紙の本
ダークアワーズ(上)
2022/12/31 15:36
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投稿者:J.J. - この投稿者のレビュー一覧を見る
ミッドナイトメンという二人組のレイプ犯を追って、大晦日の警戒にあたっていたバラードは、年越しに起きた殺人に遭遇し使用されたその銃がボッシュが担当した未解決事件に繋がった。
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ブラック・ライヴズ・マター運動がロス市警にも逆風となった2020年。
深夜勤務刑事のバラードは二人組のレイプ犯(ミッドナイト・メン)を追って大晦日の警戒態勢に入っていた。年越しの瞬間に銃による殺人事件が発生し、薬莢から10年前の未解決事件で同じ銃が使われていることが判明する。その担当は現役時代のボッシュだった。
ハリー・ボッシュとレネイ・バラード共演第3弾。
バラードの台詞の語尾が、ところどころ気になる。あとは安定のリーダビリティ。下巻に続く。
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ジャック・マカボイ、ミッキー・ハラーと続いていたコナリー・ワールドだが、久々にハリーボッシュ&レネイ・バラードの登場でぼくは新年を美味い酒とともに迎えさせて頂いた。美味い酒というのは銘柄とか酒の種類のことではなく、良い物語が美味しくさせてくれる酒のこと。
今回はタイトルの通り、夜の事件なので主人公役はほぼレネイ・バラードと見て良い作品であった。そもそもハワイからやって来たバラードは、その後の展開で愛犬を失い、ビーチのテント生活から現在は普通のマンションに居を移している。いろいろ初期設定から変化を遂げている。
彼女の持ち前の捜査勘の良さはさらに鋭さを増しており、ボッシュという大先輩に限りなく近づきつつあるように見える。まわりの捜査スタッフから孤立して正義に生きる一匹狼感には、さらに磨きがかかっており、逆に警察組織自体は、ボッシュの時代よりもさらに乱れて悪化しているかに見える。
時代は変わる。そう、ボッシュからバラードへ。さらに本書の背景となる時代もリアルに描かれている。時代はコロナ禍の初年度だから、マスク着用は必須。バラードは既にコロナ感染を数か月前に終えていた。ボッシュは未だワクチンを打っていない(彼らしい、かも)。そしてトランプ対バイデンの大統領選挙後の議事堂襲撃事件という本当に逢った異常事態も時代背景となり、きな臭い現在の雰囲気が物語の世界を領している。
ちなみにぼくはこの作品を大晦日の夜半から読み始めたのだが、思いがけぬことに、物語はまさに大晦日の夜半から始まり、年明けとともに銃撃事件が発生するのだ。まさにバラードの時間とぼくの読書の時間がシンクロしており驚きだった。かなり遅くまで本を読み込み、翌朝、ぼくはバラードと一緒の時間帯に午前と午後を過ごす。彼女の街ではさらにもうひとつの連続侵入レイプ事件が発生していて、こちらの捜査と殺人事件との二つの事件を抱えたバラードを読者は追跡してゆくことになる。
殺人事件の方では使用された銃弾が、かつてボッシュが携わった古い事件に使われたものと一致することで、バラードはボッシュの協力を必要とする。ヒーローとヒロインのダブル主人公の交錯を作者はこうして果たす。警察内で孤立するバラードは、夜と昼とのシフトを丸抱えしながら、精神的にも肉体的にも限界に近い状況でボッシュと言うもう一人の孤立した仲間とタッグを組んでゆく。罪多き街も、警察という組織内部の劣化も、彼らを包む不幸な舞台装置である。汚れた街をゆく誇り高きヒーロー。ハードボイルドの基本構図。
本作は終わってみれば、ボッシュの出番がとても少なかったという印象がある。二人のシリーズというよりは、ボッシュはまるでバラードのシリーズの一登場人物のようである。さらに、訳者の古沢さんがあとがきで気になることを書いている。「次作の衝撃的な内容に茫然とした」と。どうかボッシュにこれ以上何かの試練が与えられませんように。われらがハリー・ボッシュをどうかお守りください。もちろんレネイ・バラードのことも。
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ボッシュ&バラードの第四弾。
長年続いてきたシリーズだが、
COVID-19やマスクが登場する時が来るとは思わなかった。
マスクをする、しないにナーバスになっているのは、
アメリカの現実を反映しているのだろう。
なんだろう、例えば防護服を着て街中を歩けと言われているぐらい、
アメリカ人にとってマスクは違和感があったり、
抵抗感があることなんだろうか。
年越しパーティで空に向かって発砲するお祝いの最中に、
元ギャングの銃弾で死ぬ。
バラードがやる気のない臨時の相棒と現場にむかうが、
事故ではなく殺人とわかり、
薬莢はボッシュが昔担当した事件に導く。
バラードはこの殺人事件を担当するよう上司と掛け合う一方、
本来の担当である二人組によるレイプ事件も調べる。
どうやって彼らは標的を決めているのか、
家に侵入しているのか。
(下巻へ)
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マイケルコナリーの作品はどれも非常に面白いが、本作は一番かもしれない。他のミステリーや警察物と段違いのレベル。もはや「マイケルコナリー」というジャンルではないか。本作の前にハリーボッシュシリーズとレネイバラートを読んでから本作を読むべし。登場人物が作品ごとに成長し、関係が深まっているので、コナリー物はできるだけ最初から読むべし。
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レネイ・バラードとハリー・ボッシュの登場作品。
相変わらずバラードは、深夜勤務を努めているわけですが、彼女が優秀であることと、black lives matter問題に端を発したロス市警のえん戦気分の影響で、本来任務以外の任務にも従事する様になっています。
そして、バラードの能力で事件は少しづつ動いていくわけですが、バラードが単独行動を好むが故に、周囲との軋轢を大きくして行ったりします。
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ハリー・ボッシュとレネイ・バラードのシリーズ。
そうかもう第三弾なんだ。
レネイ・バラードの精力的な活動、さすがに老いたハリー・ボッシュ。でも犯罪者を追う意欲は満々。
停滞感、閉塞感が溢れる警察組織の中で被害者に寄り添いつつも、やるべきことをやっていくバラードの行動力。こういう物語を読むことで自分の気持ちも上がっていく。頑張れボッシュ。
ブラック・ライヴズ・マター運動がロス市警にも逆風となった2020年。
深夜勤務刑事のバラードは二人組のレイプ犯(ミッドナイト・メン)を追って大晦日の警戒態勢に入っていた。年越しの瞬間に銃による殺人事件が発生し、薬莢から10年前の未解決事件で同じ銃が使われていることが判明する。その担当は現役時代のボッシュだった。
ハリー・ボッシュとレネイ・バラード共演第3弾。
「本格的で、時事的かつスリリングなサスペンスであり、マイクル・コナリーの最高傑作の一つだ」
――マーク・サンダースン/タイムズ紙(英国)
「レネイ・バラードとハリー・ボッシュがタッグを組む三作目は、バラードがクライム・フィクションのなかで、もっとも興味深く、もっとも複雑な登場人物のひとりに進化したことと、コナリーがポスト・ジョージ・フロイド時代における警察活動を冷徹に見つめていることから、これまでで最高の作品になっている」
――ブックリスト星付きレビュー
「絶好調の作家によるあらたな極上のサスペンスであり、ボッシュの本とタイタス・ウェリバーが主役のボッシュを演じるTVドラマの何百万人ものファンを喜ばせるだろう」
――サンデー・エクスプレス紙(英国)