紙の本
世界はつながっている
2024/04/05 20:40
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投稿者:ぱぴぷ - この投稿者のレビュー一覧を見る
カラー写真がたくさんで、シルクロードの旅に出た気分になれるし、各地の文様をみていると、世界は全部つながっているのだなぁと感じさせてくれる。何度見ても飽きない。楽しい。
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開始:2023/5/27
終了:2023/9/3
感想
世界中に広がる紋様。どこか似ていて何かが違う。歴史の中で伝わり変化し育まれた営みを移す。時間の中で風化せず僕らの元にたどり着いた。
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まず金地に蓮や様々な花にまじり鹿、兎、鳳凰?などが散らばる表紙に引き寄せられる。ぱらぱら全体をめくると、鮮やかな印刷で、イスラム寺院や仏教寺院、仏像、衣服、布、イヤリングや頭飾りなどの金の装飾品、皿、などがこれでもかというくらいたくさん押し寄せてくる。色合いは赤茶と緑が多い。これらは長安を起点にシルクロードを通り終点のイスタンブールへと続く町町で造られた品々なのだ、と解説が入る。理解を助ける地図も載っている。
そして日本へもやってきた。唐草文様がギリシャからつながるというのは歴史の教科書にも載っていたが、9世紀から10世紀にかけて南海路(海のシルクロード)が発達するとイスラム商人はマレー半島で交易を行ったとあり、ここに載ってる16世紀のベトナム茶碗の図版が濱田庄司の赤と緑の色合い、図柄を思い出させるものだったのには驚いた。
そして解説で紹介されていた、三蔵法師玄奘「大唐西域記」、「慈思伝(玄奘法師西域紀行)」を読んでみたくなった。またマルコ・ポーロの「東方見聞録」、ヘディンの「シルクロード」も読んでみたい。
なんと2023.4.23亡くなられていた。
海野弘HP
https://www.unnohiroshi.com/
2023.5.10初版第1刷 図書館
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シルクロードを旅している気分になれる、充実の良書。古代から世界はつながっていて、遠方の文化が人々を虜にする最先端の魅力を放っていたことを実感する。最も有名な「歴史」は戦争と支配の歴史だが、古くから普通の人々が暮らし交易し何かに惹かれ影響しあっていたのを感じると、他の文化への敬意を抱き、ゆるやかな特徴の差異こそあれ世界に境界はないことに気づけると思う。