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10代の頃のヒリヒリした感情を思い起こさせてくれた。聞こえのいい「正しさ」に包括されてしまう社会の在りように一石を投じた本。思春期の心の内面についても様々な切り口から論じられている。本書の中での恋の定義は過激だとも思うが、それに反応してしまうこと自体が面白いなとメタ的な視点で読んだ。個人的に収穫となったのは、差別について論じられた箇所。自分自身がいかに差別に対して鈍感であるかがわかった。自分が普段の生活の中でほとんどをマジョリティーとして生きていられる環境にいるからだろう。この自分の立ち位置を意識していないと痛い大人になりそう。著者自身の考え方はかなりとがっていると思うが、この本に触れて平板な日常が少し手触りのあるものとして立ち現れてくる感触を味わえたと思う。じわじわ効いてきそう。
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「先生や親、周りにいる大人たちの言葉に違和感を持ち、悩むことの多い十代。みんなとは違う自分独特の生き方を見つけて、大人たちの「普通」を打ち破ろう。
学校や親が重くてしんどい人へ。先生・友達・家族、そして、勉強・恋愛・お金…。いま悩める十代に必要なのは、君自身が紡ぐ哲学だ。」
目次
第1章 学校に支配されないためのメソッド
・同調圧力に負けるとき
・社会に適応することで失うもの ほか
第2章 自分独特の世界を生きる
・あなたはもう恋をしている
・君もワンチャン狙ってるの? ほか
第3章 親からの逃走線を確保する
・あなたの人生を阻害する親という存在について
・親はいかにして親になったのか
第4章 お金で回る世界
・お金という「可能性」がほしい
・生きのびるための資本論
第5章 勉強という名のレジスタンス
・宿題っていったい何なん?!
・「成績が伸びない」は本当か? ほか
著者等紹介
鳥羽和久[トバカズヒサ]
1976年福岡生まれ。文学修士。専門は日本文学、精神分析。株式会社寺子屋ネット福岡代表取締役、唐人町寺子屋塾長、及び単位制高校「航空高校唐人町」校長として、小中高生150名余の学習指導に携わる。朝日新聞EduA「お悩み相談室」相談員
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人により刺さる章が異なると思う。
私は親の章が刺さった。自分の不安を子どもに転化していることに気づかない親、真綿で絞められるかのように徐々に狭められていく子ども。
自分の気持ちは自分でわからないと言いますが、こういう本を読んで現状をチェックしていかないとすぐに楽な方に流れていきますね。本文は、誤解を与えないよう丁寧に書かれているのが伝わってきて非常に好意を持ちました。
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全体的に期待していた内容と少しかけ離れていた。とある雑誌で紹介されていて手に取ってみた。10代向けに書かれてはいるが、大人になってもかなり読み応えのある内容だった。イマドキの若者が使うワンチャンや、ガチャ、推しなどの言葉を上手く使っていて読み手を上手く引きつけつつ、著者の自論を展開していた。親が子どもに対してどういう想いを抱いているかと言う章については、グサグサと突き刺さる内容だった。親の気持ちも子の気持ちも分かる。だが、ここまで親を酷い存在に仕立て上げなくても良いのではと、読み進めながら気持ちがどんどん暗くなっていった。
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親になり、自分が子供にしていることに常に疑問がある。本書からの気付きとして、子供のためのフリをして、己の欲求に子供をはめ込まないようにしたい。
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学生へのアドバイスが出てくると予想していたが、大人が子供に接する際の重要点を様々な事例をベースに解き明かしている本だ.第3章「親からの逃走線を確保する」では、親の言動を冷静に受け止めて、自分の生き方を模索すべきだと、投げかけている.子供にはなかなかできないと思うが、そのような感受性を持つごとは重要だと感じた.周りに惑わされないで自分の言葉を自分自身で紡いでいくことを推奨しているが、この本を読んで子供たちが実践できるかな?
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語り口も相まって、劇薬的な本だと思った。この本を通してなるほどとは思わず、今までの自分の考え方などと比べてみて、自分なりの考えや価値観を再構築していくのが、この本の正しい使い方なのではないかと思う。
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語彙が豊富で知らなかった単語がたくさんでてきて面白かった。子どもと携わる立場にある方におすすめの一冊。
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学校に通っていると、皆んなと同じじゃないといけないと思ってしまう場面があるのではないか。しかし、皆さんの人生は皆さんのものなので、本当であればもっと自分らしく生きていいはずなのだ。じゃあどうすれば同調圧力に負けず、自分らしく生きていけばいいのか。高校生活に悩んでる皆さんにぜひ読んでみてほしい。
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私は社会人だが著者の社会の捉え方が参考になった。いかに自分が自分のことを考える癖がないこと、周囲の影響を受けていることが分かり、もっと自分の感覚を知りたいとも思った。