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キラキラしたタイトルなのに、
そんなタイトルのイメージじゃないよと
負のイメージとリアルさがある。
『丸の内魔法少女ミラクリーナ』
ミラクリーナになったって
友達は救えない。
でも、彼の本性は分かる。
結局突破口は魔法少女ミラクリーナではなく
友達自身だった。
理不尽な世の中を渡り歩くには
魔法少女にでもなればよかったんだ…。
『秘密の花園』
理想に縛れらているなら
その理想で理想を打ち砕いてしまえ!
の精神が気持ち良かったな。
最後の好きな人への成敗も見ものです。
『無性教室』
近い将来ありえそうな設定だなと思った。
今は多様性が声高々に上げられるけども、
実際問題も多い。
だったら、そんなもの失くしてしまえ
と性別が消えた学校での話。
でも、そんな学校の中でも
愛は芽生えるわけで…
なかなか奥が深いなあと思った。
『変容』
ファッションと一緒で
性格にも流行があるという設定のお話。
これも面白かった。
昔は声を上げて怒るのも流行ったけど
今はそんなの流行おくれ。
今は心安らかに平穏に生きる時代。
怒りの矛先を見失った人類は、
その怒りをどこに向けているんだろう
怒りそのものがないのかな?
と気持ち悪くも思ったお話。
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ミラクリーナは村田沙耶香作品の中で一番楽しく読めた。村田沙耶香独特の世界観は好きだが、性的な表現のグロさは苦手だった。
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短編集と知らず読み始めたけど、今回もそれぞれ濃くてこの長さで良かったと思った。
個人的に「変容」が刺さった。村田さんの感情の昂り(主に怒り)の切り取り方が好きなのかもしれない。
どれも読んだらびっくりするんだけど、ミラクリーナなら、純粋な正義とは?と考えさせられる。ただ振りかざすだけなら自慰行為と変わらないよな…とか…
自分の中で創り上げた幻想は現実でないと潰せない感じとか…そうかもしれんと納得してしまった。
無性教室はまだこれから先、色々思うところが出てくるかもしれない。今はそこまで考えが深まらなかった。
変容は、いつでも自分を作るのは周りの環境が影響しているというのは本文でもあるけどファッションは特にそうだなぁ。疑問に思うことは本来悪ではない。ただ、ここではあたかもおかしいかのように書かれるから衝撃を受けるけど、別にそれは現実社会でも変わらなくないか?と思ったり。日本男児やら草食系男子とか所謂そんなところは環境が性格に影響してるよなとか思ってしまった。
面白かった〜!
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カドカワ祭で、なにか面白そうな本はないかな〜となんとなく手に取った一冊。
著者紹介を見てびっくり!ずっと読みたいと思ってる殺人出産の方だとは!偶然というか運命というか。そして読了後には、殺人出産への期待値がまた上がりました。面白い!
「魔法少女ミラクリーナ」は、社会を生き抜く自分なりのコツってあるよね、分かる分かる!私にも凹んだ時に聴く自分を鼓舞するテーマソングがあるし、感銘を受けたアニメのセリフをモットーに仕事に立ち向かう時あるし!と共感。
そしてそれだけでなく、「正義」についても考えさせられた。読者が「正しいこと」を考えるためにリナはアイドルではなく魔法少女じゃなきゃいけなかったんだな、と作者の設定に想いを巡らせたり……
良いことをしている時、正義を振りかざしてる時って気持ちいいからこそ、真っ当に向き合わないといけないな、と思った。
悪者が弱くても強くても同様に立ち向かわないと正義じゃないよね。弱い者にだけ正義っぽいものを振りかざすのは、もはや悪では?
悪を成敗できるほど、これが悪だと判断できるほど、自分は正しいのか?も自問自答していかないとなのかも。
つまるところ、モラハラは自分が気持ちよくさえなれれば当たり散らす相手は誰でもいいのよね。
「秘密の花園」も共感。理想を捨てきれないと前に進めないことってあるよね〜現実で理想をズタズタにしないと、いつまでも縋っちゃうもんね。
理想って良いことの筈だけど、足枷にもなりうるよね。
「無性」はこれからの話だよな〜と。
セクシャリティについて、私は考え込む必要あるのだろうか?と常々思ってしまう。あなたが男が好きだろうと女が好きだろうと、どちらの性別で生きようとしようと、当事者以外には関係ないし、他者が首をつっこむ必要って…?
社会進出では男女均等が叫ばれて久しいのに、男も女も関係ないと言われるのに、こと恋愛においては男と女が関係してくるのって、繁殖がかかってるから?
男だから、女だから、好きになってる訳じゃなくて、好きな人だから好きなのにね。
「変容」は、私も未だに「エモい」についていけてないもんな〜と(笑)
時代に染まる、追いつく、置いてかれるって緩やかに起こってるけど、ふと気が付くとすごい差が出てる気がする。
時代の中心って大学生から20代前半くらいなのかな?高校生から?これくらいの時ってゆとりとかさとりとか世代とか気にしたことなかったもんな。関わる人の多くが同世代だったから?
