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読了:2023/5/21
すごくいい本なんだけど、書体見本がもっと多ければ良かったなぁ…
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明治時代から現代までの日本の書体の歩みを、詳細に解説。
1 近代日本語活字のあけぼの 19世紀末―1630年代
2 戦後成長を支えた活字 1940―1960年代
3 写植時代の幕開け 1950―1960年代
4 新書体の勃興 1970年代
5 多様化するスタイル 1970―1980年代
6 古典の再解釈と書体の成熟 1970―1980年代
7 デジタル書体の到来と可能性 1990年代
8 デジタル時代の新基準 2000―2010年代
9 ニュアンスと主張 1990―2000年代
10 ポストデジタル時代の機能と感性 2010―2020年代
関連年表、参考文献、人名索引、記事索引有り。
明治時代初頭の日本語による活版印刷の基礎の構築。
築地体や秀英体、弘道軒の古典の書体。
戦後のベントン彫刻機での活字の製造。
邦文写真植字機の開発と石井茂吉の書体。
専門のデザイナーたちによる新しい書体デザイン。
多様なトーンを表現出来る書体。
金属活字の写植でのリバイバル。
DTP環境の発展とデジタル書体。平成書体。
Macintosh登場により、印刷所や専門家主体の
フォント制作がデザイナーにも開放。
金属活字以前の平安時代等の古い活字への注目。
そして様々な用途への対応や手書き、アナログな書体の模索。
日本の書体の歩みの中での、特徴的な書体、約150点。
様々なその姿を眺めるだけでも楽しいけれど、
活版、彫刻機、写植、デジタル等の作成の時代背景を知ると、
書体を作る側の姿勢や課題を窺うことが出来て、良かったです。
「重版出来」でも描かれていたけど、書体を生み出す人の
凄さをまじまじと感じてしまう内容です。
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各フォントがどのような時代背景のもと、どのような課題意識で、何を克服しようとしたのか、ということが分かりやすく示されており、学びがあった。タイトルからしてそういう意図なのだろうけれど、この試みは成功しているように思う。