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事実が1つでも、解釈の仕方によって、対象の見方を変えられることがわかる本です。
変化が早く予測が難しい時代では、1つの正解はなく、仮説設定、問題発見力が大切と言われるようになってきました。
ただ、同じ事実を見ても、それぞれの解釈は違うことはよくあります。
この本では、他人の解釈を使っていると、それが自分と合っていないと、トラブルになる可能性があると指摘しています。
自分の「感情」を見える化し、それを手がかりに自分の今の解釈のパターンを知り、その上で自分に合った解釈を知ることが大事です。
ペンタゴンワークという、感情の見える化や、新たな解釈を考えることができるフレームワークも紹介されています。
課題設定、仮説立案がうまくできなくて悩んでいる方などが読むと、新たな気づきが得られそうな1冊です。
【特に覚えておきたいと感じた内容の覚え書き】
「誰かから与えられた解釈を採用して事実を見ているとき、その解釈があまりに偏っていて、『等身大の自分』に合っていないと不都合なこと=トラブルが起こる可能性がある。自身が別の角度からものごとを見ようとするとき、自分の中の声を新たに意識化できる。」
「いらないものを排除して新しいものに入れ替えるのではなく、すべての心の『声』を自分の一部として受け入れ、バランスよく選んでいくのが『解釈の幅』を広げるということ。どの声も、本来、自分にとって必要だったから生まれてきたもの。」
「トラブルの発生は、従来の自分が使ってきた成功法則が通用しなくなった証でもあり、自身がバージョンアップする時期のサインとしても解釈できる。あとで振り返ったときに初めて『ピンチがチャンスだった』ことを認識できることも少なくない。」
→どんな場面でも、どんな相手に対しても万能な法則はありません。どれか1つの考え方が正しいということもないので、状況に応じて、解釈を使い分けることの重要性はわかります。
【もう少し詳しい内容の覚え書き】
・予測不可能な時代では、本当の問題はどこにあるかといった課題の見立てや、仮説を立てられる観察眼、常識や経験からのバイアスをかけずに事実をありのままに見る力が大切。事実と解釈を分けたいが、意外と難しい。「解釈」の幅があれば、選べる生き方も幅広くなる。
・ほんの小さなきっかけが人生を大きく変える。成功する人には、人生に遅いということはない、やっていることに無駄はない、という2つの認知の変化がある。そして、それを知っているだけではなく、やってみて試行錯誤するのも大事。
○問題の原因は「解釈」が9割
・事実と解釈を分けることが難しいのは、常に解釈というフィルターを通して出来事を受け取っているから。解釈を変えるには、自分が持つパターンに気づく必要があるが、人に指摘されないと気づかないような無自覚なものが大半。「感情」に目を向ける必要がある。
・本当の答えはすべて自分の中にあるが、脳は「都合の悪い自分」に気づいて傷つかないよう、いろいろ思考をめぐらせ、「本当に感じている���と」を見えにくくしてしまう。感情を見るには、(書き出して)気づく、許す、受け入れる、(行動を)主体的に選ぶ、というコツが必要。
○「解釈のズレ」をコントロールする思考術
・誰かから与えられた解釈を採用して事実を見ているとき、その解釈があまりに偏っていて、「等身大の自分」に合っていないと不都合なこと=トラブルが起こる可能性がある。自身が別の角度からものごとを見ようとするとき、自分の中の声を新たに意識化できる。
・いらないものを排除して新しいものに入れ替えるのではなく、すべての心の「声」を自分の一部として受け入れ、バランスよく選んでいくのが「解釈の幅」を広げるということ。どの声も、本来、自分にとって必要だったから生まれてきたもの。
○「解釈のクセ」に気づく「脳の整理法」
・ある事実に自分なりの対処をしても問題がなくならないなら、まず自分が見ている事実そのものが本当かどうかを疑うことから、真の問題解決が始まる。「解釈」から事実を見直せる人は、失敗から学び、同じ過ちを繰り返さず、人生を切り開いていける。
・自己内対話で思考の棚卸し→「主体的に決めるために」最も避けたいこと、結局どうなればいいか、ひとつだけ選ぶなら、そもそもの目的は、という4つの質問→いま集中すべき「人生で大切なこと」に取り組む、という3つのステップで、「本当の課題」に焦点を合わせる。
○解釈の幅を広げるペンタゴンワーク
・紙やノートに五角形を書き、中央に「気がかりや問題」、それぞれの角に「私」「親友・家族」「対象者(物)」「神様」「尊敬する人」を書く。「私の気持ち」と、それぞれの立場だったとしたらどんな声をかけるかを書いてみると、新たな気づきが始まっていく。
・気づきをヒントに、ワークをしながら気づいたこと、気がかりや問題の今後、絶対に避けたいこと、さっそくやってみる最初の半歩、という4つの質問の回答を書き出してみる。
○「解釈」と「事実」のズレを見直す「振り返りワーク」
・人生がうまくいく人は、問題だけに焦点を当てる反省より、出来事を丸ごと見つめる内省を重視する。振り返りには「事実に直面化する」という大事な効用がある。何度も同じ失敗をする、成果が出ないという場合、無意識に課題との「直面化」を避けている可能性がある。
・トラブルの発生は、従来の自分が使ってきた成功法則が通用しなくなった証でもあり、自身がバージョンアップする時期のサインとしても解釈できる。あとで振り返ったときに初めて「ピンチがチャンスだった」ことを認識できることも少なくない。