投稿元:
レビューを見る
2023年3月1日図書館から借り出し。
2023年3月13日、とにかく読了。
図書館の新刊案内に出ていたので、版元が作品社ということで借り出してはみたが…
途中からは「ファウスト」の話の流れを思い出すために読んでいたような格好になった。
第1部あたりでは、中途半端に若者言葉が混じっているが、この手の言葉が賞味期限切れになると苦笑交じりになる。
また、文語調にしているところも、妙に浄瑠璃に慣れていると文語になりきっていないところが目についてしまう。
訳者はこの翻訳で上演してもらうことを注やらあとがきやらで盛んに書きつのっているが、文字だけみているとメフィストフェレスが二丁目のおねえさんみたいになってるし、語調も脚本としてはしんどそう。
この翻訳のウリは詳細な注みたいだけれども、中には「へぇ~」と思うものもあるものの、「ん?」と思うものや、脱線気味の蘊蓄披瀝のがあったりして、これまた途中からはスルー気味になってしまう。
この訳者のものは初めて読むが、自己顕示欲の強い方?
思い起こせば「ファウスト」は十代の頃、家に転がってた河出版世界文学全集の高橋健二訳が最初、そのあと手塚富雄訳を読み、数年前に青空文庫で森林太郎訳を読んで以来かも。(柴田翔訳や池内紀訳は気にはなってたが)
まあ「ファウスト」を初めて読む方にはお薦めしづらいかな。
強いてメリットを挙げれば、レイアウトがきれいで活字が大きくて、高齢者には目に優しいところ。