それが社会に出ると一気に色んな世代の人との関わりができて、世代や時代を感じたりするようになるもんね。
これって指導要領に基づいた、教育の均等の賜物なのかな?
一方で、宗教的な怖さも滲み出てた作品だった。こうやってカリスマ?教祖?はお金を稼ぐんだな、と。
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短編4つ。前半が魔法少女と初恋監禁、後半が無性別高校と怒り消失。前半で子供時代を思い出して油断したところに、後半で村田沙耶香らしい世界にぐっと引き摺り込まれた。
エモいがいつのまにか流行ってたときを思い出した。ついてかなきゃと思ってたけど、客観的に見たら滑稽だな。エクスタシー五十川になるのもいいかも。
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初めての村田紗耶香さんの作品。
村田ワールドとは如何なるものか??
と思ってページを巡ってみたら
一気に引き込まれました、、、!
表題作は、タイトルからしてすごくポップ。笑
ですが、読み進めていくと
人間のチグハグさが軽快な文章で描かれていて
すごく面白かったです。
それ以外の物語も、
私からしたら想像もつかない世界なのに、
どこか現実世界のリアルを含んでいて
ゾッとするというか背筋が伸びるというか。
セクシュアリティ的な要素もあるので
苦手な方はご注意かもしれません。
でも、とても面白いのでおすすめです!
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いつの間にかやめてしまった少女時代の「ごっこ遊び」の中に、自分の正義とときめきが凝縮されていたことに気づいた。
そして、それは遊びをやめた今でも、自分の中の大切なこととして根を張っていることにも。
大人フィルターがかかって、大切なことが見えなくなったときは、ミラクリーナを読み返して自分の大切なことを再確認したいと思えるお話。
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リナは、小学3年生の時、魔法のコンパクトを手に入れてから、魔法少女に変身している。
そうか、仕事とか家庭とか親戚とかPTAとか、理不尽な社会を渡る時、魔法少女に変身すれば良かったんだ。今まで、間違って、修行僧になってしまっていたから辛かったんだ。と、反省してみた。
前作消滅世界で、それまでの、村田さんワールドが一区切りついたのでしょうか。私的には、それまでの作品の行き着く先として読みました。
今回は、短編4編。
タイトルの魔法少女は、ズレた現実味があり面白い。36歳で未だ、精神的魔法少女に変身する女性。彼女の変身はいたって健全、日々の苦難をやり過ごす重要アイテム。(実は、読む前は、村田さんのことだから、本物になるかと思ってたんです。)といっても読みどころは、そこじゃなくって、モラハラ的友人の彼氏の魔法少女変身状況だったりするのだけど。
今までと比べれば、他3作も村田ワールド柔らかめ青春物という感じ。
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あっという間に読み終えた一冊。
タイトルからファンタジーさを感じて
あまり読まないタイプだな〜と思ったら
2ページ目からやられた、、、
絶妙なリアルさと、この物語の発想がツボだった。
この本は
丸の内魔法少女ミラクリーナ
秘密の花園
無性教室
変容
の4つのお話が入っており、どれも着眼点がさすが。
うわぁ、、、
えぇ〜
あー、わかるかも
これらの感情が繰り返される。
愛とは性とは、、
短いお話なのに考えさせられる内容でした。
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村田沙耶香さんの作品は、読みやすいのに蘞味(えぐみ)を感じるので好きです。
読んでるとグロテスクに感じるけど、果たしてグロいと思う私が正常なんだっけ?と常に自分の価値観揺さぶられるのが心地よい。あと、話の中で出てくる「いまの流行り」(本作だとワンピースの上に腹巻き)が、一見無さそうであり得ると思わせる絶妙なラインなのが結構好きです、そのうち本当に流行ったりしそう。
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【丸の内魔法少女ミラクリーナ】
心の中で魔法少女に変身したら嫌なことでも笑顔でこなせる主人公の話
さすがに駅のパトロールあたりはもういたたまれなかった
こんな感じで密かに楽しみ見つけて生活できたらいいかもしれない…
【変容】
「まみまぬんでら」が頭から離れない…
まだ「なもむ」はなんとなくわかるけど、「まみまぬんでら」はどういう発想でその言葉がでてきたのか気になる…
世にも奇妙な物語のズンドコベロンチョを思い出した
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文庫版のオビに「やっぱり村田沙耶香はすごい!!」と書かれている。購入するのをためらうくらい恥ずかしいコピーだと思っていたが、割と的確な表現かもしれないと読了後に思い直した。
