投稿元:
レビューを見る
強い興味を覚えて入手し、ゆっくりと紐解き始めたのだが、驚くべき内容に引き込まれ、頁を繰る手を停め悪くなり、結果的に素早く読了に至った。
実は以前に同じ著者による『未来の年表 人口減少日本でこれから起きること』を読んでいる。何冊か、この「未来の」というシリーズは在るようだ。
「静かなる有事」とは、著者が人口減少という事態を形容した表現だ。何が悪いというのでもなく、なってしまった状態で、確実に人口は減って行き、簡単には停められない次元に既に至っているという。
以前に読んだモノは“総論”という感であった。少し長い時間が掛かりながら、人口が「増えない」が「減る」になって行こうとしている様子を説くというような内容だった。本書はそういうモノに対して“各論”というようになっていると思う。
誰にでも暮らしが在って、社会の様々なモノと色々な形で関わっている。そういう様々なモノが、人口減少によって「如何いうようになる可能性が在るのか?」、または「懸念される様々な事柄」ということが詳細に語られている。金融、交通、物流、医療、社会資本、自治体の公務、救急や警察、自衛隊等々、様々な話題が在る。
そういう様々な話題を可能な限り提供した後、免れられない「静かなる有事」たる人口減少の時代に向けて「考え方を変えよう」と提言が為されている。
「人口減少」と言われても、然程強く実感出来ない場合が在るかもしれない。他界してしまう等で人口が減る自然減という以上に、何かの事由で転出するという形で人口が減る社会減が多いとされているような、地方の人口規模が然程でもない場所に名の無く在る分には、ハッキリ言って「十分に人口減少なのですが…」と訳が解らないというように、個人的には感じないでもない。
が、本書はその辺りを具体的に判り易く論じる。例えば、鉄道の利用者の数を論じた箇所では、定期券で列車を利用している高校生や大学生が含まれる年代の人口に注目し、それより15歳下程度の人口を観ると「15年程度後、2030年代半ばの高校生や大学生が含まれる年代の人達の数」が殆ど間違い無く推定し得る。こういうようなやり方で比べて、10年や20年で15%や20%も一定の世代の数が減るということが見えるとしている。こういうのは判り易かった。或いは、本書で論じられていることの大きな部分が、こういうような「殆ど間違いない推定」に依拠している訳だ。
様々な話題に触れたが、交通や物流というような事柄で、担い手不足な傾向が深刻化するかもしれないというようなことは、或る程度判っているが気になるテーマだった。
そして医療だ。医師が足りない場所と余る場所とが混在し、診療科に偏りが生じるというような問題も生じ、「不足だから医学部の定員を増やせ」というような事だけでは対応困難で、終いには医学部に入って学ぶ若者も少なくなるという。これは少し難しい課題だ。
こういう具合に様々な話題が挙がっている。が、結局は「免れられない人口減少の局面を生き延びることを考えて、考えた結果を実践すべきだ」ということに尽きるのだとも思う。
人口減少というようなことで生じる社会の変化は、或い���既に一部が始まっていると考えるべきかもしれない。そういう中、「昔はこうだった…」とか、少し年配な人達の「若い頃は…」というのが無意味化してしまっている面も在るのかもしれない。
免れられない「静かなる有事」たる人口減少の時代に向けて「考え方を変えよう」と挑戦をした人達と、その限りでもない人達との間に、遠くない将来に何やら大きな差異が生じるのかもしれない。そんなことも思いながら読んだ本書だ。こういう「考える材料」は大切だと思う。
投稿元:
レビューを見る
消費は、人口の減少と高齢化でダブル縮小になる。
自動車整備士、第一種電気工事士、配管技能士は人手不足が続く。
ローカルテレビ局は利益が急減。
ドライバー3割減。
アマゾンは物流革命が経済成長のカギを握ることを証明した。
東京都、大阪府で高齢者が3割を超える。
駅ごとに特色があるものを集合させる案。
地方に住むと水道、電気、ガスが高くなる。
2030年には患者不足がおきる。地方圏ほど早く表れる。
東京都で2036年に1万人以上の意思が過剰になる。
寺院消滅=檀家が少なくなる。
単立宗教法人が増えている=包括宗教法人を離れて廃寺にはしないが放置しているため。
地方公務員不足になる。マンパワーが足りない。
戦略的に縮む、モデル。薄利多売ではなく厚利小売。
