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破天荒なイメージがある立川談志ですが、それは談志がメディア向けに作り上げたものでした。
実際は優しさと厳しさを持った人間でした。
談志のもとで10年間前座時代を過ごした著者が語る、浮き世を強かに生きる発想法です。
外が雨だからといって、自分の心まで雨降りにする必要はありません。「外の状況と自分の状況は関係ない」ということです。
世の中のほとんどのことは相手あってのことなので、自分が想定したとおりの結果になるなんてことはまずあり得ません。
私は、教育の現場などでも幼いうちに「世の中は思い通りにならないもの」ということをまず教えるべきだと思っています。
「君一人がこの世の中を仕切っているわけじゃない」
「周りは君のことをそれほど考えてくれているわけでもない」
この真理を早いうちに理解していると、必要以上に悩むこともないし落ち込むことも少なくなると思います。
こういう考え方を身に付けておくのもサバイバルの一つだと思います。 ー 73ページ
若いころは本人のキャラクターを構築するために知識を蓄え理論武装して芸の幅を広げていきました。さまざまなものをどんどん積み上げて地位を築いたわけですが、晩年はどんどんカットして削っていく感じがありました。
とはいえ、何かをもっていなければカットすることはできません。ですから、知識、情報、技などたっぷり身に付ける期間も必要です。そこから削ぎ落しの作業に 入って、余人をもって代えがたい自分をつくっていく。これこそ組織で生き残る最強のサバイバル発想です。 ー 167ページ