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休暇を過ごすため孤島の別荘に集まった十人の若者たち。
嵐が島を襲う中、何者かの恨みを示す動画が発見され、ついに最初の犠牲者が……。
通信が遮断され、人間関係がもつれてゆく中で次々と命を落としてゆく十人。一体なぜ。そして犯人は誰なのか……?
『そして誰もいなくなった』の流れをくむ孤島でのクローズドサークルミステリ。
動機や犯人もスタンダード・王道といった感じですが、お約束はおさえていてカジュアルに楽しめます。
ただ、焦点はどちらかというと事件よりも人間関係の方に置かれていて、完全に学生たちの惚れた腫れたがメインになっている印象は否めません。
主人公メグの親友、ミニーが好きなのはT.J。でも実はメグもT.Jが好きで、ミニーの為に恋心を殺している。T.Jの親友、ガンナーはミニーの元カレで、ガンナーの今の彼女も孤島に来ていて……といった具合で、いやもう交友関係乱れすぎでは? ワイドショー的な楽しさは否定しませんけど、ちょっと浮つきすぎていて”孤島での殺人劇”的楽しさを期待しすぎると残念に感じるかもしれません。
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アガサ・クリスティの「そして誰もいなくなった」の現代版、というかほぼ一緒のプロットだが自分としては楽しめた。
「そして誰もいなくなった」よりこちらの作品を先に読む読者もいると思うと感慨深い。そうしたら驚きは自分よりも10倍くらい大きくなるのかな?
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嵐で外界との連絡が途絶された島を舞台に連続殺人が繰り広げられ…という、古今東西問わずこれまで擦り尽くされたクローズドサークルミステリーの体裁を取っており、まずその時点で自ら設定したハードルは高いと言わざるを得ない作品。
と同時に他方、では如何ほどの内容なのか…と期待も抱かせてくれたわけだが、残念ながらそれは見事に裏切られた。
要のプロットを始めとする、小説を構成する各要素が悉く類型の凡百にすら達しておらず、それぞれの犯行の可能性を裏付ける具体的なトリックに至っては、読者への説明そのものを完全に放棄してしまっている。
フィクションとしてのリアリティーは、つまり皆無。
ディテール無視でいかにもアメリカらしい派手なドンパチ主体のアクションスリラー、と括るのは偏見が過ぎるかもしれないが、そう考えた方がよほど腑に落ちる。
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孤島に閉じ込められ殺戮が始まる… 若者たちの微妙な関係性が胸を打つ恋愛サスペンス小説 #孤島の十人
■あらすじ
ハイスクールの学生たちが孤島にある別荘で行われるパーティに招待された。主人公である女学生メグは、親友のミニーと一緒に参加することになる。10人ものメンバーが参加していたが、そこにはミニーのために恋愛を断念した憧れの彼、TJも参加していた。
皆でパーティーを楽しんでいると、別荘で怪しげなディスクが見つかる。ディスクを再生すると、そこには恨みと復讐を示す動画が流れるのであった…
■きっと読みたくなるレビュー
装画のイメージどおり『そして誰もいなくなった』のごとく物語が進行。孤島、悪天候、脱出できない、連絡が取れない…絵にかいたようなクローズドサークルで連続殺人が発生していくというストーリー。
本作は本格ミステリーの形を成していますが、実体は恋愛&サスペンスです。謎解き要素ももちろんありますが、新しさや衝撃度はそれなりで妥当な内容ですね。
本作の読みどころ謎解きではなく、ヤングアダルト独特の微妙な人間関係描写です。主人公メグと友人ミニーのなんとも言えない距離感。友人への引け目と私欲の間に揺れる心の機微が、読者を切ない気持ちに誘っていく。
友情と恋愛のどちらを取るか?! 切ないなぁ…
そしてついに次々と発生する殺人、迫りくる死の恐怖!
