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青山さんの過去の作品とは、ちょっと違った一味を感じます。
自分の印象では青山さんの過去作は自分を応援してくれる同伴者のようでしたが、本作はもっとゴールの方向から手を広げて受けれてくれる感じがしました。
自分にとって「失われたもの」に対して「向き合うこと」「受け入れていくこと」で最終的に自分の「大事な気持ち」に辿り着いていく物語ですね。
5つの物語、どれも大変に印象深い心に刺さるものがありましたが、自分的は第3話のバイク屋の店主が身につまされます。
また、最終話の救急看護窓口では「本当に良かったね」とほっとした気持ちで涙が出てしまいました。 (自分も同様な経験をしたことがあります)
「月の立つ林で」と最初、意味が分からないタイトルでしたが、物語が進むにつれ、だんだん鮮明になっていく、まるで新月が三日月、満月へと移り変わっていく様子が理解できて、感動が深まりました。
とても印象深い、好作品だと思います。
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青山さんの作品の中で1番面白かった。
青山さんお得意のリレー短編集。
色んなステージの人物がやっぱり登場するけど
同年代女性の章に特に共感します。
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やっと順番が回ってきたので一気読み。
青山美智子さんの本を読むと、心の底から幸せな気持ちになれる。
読んでよかった、幸せな時間だった。
どのお話もそう思える。
あたたかくて、繋がっていて
心地よい涙が流れた。
あるはずないんだけど
ついついSpotifyで探してしまった
『ツキない話』
あるはずないよなぁ。笑
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読み終わり感動しました。各お話の主人公たちがその後のお話でリンクするところがとても楽しくて楽しく!月のかかわりもおもしろくタケトリ・オキナがいい味出してますね。
ラストの意外な真実に感動しっぱなしでした。
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静かで落ち着いた雰囲気が漂う作品。
心に響く言葉があちこちに沢山散りばめられていて、希望を感じる素敵な1冊でした。
「月」にまつわる配信を毎朝10分間しているタケトリ・オキナと、それを聞いている人たち。
性別も年齢も環境も様々な登場人物が「月」で
少しずつ繋がっていくのがいい。
「月」についての蘊蓄もおもしろかった。
月になぞらえて語られるタケトリ・オキナの言葉が、自然にスッと心に入ってきました。
本作では意外な展開に驚かされたのも良かった!
青山さんの連作短編集は心に響く言葉に出会えるし、温かい読後感も良くて安心感がある。
『悩んでるときって、自分を見失ったりするじゃない。私がいるよっていうのは、あなたがいるよって伝えるのと同じことだと思うの。彼女を想ってる私の存在が、彼女の存在の証になるんじゃないかなって』
『好きとか嫌いとか、そういうことじゃないんじゃないかな。ただ誰かの力になりたいって、ひとりひとりのそういう気持ちが世の中を動かしているんだと思う。』
『体を寄せ合うと安心すること。問題が解決するわけじゃなくても、奇跡が起こるわけじゃなくても、ただ自分はここにいていいんだと温かく満たされること』
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素敵!すばらしい!!
青山美智子は、
「最後に“ドーン”がない笑うセールスマン」である
ココロのスキマを埋めるのが
本当に上手い!
短編は、どれもゆっくりした立ち上がりで
気づいたら没入してしまっている
「slow starter(スロースターター)」
という言葉を思い出した。
全部、良かったけど
個人的には1番最初の短編が響いた
短編がつながるこの形も
すっかり自分のものにして
気になってたあの人のその後が間接的に
見られるのが、また、気持ちいい!!
2位が続いているけど、
来年こそ、本屋大賞取るんじゃない!?
書店員でない僕でさえ、
今、すごく皆に読んでほしい、
ススメたいと思っているから!!!
