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こちらも大好きなシリーズの1つです。定期的に翻訳が続いているのを見ると、私同様に根強いファンが存在しているようです。舞台は、7世紀半ばのアイルランド。日本は、飛鳥時代、大化の改新の頃でしょうか。このシリーズの最大の魅力は、何と言っても、主人公フィデルマのキャラクターです。修道女にして、ドーリィー(法廷弁護士)の資格を持ち、モアン王国の国王コルグーの妹君でも有ります。美人で聡明で有り、ドーリィーの資格を活かして、数々の難事件を解決してしまう推察力を備えています。
ストーリーは、フィデルマの思い人で有るエイダルフが、隣国ラーハンで少女を強姦し、殺害した罪で死刑を言い渡されてしまいます。何かの間違いで有ると信じ、フィデルマは、弁護の為、ラーハン王国へ急ぎ向かいます。ラーハン王国に到着すると、他にも立て続けに事件が起きており、何やら陰謀めいた動きも感じられます。エイダルフの死刑を阻止して、事件の真相を突き止める事は出来るのでしょうか?
伏線もきっちり回収されており、フィデルマの推理の披露シーンもバッチリ決まっていますが、本作は、ラストのフィデルマとエイダルフのやり取り、2人の関係性に変化が有るのか、読者がヤキモキする所が、最大の読み所ではないでしょうか。☆4.6