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前作が面白かったので、続編かと思い、内容も確認せずに即買い。
しかし、主人公は前回の主人公・翔子の従妹で大手出版社の経理部で働く高遠寧々。
コネ入社を根に持ち、同じくコネ入社の弥々ぐらいしか親しい友人がいない。
仕事に興味はないが、ある程度お金がもらえて、模型作りを趣味としている。
前作では翔子だけでなく、主人公が入れ替わっていたが、今作はあくまでも寧々が主人公。
経費精算の不備、社内不倫、他部署でのいじめ・・・
自分はコネ入社だから、入社試験をパスして入社した人たちに引け目を感じている割には、いろんなことに首を突っ込んで行く。
正直、何様なの?こいつ?って感じ。
世の中、コネがないのが当たり前だし、「コネ入社だから」と卑屈な言い方しつつも、少し上から目線のような感じで、自分から線を引いてしまっているのもどうかなぁ。
何より、経理の仕事を何だと思ってるの??
誰にも評価されないみたいな、ボロクソに言ってくれちゃって(その後、フォローあったけど)。
29歳にもなって、経費精算しか出来ないなんて能力なさ過ぎだし、今時、経費精算に電卓なんて使わない。
前作では翔子の考え方が変わっていく様子が、手に取るように分かったから、最初はやはり翔子に対して、むかついたけど、終わりはすっきりしたのに、今回は結局寧々の成長の様子も感じられず、定年まで居座り続けられればいいと言う考えが、こういうのが本当の給料泥棒って言うんだなぁ、としか思えなかった。
すごい辛口のコメントだけど、まさしく自分が今寧々のような人に悩まされていて・・・
もっと心に余裕がある時に読めば、違う感想になったのかもしれない。
作者さん、ごめんなさい。
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高遠寧々はコネ入社で大手出版社の経理部に勤務。 趣味は住宅の模型作り。
百舌弥々は寧々の親友で同じくコネ入社。総務部勤務。 BL同人誌を作ってコミケに出ることが趣味。
寧々はコネ入社であることを後ろめたく思いながらも、トラブルもうわさも抱えて、今日もお仕事へ向かって行く。
私もそんなに大きくはない建設関係の会社で勤めていましたが、一応、本社は銀座だったし、取引先はCMがたくさん流れているような建築会社や名前知らない人はほぼいない所でした。ですが、私は営業所勤務でしたので、寧々ほど大変な思いはしたことはなかったかな。
でも、地方の営業所の女子社員は全部できないといけないので、経理や注文、伝票整理等でそれなりに大変だったなぁ。やりがいはあったし、仕事は嫌いではなかったです。めちゃくちゃ忙しかったけど、上司がとってもいい方だったしので♪
月曜日から始まるこの物語。
まず経理の締め切りに間に合わなかった伝票が寧々の元へ届くところから始まります。(本当に困るんですよ、これって。他にも経理やってるとお金いじれるのは私だけなので、他にもいろいろあってねぇ~)
営業の人が自腹を切ることは多いですし、下手をすれば、他社の経費を肩代わりして払うこともあります。
でも、さすがに読みながら上手くやればいいのにと思う私(笑) 尻ぬぐい、慣れたもんです(;^_^A
そこから見えてくる女性社員の位置とか、職種による差別とか、あったねぇと。
労働は尊いと思うし、でも、生きていくための給与も大事なのも事実。
そういう意味では女であるということだけで、損をするのはおかしいよね。私は特に男社会のような場所で働いていたから、なんて理不尽! と思うことも多かったです。
寧々はそれに向かって行くところがいいんですが、実際、社会の中でできることではないかな。
じゃあ、どうすればいいのかとか思いながら、この本を読んでいたんですが、最終的には頑張っていくしかないのかな。
解説の杉江さんがお仕事小説とは女性が仕事に生きることが異端視されたからこその呼称である、という作家・田中兆子さんの言葉を紹介されていて、気づいてなかったことに少し考え込んだりもしました。
女性が仕事に生きるのは異端なのか~。でも、それって変だし、おかしいと誰もが声を出して言える社会になってほしいよね。
作品はどれも楽しくて、ドールハウスから住宅模型へ趣味が変わり、最終的に自分の会社のモデルを作り始めた寧々やBL同人誌でコミケに参加してもうけが出ていないから、これは副業ではないと本を配る弥々♪
いや、もらっても困るかも。(あはは、私もそろそろ同人誌の断捨離をしないとまずいかしら)
人生は短いし、自分のためだけに時間をつくれることはもっと短い。だから、読みながらもっとやれ! とかも思ったりしてました♪
仕事と人生は上手く折り合いがつかないことが多いけど、その中で楽しみを見つけられる生き方ができる女性��けではなく、全ての人がそうであってほしいなぁと思いながら本を閉じたのでした。
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お仕事・青春小説ですね。
「ワーキングガール・ウォーズ」の姉妹編です。
今回の、主人公は墨田翔子の従妹の高遠寧々。
二十九才、独身。彼氏なし。
大手出版社経理部勤務。趣味は住宅模型作り。
ごく普通のOL。コネ入社をトラウマにしているのがネック。
ちょっと変わっているが、仕事はそこそこで趣味に喜びを見いだす働く女性の赤裸々な日常を描いた、本音のお仕事・青春小説ですね。
連作短編の七話の成長物語でもあります。
柴田さんの小説が好きな理由は、本当に、本音が語られるからですね。
寧々を通して、働く女性の喜びと嘆きを、本気で受け止める事が出来る気がします。
「セリフ」が長いのも柴田流、しっかりと語らせます。
受け止める私は、男性なので共感や実態は完全ではないにせよ、柴田さんの小説の有り様を感じさせてくれます。
ストーリー展開も成長物語でもあり、人物の絡みが上手いですね。
小説の主人公ながら、幸せになってくれと、つい祈りたくなりました。
面白く、引き込まれるように読了しました。
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ワーキングガールズの続編かと思ったら、主人公は黒田澄子の従妹だった。コネ入社で経理部で働いているが、趣味は模型作り。コミケ仲間とのやり取り、仲間が退職してしまいショックを受ける。まあまあ面白かった。