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それぞれの短編が実は繋がっていて、世界の輪郭がだんだんくっきり見えてくる感覚。張られた伏線が徐々に回収されてスッキリとした読了感。
今回も青山美智子さんのテクニックが満月のように光っていました。
今回のテーマは「月」。
単純に天体に関するタメになる話も多くて楽しく読めました。
毎話毎話読むたびに涙が止まらなくて、早く読みたいのになかなか読み進められなかったです...。
仕事、人生、家族、学校、友達、思春期と人が人生でぶつかる壁がシンプルに書き起こされ、解消されていく。この本を読んでいる自分が今まで生きてきてぶつかった壁と、これから立ち塞がる困難も何があっても大丈夫なのかも、とゆったりとした気持ちになれました。
地球と太陽と月の距離感、周期。
私たちのいる環境は、自分たちではどうしようもないエネルギーで動いていて、どうにかしなきゃ!と躍起になるより、そこに身を預けて運ばれていってもらってもいいのかも。
最後のタケトリオキナのラジオは少し説明的すぎるような気もする。もっともっと単純な言葉でかぐや姫には伝わってくれたら神秘的な雰囲気があったのかもと。
今までの作品も同じようなパターンだったので、誰と誰が実は同一人物で、この出来事がこう繋がってて、というのが予測がつきやすくはなってきているのかなぁと思います。
なので次はぜひ1人の人物だけにスポットを当てた長編を読んでみたい!と勝手に思っております。
作品がいつも素晴らしいが故にもっとくれー!!とねだるような感情を抱いてしまいます...。
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青山美智子さんの描く人と人、物と物、そして人と物が繋がっていく物語が好きだ。繋がり方は無限。毎回、どんなふうに繋がるのかが楽しみだ。
今回のベースはタケトリ・オキナさんで、それにプラスして人と人を繋ぐものも登場する。
ポッドキャストから流れるタケトリ・オキナの「ツキない話」に、自分の知らない気持ちに気づき、もう忘れてしまったいた気持ちを思い出す主人公たち。
タケトリ・オキナさんの月にまつわる話も誰かに話せそうなネタばかりで興味深い。
読み進めるうちに、登場人物たちと同じように、自分にもいろいろな考えや気持ちが浮かんでは消え、消えては浮かんでくる。
それぞれの人生に重ねて一番共感できる人あるいは物に想いを寄せながら、本とのひと時を楽める。
私が一番気になったのは二章「レゴリス」。
どうにも上手くいかない人生。頑張っているのに。あれがダメだったのか?と過去を後悔し、こんな自分じゃダメなのか?と自分を卑下し…それでも諦めきれない「どこかにいる本当の自分」を探し続ける。誰よりも知っているはずの自分、その輝きに、まだ気づいていない主人公の奮闘記。
私も同じだ。人生には嫌なことがいっぱい、失敗ばかり、後悔ばかり。後半戦が始まった今でも、「どこかにいる本当の自分」に向かって日々頑張っている。本当に向かっているのかは不明だが笑。そんな頑張っている自分が好きだ。楽しい。だから私も「レゴリス」になって、この主人公を輝かせたり、守ったり、いろいろしてあげたくなった。
本作では、この人とこの人が繋がってほしい、出会ってほしいなぁと思った人達の話がなかったり、綺麗に手を握れなかったりしたのが少し残念に思う。
もちろんこれは私の勝手な思い入れ。全員を繋げていたら話が多くなるし、そして、きっと出来すぎた絵空事になってしまう。
私の気がかりなあの人はどうなったかな、きっとこんな風に歩いていってるだろう…と想いを馳せる余韻もまた読者へのプレゼントだろう、と思い直す。
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新月って、見えないんだ。
そう言われればそんな気もするけれど、そもそも普段「今日は新月だ」なんて気にすることもないし、ここのところ夜空を見上げる余裕もなくて月が出ていたかどうかさえ思い出せない自分に気づいて寂しくなった。
そんなこんなで、今回のキーアイテムは月とポッドキャスト。
各章の主人公たちを救うタケトリ・オキナ。彼はポッドキャストで月に関する話をしているだけなのだけれど、それを聞いた主人公たちは、彼の言葉から自分の人生を変えるきっかけを掴み取る。
地面の下で実は繋がっている竹林のように、私たちにも目に見えない繋がりがある。知らないうちに誰かを救っているし、誰かに救われて生きている。自分一人きりで生きてきたわけではないのだと、改めて思う。
そして、目に見えない繋がりというと名前も知らないどこかの誰かを想像してしまうけど、五章の夫婦のように近いからこそ見失ってしまう繋がりもある。
自分自身、優しすぎる夫にあぐらをかいていないだろうかと不安になったので、もっときちんと向き合おうと心に決めました…。
