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おそらく学芸員さんならあるある!ということが四コマ漫画で楽しく描かれている。私は勉強と研究の違いは何か?というところが印象に残った。それについて詳しい人から教えてもらう「勉強」はしたことあるけれど、誰も知らないようなことを「研究」したことはない。私はまだ低い次元で勉強を続けているだけなのだな、と思った。また、ここまで特化している学芸員さんってスペシャリスト中のスペシャリストで本当に憧れるほどすごいと思った。
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博物館を支える学芸員を描く四コマ漫画集。
博物館に行くことは時々あっても、学芸員が何をする人か、そういえばあまり知らない。本書にもあるが、来館時に椅子に座っている人は看視員。学芸員は
集めて 調べて 人に伝え 未来に伝える お仕事
本書は実際に学芸員をしている著者さんが、ネット上に公開していたものが元となっている。館長はじめ、ベテラン・中堅・若手の学芸員、SE、エデュケーター、事務職員、総務など、登場人物はすべて動物のキャラクター。
軽く読めて、ところどころクスリと笑わせるが、なかなかどうしてディープで濃い。
限られた予算での展覧会の企画、図録作製での〆切の攻防、各学芸員の専門にこだわるオタクぶり。
一番笑ったのは、苗字を説明する際、「野末」さんを「野原の”野”に末法思想の”末”」というところ。一般の人には逆にわかりにくいでしょうw
四コマの合間のコラムには、博物館の豆知識も。
博物館は見せるだけでなく、保存することも大事な仕事。「保存」のためには「展示」が短い方がよいけれど、一方、「展示」で多くの人に見てもらうことが「保存」につながることもあり、落としどころが難しいところでもある。
学芸員は専門知識を要する仕事だが、ポストが少なく、空きが出にくい。専門性が高まれば高まるほど、うまく当てはまる職場は見つけにくい。現状では人件費の問題もあり、かなりの狭き門。非正規も多い。自分の専門にあった分野の学芸員になるには、運も必要で、長期戦になることもある。このあたりは図書館司書なども同様だろう。
楽しく読める一方、少々考えさせられる。
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山奥博物館で働く仲間たちは今日もお仕事に奮闘中!
ここはさまざまな役割を持った人が、日々働く、わりと大きな規模の公立博物館。展示をつくったり、 モノをあつめて、しらべて、整理したり…そんな学芸員たちは、どんな生き物なのか!? 学芸員ならではの悲喜こもごもをほのぼのとしたトーンで描く四コマまんが。
ほのぼの読みました。
動物のキャラクター化された職員たちが可愛い!
学芸員の方たちからしたらあるあるな日常なんでしょうけど、知らない人間には「えっ、そうなんだ!?」と驚くことばかりで興味深く、面白かったです。ちゃんと解説もしてくれますし。
博物館や学芸員に興味がある方は読んでみるといいかも。4コマなので気軽に読めます。
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「査読」とは掲載するに値するかどうか_その分野の専門家が判断すること_アクセプト(受理)リジェクト(却下) 博物館の中には非常勤の学芸員しかいないところもあります
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展示会するのに 5年前から企画 準備
展示物 図録 広告物など
その業務は多岐にわたり とても大変そう
それをかなり 限られた人数で
乗り越えていくのですね
大変な話も多いですが
かわいい動物キャラでなごみますし
必ず展示の値段を聞かれるとか
笑える話も多くって
よい読書でした
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存在を知ってはいるけれど、実際に何をしているのかはわからない職業。よくわからないということは、成り手が少ないということで、狭き門なのだろうなあとは思っていた。やはりその通りで、専門性が高いことは勿論、ポストが極端に少ない!大事な仕事なのに、非常勤という不安定な立場に置かれている人も多いそうで、なんだか残念な気持ちになる。
各館の個性が出る図録に興味を持った。すごく気になる。館に行く前に、まずは図録から読んでみようと思った。
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『これから学芸員をめざす人のために』にあった参考文献で、ミュージアムで働く動物たちの日常を4コマ仕立てにしたもの。コミカルさを交えながら、実際に著者(「とある博物館」の学芸員)が体験した出来事に基づいて描(書)かれている。
学芸員といってもベテラン・中堅・若手の層があり、ほかにも修繕やSE、事務職だったりと蓋を開ければバラエティ豊か。彼らの仕事やニッチな職業病、あと個人的に館長のゆるキャラ感も見どころの一つだ。
『これから…』を読んだばかりというのもあり、そこまで目新しさはなかった。
しかし来館者の一言が館にとって色々ヒントになる…というのは、前回にはない情報で面白かったし、何となくホッとした。
学芸員といえばまだまだバックヤードにこもる研究者然とした印象が強かったけど、「やはり来館者の反応ありきなんだな」と認識を新たにした感じ。(ちなみに企画展会場の端々に座っているスタッフは看視員で学芸員にあらず。作品と来館者の安全を守るお仕事だが、学芸員と間違われて解説を求められることもあるんだとか…)
正規の学芸員はとにかく狭き門。何故なら日本のどこかのミュージアム(日本の博物館法によれば動物館や水族館もその中に含まれている)のポストが開かない限り、求人が出ないから。だから本書の大神さんみたく正職員としては10年ぶりの採用…なんてことも別におかしな話ではない。
また仮に着任できても、自分の専門外にあたることもよくあるみたいだ。
でも一番辛そうなのは非常勤や有期、会計年度などの雇用形態で働く学芸員。
院に通いながらアルバイトのような雑務をこなすと思いきや、企画展準備も任されるという謎ポジション。財政難はどこにでもあるケースだが、非常勤でこの仕事量はハードだし、自分なら回れ右で異業種の転職活動を始めるだろう。本書の田貫さんみたいに「雑芸員」と自虐しながら…。
そんな学芸員にはこんな職業病がある。
人型ではない作品を指すときも「(この/あの)人」と呼ぶ、というものだ。著者曰く呼称の理由は謎みたいだが、「作品一つひとつが重ねてきた時間の重み・唯一無二の個性・大切にしたいと思う気持ちが『ただのモノ』とは思わせてくれないのかもしれない」という。
画集や図録、あるいはウェブといった媒体でも作品を拝めるけど、それはあくまで「情報」。館の印刷物を発行する際は「色校正」というプロセスがあり、実物の色に近づけるために印刷業者とも入念な打ち合わせをする。実際目で見る作品と印刷用紙を通して見る色彩は全く異なるからだ。
色合いひとつ違うだけで目に飛び込む情報も違ってくる。
この場合の情報とは、作品に刻まれた時間の重みや個性。それらを丁寧に感じ取りさえすれば、作品に触れずとも、学芸員であらずとも、「ただのモノ」という見方は出来なくなる。そして、そうした作品群を少数一丸で守ってくれる「彼ら」に対して、自ずと感謝の念も湧いてくるはず。