めっちゃ恐ろしい展開にハラハラドキドキさせられますが、その中で若い男女の関係性が少しずつ変化していくんです。誰もが経験する青春時代の淡い恋愛描写を潔く描かれていて、ヒリヒリした中にもキュンとする瞬間が素敵ですね。
本作はヤングアダルトな恋愛小説ファンに手に取ってもらい、ミステリーやサスペンスの良さを感じてもらいたい作品でした。
■きっと共感できる書評
私が20代のころ、常日頃から思っていたこと。
・何かしたい、でも何もできない。頭で考えてばかりで、行動ができない。
・インプットばかりで、アウトプットができない。
・唯一できるのは、人から問題を与えられた場合に、その答えをだすことだけ。
このままじゃいけないと思いながらも、何が足らないのかが分からなく、自分のことが大嫌いでした。
実はそこに原因があるということに気づいたのは、もう若くない30歳くらいになった時でしたでしょうか…
頼りなくも必死だった若かりし頃の自分を思い出させてくれる作品でした。
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ストーリーは完全に「そして誰もいなくなった」。
ただし登場人物が全員学生で、所謂アメリカンキャンパスライフ的なアルコール×セックス×恋愛のノリでした。
また、十人全員が病んでたり性格悪かったりチャラかったりでいまいち感情移入が出来ず、ラストまで行ってもそれは変わらなかったので少しモヤモヤが残りました。
B級ホラーを見る感じで読めば楽しめると思います。
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主人公にイライラ。
いかにもアメリカーンなつまらなさ。
本家まんまのひねりなきオチ。
映画化作品が日本に上陸しなかったのも
むべなるかな。
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そこそこかなー……という感じだった。
人が何人も死んでえらい状況なのに恋愛沙汰でごたごたしてて、「怖い!でもどうしよう、彼と距離が近い……」みたいなのを繰り返し……。主人公たちは高校生なのでそういう(?)もんなのかなと自分を納得させてどうにか読み終えた。
クミコの容姿が典型的なやつで、なんともまあ……書かれたのが2012年なので、時代だなあと。
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アガサクリスティー『そして誰もいなくなった』をオマージュしているつもりなのだろうが、孤島というだけ。
カタルシスもなく、動機も弱く、謎もなく、見立て殺人もない。
ただ薄っぺらいアメリカの若者がどんどん死んでいくだけ。最後なんとなくハッピーエンドにしているがそんなものは求めていない。
日本のミステリを読んだ方がマシ
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学校の人気者の主催する孤島でのパーティーにやってきたメグとミニー。2人は親友同士だが、その関係に緊張をもたらす存在、TJも島に来ていた。パーティーは無事に進むのか。
ティーン版そして誰もいなくなった。短めなのでサクサク進む。犯人はこの中にいるのか、それとも他に第三者がいるのか、といった仕掛けは面白かった。ミニーのおかしな言動も最後に理由がわかるし、メグへの謝罪は本心だと思う。
というわけでミステリー部分はまあまあ良かったけど、それ以外がちょっと。。私達親友よね、とか言い合う女子高生とか現実にいるか??憧れの彼を巡っての諍いってもなんか古典的だし、、
私が年寄りすぎて共感できないのかなとも思ったけど、同じティーン向けでも、「誰かが嘘をついている」なんかは良かったですしね!
ちょっと短すぎるのかなあ。せっかく10人いるからそれぞれ掘り下げたり、ミニーとメグの関係(2人の複雑な共依存?もよくわからなかった)なんかが細かく描かれたら良かったかなあ。
決してつまらないとかではないですが、なんか物足りなさが残りました。
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孤島の別荘に集まった十人の高校生たち。しかし嵐が襲うその孤島で、事件が起こり始める。次々に増える死者、見えない犯人の影、そして募るばかりの疑心暗鬼。「そして誰もいなくなった」好きにはお勧めのミステリです。
ほんっと、こういうの大好きなのでわくわくしっぱなしで読みました。嵐の孤島、連続殺人、死者からの告発、そしてこれもある意味見立て殺人。好きな要素がてんこ盛り。犯人が誰か、という謎はもちろんですが。全員死んでしまうのか、それとも誰か生き残ることができるのか。その要素だけでも気になってぐいぐい読んじゃいます。
主人公のメグが、わがままな親友と好意を抱く男子との間で揺れ動く部分にもハラハラさせられました。メグ、いい子なんだよねえ。だからメンタルを病んだ親友を切り捨てられず、かといって彼のことも諦めきれない、という板挟みで苦しんじゃうのが可哀想。なのにさらにこんな事件に巻き込まれるって災難すぎる! こういうミステリ、全滅路線が楽しいのだけれど(笑)。なんだか彼女は助かってほしいんだけどなーと思いながら読みました。さて、結末はいかに? 読んでのお楽しみです。
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タイトルからも分かる通り”絶海の孤島モノ”であり、「そして誰もいなくなった」パターンの小説。
しかし、あとがきにも触れられている通り、作者はむしろ「スクリーム」や「ラストサマー」「13日金曜日」等のティーンズホラーを目指している。
孤島の10人が全員ハイスクルール生であるために、人間関係も浅くありきたりの死にキャラばかり。
一人一人殺されている(死んでいる)のに、恋愛感情に翻弄される辺りはなんら説得力もない。
意外な犯人(と動機)はあるものの、そこに行くまでが冗長すぎる。
まるで映画のノベライズを読んでいるようで、視覚的と言えばそうだが、どうでもいい描写が長く小説としては辛い。
この作品はすでに映画化されているようなので、そちらだと(演出が良ければだが)面白いかもしれない。