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装丁が素敵で、見た瞬間ページをめくりたくなった
ポッドキャスト『ツキない話』を軸にして、繋がっている連作短編
まさに現代のカルチャーといえるポッドキャストというところがリアリティがあり、読みやすい文章で一気に読んだ
どの章も現状に悩みを抱えている親近感がわく主人公たちが、そこから一歩を踏み出す物語となっている
新月は見えないけれど、そこに確かに存在する。
見えていないけれど、自分を支えてくれる人や、応援してくれている人が必ずいるのだ。
前向きな気持ちになれるとても良い読後感、
明日から月を見上げるのが日課になりそうだ。
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とても素敵なお話でした。
繋がっていないようで全てのお話が繋がっていて、
みんな毎日懸命に生きている。
頑張っている自分を誰かがどこかで、見守ってくれているってなんだか心がぽかぽか温かくなって
今日も一日頑張ろう。って思えた本です。
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実際に会ってはいないけれど、どこかで繋がっていて、その繋がりが日常に温かな変化をもたらしてくれる…
誰かがした少しの思いやりで心が救われる人がいると思い、読み終わった後、とても温かい気持ちになりました。
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躓いてばかりの日常の中、それぞれが耳にしたのはタケトリ・オキナという男性のポッドキャストだった…
短編集。お話はどこか繋がっていて見つけると嬉しくなります。私は三章の【お天道様】が好きです。娘思いのお父さんのお話でとてもほっこりしました。
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一章 誰かの朔
二章 レゴリス
三章 お天道様
四章 ウミガメ
五章 針金の光
短編集だけど一~五章全ての話が繋がってます。
青山美智子さんの小説は今まで色んな作品を読んでたので今回も期待大でした!
さらに私の好きな月が関係していて、ワクワクしながら読めました。
「ポッドキャスト」で、タケトリ・オキナという人が毎朝午前七時に10分間 『ツキない話』という番組を配信している。
この『ツキない話』を巡って構成されるお話。
「竹林からお送りしております、タケトリ・オキナです。かぐや姫は元気かな」という決まり文句から始まり、月に関する豆知識などを話してて私も読みながら、へぇ〜と思うことも多く面白かったです。
例えば、毎月の始まりを、ついたちと言うことについて、
「旧暦では、新月が一ヶ月の始まりとされていました。月が始まる、月が立つ……つきたち、そこから、ついたちとなったそうです。」新月を『月が立つ』という表現はすごく素敵です。
「新月の日は作物を植えるのに適しているとか、物事の始まりのタイミングだと言われています。新月に合わせて何かをスタートするとうまくいくって考え方は、昔からあるみたいです。」
新月に関する話が多くて、満月や三日月ばかり好んでいたけど、新月の日も、月は出てないけど空を見てみたくなりました。
ポッドキャストが気になって、私も聞いてみようかなという気持ちになりました。
タケトリ・オキナの正体には少し驚きました。
物語は、どの話もその人のことを自分の中で勝手に決めつけずに接して考えてみると、その人なりの温かさがあって、読んでいて私の心も温かくなりました。最後はちょっとウルッとなるような優しいお話で、夜に読むとさらに良いと思います。
ぜひ読んでほしいとオススメしたいです!
あらすじ
・長年勤めた病院を辞めた元看護師、売れないながらも夢を諦めない芸人、娘や妻との関係の変化に寂しさを抱える二輪自動車整備士、親から離れて早く自立したいと願う女子高生、仕事が順調になるにつれ家族とのバランスに悩むアクセサリー作家。
つまずいてばかりの日常の中、それぞれが耳にしたのはタケトリ・オキナという男性のポッドキャスト『ツキない話』だった。
月に関する語りに心を寄せながら、彼ら自身も彼らの思いも満ち欠けを繰り返し、新しくてかけがえのない毎日を紡いでいく―。
最後に仕掛けられた驚きの事実と読後に気づく見えない繋がりが胸を打つ心震える傑作小説。
似ているようでまったく違う、
新しい一日を懸命に生きるあなたへ。
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今回は『月』、特に『新月』に思いを寄せるお話し。
5章から成っていてそれぞれに主人公がいる。そして、それぞれが大きな悩みを抱えつつもそれを乗り越えて顔を上げて生きていく。その生き方が少しずつ他の人と関わりあって、日々がまわっていく。
優しくて素敵なお話しでした。