紙の本
農という業
2023/06/11 15:13
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投稿者:タキオン96in - この投稿者のレビュー一覧を見る
真摯な言葉が沁みる。
経済活動とは違う、農という業(なりわい)に根ざした、それは、食べて生きるという部分からの言葉。とても読みやすかった
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筆者の岩崎さん、自分の農法、農業、作物にものすごく誇りを持っていて、それゆえ次の世代にも自分のような農家がいてほしいって書いてあったのが印象的だった。
その誇りはどこからくるのだろう、ずっと伝統種を育てて、種を大事に、野菜と真摯に向き合っているからなのかな。一般的な育て方じゃなくて廃れやすい、誰かがやらないと失われてしまうからなのか。
あと印象的だったのは、お金を全然気にしてないこと。販路が見つからなくて移動販売した時もあったことは書かれてあったけど、賃金が低いことを気にせず誇りを持って農業をやっているのは、心の底から在来種を育てること、種を採って育てることを楽しんでいることと、消費者のおいしいという声を楽しんでいるからなのかな。
個人経営で在来種を育てていると農業問題にはあまり直面しないのかな、その背景はもしかしたらあるかもしれない。
あらまちは旬の野菜を売りにしていたけれど、旬の野菜は寧ろ今の社会では勝てないことがわかった。旬じゃない野菜が買えるしそれが当たり前になっているから。しかも旬の野菜はたくさん取れるから安い。だから旬だよっていうのは、あんまり良くないのかも知れない…?
あと、本を読みながらもう一つ思ったのは、販路として役に立つことももちろん必要ではあるけれど、今生産者と消費者が分断されがちな中で、販売を通して農家さんの誇りを引き出せて、この岩崎さんみたいに次の世代にも継いでもらいたいって思えるようになったならば、それは地域おこしに貢献しているのではないか。販路として、お金の獲得先としては難しいかも知れないけれど、触媒としてお客さん、農家さんを地域おこしの方向性に持っていけるのではないだろうか。販路の位置付けからは少しずれてしまうかもしらないけれど。
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種を とる(採る)
ではなく
種を あやす
もう その一言に
岩崎さんの 野菜に対する
思い 願い 愛情が
強く感じられる
F1の種で作っておられる方にも
自然農法に拘っておられる方にも
どうしたらいいかなぁの日々試行錯誤の方にも
読まれて欲しい一冊です
播磨地方で「ひょうごの在来種保存会」の代表
をされていた山根成人さんがつい最近、
ご逝去されました。
山根さんと この一冊を語り合いたかった…
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言葉を大切にする筆者だから「あやす」と言う言葉を使ったのだろうけど、合わない。
タネをつなぐと言うことだろうけど、あやすでは何のことだかイメージできない。
種を次世代に繋いでいく事の大事さを言っているのだと思います。