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村田沙耶香独特の世界観。
4つの短編集。読みやすい文章ではあったけど、やっぱり途中から現実味超えてぶっ飛ぶ感じね。
1 小学生のころのごっこ遊びを今でも密かに続けていて、親友のDV彼氏を撃退する話。
2好きだった男の子を家に監禁して、最後コテンパンにする話
3性別を明かさない学校で、主人公が翻弄される話。最後は性別を超えたセックスで終了。
4この世から怒りという感情が消えていて動揺するけど、最後は主人公も染まる話
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村田沙耶香の本はいつ読んでも恐ろしい。特に4つめの話がすごかった。表題作含め4作の短編集。人間をよく見ているから書ける、属性に囚われない生々しさ。言語にラベリングされない自由な感情表現。ありそう、とありえない、の間を行き来するSF設定の中を自由に動く生きた人間たちの本。すごい。
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村田沙耶香さんの本は、私が村田さんに期待する「こういうの読みたい」をいつも気持ちよく叶えてくれて、大好きです…。今作も良かった。
全編ざっと感想。
『丸の内魔法少女ミラクリーナ』
表題作。タイトルのインパクトがすごい。
全体がコミカルな雰囲気なのに、何て言うのかな、すごく胸に響くというか…。
「あのころの純粋さ」が、如何にかけがえのないものであったか。
そしてそれが、どんなに「いまのわたし」を助けてくれるか。
またそれを共有できる友のいる尊さも。
〝ストレスフルな日々をキュートな妄想で脚色して何が悪いんだ、と私は思う。〟
ぜひ真似したい生き方だ。
それはそれとして、二代目マジカルレイミーのやばさよ。村田さんの描くこういうネジぶっ飛んだキャラ、ほんと好きw
『秘密の花園』
〝早川くんは私の少女漫画であり、私のエロ本でもあった。ときめきへの憧れと、清潔な性欲が、早川くんを相手にだけ、膨らんでいった。〟
こんな「初恋」の表現の仕方、ある?
「私の少女漫画」からは、少女ならではの「恋に恋する」憧れと美化が伝わってくる。
そして「清潔な性欲」。生々しいものではなく聖なるものとしての性。性に対する無垢な憧れがこんなに簡潔に表現されるなんて。感動した。
からの、
〝「ねえ、早川くん、初恋を終わらせる方法って知ってる?それはね、現実の初恋の相手で、幻想を爆破するんだよ。」〟
いやー、良いですね。
実は途中で、初恋を葬るには初恋の相手を殺すしかないとかそういう方向か…?と思っていたので、非常に明るい終わり方でびっくり。
1人の少女が大人になるための儀式の物語でした。
『無性教室』
18歳以下は「性別」を禁止された世界。有り得ないディストピアもの、と軽々しく断ずることができない、リアルさがある。
実際には性別があるにもかかわらず、性を隠し性差を無くそうとするがために、却ってその「差」が浮き彫りになってしまう…すごく現実味がある。
ユートがその中でもがきながら、
〝性別をいくら奪われても、私たちは恋をする。恋は性別の中にあるわけじゃないからだ。〟
と、「『セナ』が好きなんだ」と気付くことができた場面には、制度で禁止されただけでは決して越えられなかったであろう何かがあるように思う。
上手く言語化できないけど…。
とても考えさせられる作品。
それはそれとして、これコミカライズとかしたら耽美でめちゃくちゃ映えると思う。見たい!
『変容』
エクスタシー五十川!?
パブリック・ネクスト・スピリット・プライオリティ・ホームパーティー!?
どっから出てくるんだこの語彙。好き。
これまたおかしな、でも現実味のある世界観。
若者から「怒り」の感情が消失していたり、「なもむ」とかいう謎の感情表現が流行っていたり。そんな「今の時代」に付いていけない…と感じる主人公の真琴。
だけど、その真琴の生きる「常識」もそもそも、セックスなんて老人だけがするものになっていたり、ワンピースに腹巻を合わせていたりと「実際の現実」とは異なるものであるところが面白い。
そして真琴の夫のセリフ。
〝「僕たちは、容易くて、安易で、浅はかで、自分の意思などなくあっという間に周囲に染まり、あっさりと変容しながら生きていくんだ。」〟
本当に、そうなんだよなぁ…。
さらに、人間の性格にも「スタンダード・モデル」があり、それはファッションの流行のように「誰かが仕掛けて、ムーブメントを起こして」いる…という恐ろしいが妙に現実味のある話。
ファッションと同じく「リバイバル」しようか、みたいな話が出るのも面白い。
ラストシーンのインパクトもすごい。
みんなになもまれて「なもむな!」と叫ぶエクスタシー五十川。
生まれて初めてなもんでしまう真琴。
そして誕生した「まみまぬんでら」…。
笑ったけど、笑えるけど、笑えないよなー。
言葉も人格も常識も何もかも変容していく。
この作品はそれを駄目だとも素晴らしいとも言わず、「そういうものなんじゃない?」と緩やかに投げかけているような気がする。
ああ面白かった。誰かに読ませてめちゃくちゃに語り合いたい一冊でした。