ブルシットジョブを減らす。
人口10万人であれば大半の業種が存続可能。
人口減少対策は夏休みの宿題のようなもの。ついつい後回しになる。
投稿元:
レビューを見る
コロナが原因の問題は思ったよりなかったと思う。多くの問題はコロナ前からすでに起こっていたから...。最後に個人的に関心のある韓国と中国の話題が出てきて、お互いに仲良くしようと思った。
投稿元:
レビューを見る
2023年13冊目。満足度★★★☆☆
本書と野口氏の『2040年の日本』をあわせて読むことで、日本の社会の様子がかなりイメージできる
投稿元:
レビューを見る
人工減少にともうなう課題を様々な業種の観点からで解説、推測した一部と今後の対策の二部。
二部の厚利小売、生産性向上、スキルアップは私自身の仕事にも通づる点あり。
投稿元:
レビューを見る
文化放送
「村上信五くんと経済クン」
ゲスト 河合 雅司 さん
(2023年1月28日放送)
91
投稿元:
レビューを見る
読んでいると空恐ろしくなってくるし、『人口減問題は夏休みの宿題と同じ、問題は認識されているのに後手後手に回る』という例えも絶妙。
でも、計算通りに人材不足、需要不足、が現実となるかはよく分からない。人間と市場の環境への適応力は、価格をシグナルにしながら、日々応力を孕みつつ変化を生んでいる、と思うのだが。。
地球への負荷を考えると、人口減自体は、おそらく良いことで、破滅することなく移行、軟着陸出来るか?というと、出来ると信じたい。
投稿元:
レビューを見る
『未来の年表』シリーズ4冊目読了。本書は人口減少が引き起こす業界への影響を考察し、第2部で現段階で考えられる対処法の提言という構成だ。私たちが当たり前だと思っているサービスは、人口減少という避け得ない未来には成り立たなくなるのだ。「多極集中」という考えに同感する。それとは少し違うが、ローカル線の駅を中心に街づくりをすることで、コンパクトシティが構築できるのではないかと思ったりした。
投稿元:
レビューを見る
各業種やビジネスを支える公共サービスの現場で起きつつある課題を人口減少の観点で捉えるとともに、「戦略的に縮む」という成長モデルの手順を深掘りし、「未来のトリセツ」として具体的に示す。折り込みの表あり。
なかなか難しい先行き…。
投稿元:
レビューを見る
シリーズ最新作。稿を重ねるにつれシュミュレーションが細かく、リアリティを持ったものになっていく。
自衛隊、警察、消防など安全を守る人たちが不足する。
運送業でも運転手不足のため運べない荷物が続出する。
寺院を維持する檀家が不足するため寺が荒れ、地域の振興の拠点が失われていく。
それらは確実に起こること。できることは準備することだけ。
投稿元:
レビューを見る
これからの日本は人口が減少するだけではなく、高齢者が増えることによって消費量も減少するという、ダブルの縮小に見舞われる。
ここでは戦略的に縮むという成長モデルを掲げて企業がどうやっていくべきかを示している。そうなんだろうなとわかっていながらやってこなかった企業としてはなかなかハードルが高く、淘汰されていくのかと思った。
投稿元:
レビューを見る
人口減は基本、ネガティブな影響しかないのに暗い気持ちになる。戦略的に縮むという話で、薄利多売でなく高利を追求することが求められそうだ。
投稿元:
レビューを見る
人口減少の未来においては、柔軟な思考や協力体制が不可欠だと思う。
社会全体で課題に取り組み、持続可能な社会を築くための対策を実施することが求められます。
そして、個々の人々が自己成長や能力開発に努め、多様な価値観を尊重しながら共生の社会を築くことが重要だと思った。
投稿元:
レビューを見る
■人口減少問題が世の中(主に経済・仕事)に、どのような影響を与えるのかを知りたい人向けの本
■[日本人口減少シリーズ]と同じく、データに基づきわかりやすく説明されている
■毎回感じるが、これからの社会が本当に成り立つのか、不安を抱かざるを得ない1冊
投稿元:
レビューを見る
人口減少日本で各業種・職種、公共サービスに何が起こるか?瀬戸際の日本にこれから起きる大変化を詳細かつ大胆に描く。
もはや人口減少は止められない。ではどのような社会を日本は目指すべきなのかの指針を具体的に示してくれている。驚くのは、人口減少問題は日本よりも中国や韓国のほうが厳しい未来が襲ってくるということ。