちなみに「岩石名」は、でき方や成分によって分類した学術分野で使われる名前。
日頃、お世話になっていながら知らないことがあるなあ。
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読みやすくわかりやすい。文体がやさしいので興味があれば中高生でも読めそう。参考文献がたくさん書かれていて使いやすい。図や写真も豊富。
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普段何気なく使っているものが、意外と何でできているのか分からず、「へぇー、そうなんだ」と純粋にわくわくしながら読んでた。どれもこれも大体岩からできている(岩を採掘し加工している)ことが、意外だった。
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地質学というものに、興味があったかと聞かれればそうでもない、と言えます
でも身のまわり、と言われるとなんとなく興味が沸いてきました
知っていたこともあれば当然知らなかったこともある
アスファルトが石油の残り物とは知らなかった!
小難しい言葉も、分かりやすく、丁寧な口調で書かれているので読みやすいです
著者さんの言う通り
理科とか科学と聞いただけで無理と思う人でも読める本ですし、読んでもらいたいです
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本を読んだり会話をしていると、自分自身の曖昧な理解に気付く事がある。その専門領域に詳しければ、もっと話が色鮮やかに広がるのかも知れない。地質学はその一つ。と言っても本著は地質学を切り口にしているだけで、偏った内容ではないし、例えば高校で地学を勉強していないような人にも分かりやすく読める本だ。
鉄鉱石の場合、鉄の含有量は重量比で60%前後。その次に多く含まれているのが酸素で30%前後、残りがリン、硫黄、ケイ素、アルミニウムなど。鉄鉱石は概ね鉄と酸素の塊と言う事。鉄を作り出すには酸素を取り除かなくてはならない。
アルミニウムは、ボーキサイトから作られるが、主に酸化アルミニウムが重量比で約50%、酸化鉄が約20%。残りの30%が不純物として混じっている石英や長石、粘土鉱物など。まず酸化鉄やその他の不純物を取り除き、酸化アルミニウムだけにする必要がある。電気分解が必要で電力消費が多い。アルミニウムは再利用した方がお得だと。
なぜ鉄鋼業が二酸化炭素量が多いか、なぜアルミニウムが高価なのか、緩やかに理解が進む。他にも、レアメタルの話。タングステンは中国が84%、コバルトはコンゴ民主共和国が71%、レアアースは中国が60%資源としてで合わせが存在している国は中国だけでは無いのだが、実は採掘にかかるコストが安いため生産国が偏っている。レアアースの鉱石には放射性元素であるトリウムやウランが含まれるため鉱山開発によって深刻な環境汚染が引き起こされる。中国では規制が緩く、人件費の安さも採掘コストを抑えている。
環境汚染を引き起こすことなくレアアースを採掘する新たな方法が日本で始まっている。海底の泥の利用である。陸上の高山とは違い、トリウムやウランが含まれていない。
非常に勉強になった。
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身近すぎる地質学!
https://www.beret.co.jp/book/47070 ,
https://watanabekats.com/