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反戦川柳人 鶴彬の獄死 みんなのレビュー

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紙の本

『反戦川柳人 鶴彬の獄死』

2023/05/26 23:36

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:百書繚乱 - この投稿者のレビュー一覧を見る

出征の門標があってがらんどうの小店
  万歳とあげて行った手を大陸へおいて来た
  手と足をもいだ丸太にしてかへし

激烈な反戦川柳を残して29歳で獄死した鶴彬(つる あきら1909−1938)の川柳と生涯を激辛評論家が筆鋒鋭く立体的に描き出す

〈古関[裕而]ではなく、鶴の生き方と川柳をこそ後世に伝えるべきと思って、私はこの本を書く。〉

  屍みなパンをくれよと手をひろげ
  検束をしても亦組む腕と腕
  出征のあとに食へない老夫婦

〈権力はまだ20代の鶴が怖くて仕方がなかった。その肺腑をえぐるような川柳は大日本帝国を恐怖させたのである。〉

  塹壕で読む妹を売る手紙
  貞操を為替に組んでふるさとへ
  修身にない孝行で淫売婦

〈私は鶴を“言葉の狙撃手”と呼びたいが、それ[鶴の川柳]はこれ以上ないくらいに鋭く権力の的を射抜いていた。〉

《命をかけて反戦を詠んだ川柳人29年の生涯!》──帯のコピー

戦前の様相を呈する現代日本において、川柳かくあるべし、の一冊
2023年3月刊

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2023/11/21 18:48

投稿元:ブクログ

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