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教育社会学を学び能力主義の問題点に気づいていながら人材開発業界という労働者を苦しめる側に回った作者が、15年後あの世から能力主義に苦しむ我が子らを助ける為に戻ってきてお喋りする、という物語…という体の奇書だった。
企業に都合の良い人材を集める為に抽象度の高い能力があれこれ労働者に求められる一方、それを受け入れる土壌が学校道徳の「本当の私」教育で培われているのでは、という話はちょっと面白い。
我々は人材開発業界とメンタルヘルス業界に搾取されているが、前者はともかく後者からは己の気の持ちようで毟られなくなるぞ、というのはさ、それしか言えないのは分かるけど良くない。評価される能力に性格まで含んでるんだもんな、酷い世の中だよ、全く。